黄昏どきを愉しむ

傘寿を過ぎた田舎爺さん 「脳」の体操に挑戦中!
まだまだ若くありたいと「老い」を楽しんでま~す

「天翔ける」を読んで

2018-04-20 | 日記・エッセイ・コラム

庭の草取りが毎日続いている。

この陽気です、花の開花は素晴らしいが

「雑草君」(雑草と呼んで失礼しますが)の成長も

また、すさまじい勢いなんですよ。

「追いかけるか」「追いかけられるか」

我が家の庭では死闘は年中なんです。

 この1週間も、女房殿の仕事の「送り迎え」の合間は

ずっと「草取り」

 時計を見ながら、もう迎えの時間か…と。

落ち着かない日々ですが、これも私の役目。

日没の時間も頃合いな時節

このところの陽気も手伝って、夕方も手がすすみます。

そんな夜の晩酌は、やっぱりのど越しがいいですね。

そんな合間に本屋に行って書棚に1冊の本を見つけました。

「天翔ける」 葉室麟

 昨年の12月 惜しまれつつ…逝去。

彼は北九州小倉の生まれ。

 私も彼の作品「弧蓬の人」「墨龍賦」など読み

歴史の妙味を味わい好きな作家でした。

 何故 この本に目が止まったか?

一行も読んでいないのですが まず 表紙絵に目が止まる。

どこかで見た絵だなぁ~…本を取り出し

 巻末に装画 橋本関雪「霊鷹」

やっぱりそうだ…この絵の「鷹」 以前から好きでしたから。

 この絵の制作が 1942年 私の生まれた年も同じで…

 鋭い目 嘴、尖った爪… 身体は「真っ白」

 威厳は他を許さず… いかにも王者の風格

 この絵は 島根県安来市 足立美術館に。

 

余談ですが…

 身近な美術館で 行橋増田美術館に。

 橋本関雪の「老松白猿」

 この絵 とっても好きな1枚です。

   

 この老猿も 奇しくも? 「白」 

 白は 歳を重ねて 幾多の経験を経て 到達するに使われる

 この老猿も、若い時代の己と 今は 

 

 じっと眺めていたら~ 理解できます この猿のドラマも、

 そして 「老」となり 体の毛も 白くなり…

  ほっとする絵ですよ。  是非 ご覧下さい。

 

 そして、この本の 最終章にある 1行に 辞世の句

「 なき数に よしやいるとも天翔り御代を守らむ皇国のため 」

 そう、タイトルの「天翔ける」は ここからなのか…

  という まったく「読みたい」というには 異次元の選び方でした。

 

 でも、 最初の1行から  うん、これは 面白そうだ…

 

 

 幕末から維新前後は 大好きです。

 もう、誰が登場しても その本人の生涯は みんなドラマですから。

 今回の主人公 越前福井藩主 松平春獄

 維新の四賢候と呼ばれた 薩摩藩 島津斉彬 宇和島藩伊達宗城 土佐藩山内容堂

 時は幕末 時代は急変 歴史のドラマは数限りなく…

 この1冊で 登場する人物の豪華さ?

 私の好きな人 み~んな出てきました。

 徳川家茂 慶喜 井伊直弼 勝海舟 三条実美 

 この本の 準主役? 横井小楠 中根靱負

 西郷隆盛…

 そして、 この時世の 主役は やっぱり 坂本龍馬だ。

  ストーリーの立役者に。

 数え上げれば…もう 正月映画並みに豪華俳優さん勢ぞろいです。

 

 筋は 維新全体そのものですから いろいろの本を読んだ

 集大成でページを捲っているようなもの…

  作者が書きたかったのが「春獄」の バランス感覚であると

 そうですね、この混沌とした時世に 丁半だけで物事を決め

 進めて行って いいものか? 

 そんな周囲の「人間」を見つめ  信に値する同胞と

 この国にとって 何が今 必要なのかを熟慮し、決断し、

  志を全うしていこうとする姿。

  「天翔ける」は 孤高の人であるのか? 「春獄」

  翔けるを 鷹になぞらえ 関雪の「霊鷹」を持ってきたのも

  あの絵の中に潜む「鷹」の姿が もしや…

 

 

 

コメント
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続 黄昏どきを愉しむ

 傘寿を超すと「人生の壁」を超えた。  でも、脳も体もまだいけそう~  もう少し、世間の仲間から抜け出すのを待とう。  指先の運動と、脳の体操のために「ブログ」が友となってエネルギの補給としたい。