凄いね、この豪雨・・・止みません。
どしゃぶりの雨が降り続く。
こんな日は、部屋で心静かに・・・ですよね。
蔵書の中から、絵の本を。
私の蔵書の中で一番高価な本がこれ。
もう20年くらい前に奮発して購入のもの。
私にとっては大枚でした。 3万2千円也。
この本は、「草花譜」といって、人間国宝 三代 田畑喜八 (友禅染を業としている家)
友禅染の手描きの基本となる花、草、魚、鳥・・・を、すべて毛筆の手描き写生。
という逸品です。 とにかくこの本に載せられているひとつ、ひとつは細密、堅実な筆致
絵を志す人にとっては最高の手本です。
以前より、水墨画、南画、水彩画を楽しんでいますが、すべて我流ですので、当然のこと
レベル以上の腕にはなりません。
我儘なんでしょう、先生に習って長続きしない・・・先生に筆を入れてもらうのが嫌い。
展覧会などに出品するのも嫌い・・・つまり、ただの個人的趣味の領域で蠢いているだけです。
それでも、基本だけはしっかり覚えておかないと・・で、この本も購入したという訳です。
例えば、1枚の枯葉だって、いろいろな変化を見せますよね。
それが実に魅力的なんですが、表現するとなると・・一筋縄ではいかない。
この本の中に 見事な枯葉があります。
こんな具合に、観察眼するどく筆が動いているのです。
枯葉の細かい動き
「枯れていく状態」を掴み
時間的にその枯れる色彩を
絵の具の交合により描く
落ちた時間から、段々変色していく葉っぱの面白さを感じ取れます。
黒い墨だけで描く水墨でも、このような細かい動きを確かな目で捉えていないと、一筆で一気に描き上げるときに雲泥の差が出てきます。
丹念にこの絵を模写する・・・・雨の音さえも しばらくは聞こえなかった。
たまには、何かに無心に没入する時を持つのもいいですね。
「疲れ」が爽快感になることもあるんだ。