のっけから尾籠な話題でチトはばかりますが、今日、生まれて初めて胃カメラによる内視鏡検査を体験した。 ご経験済の御仁には”何を今更。いい年をして”と一顧だにされないことでしょうが、小生には近来稀で新鮮な感覚、いささか感じるところがありましたので。
材料費の高い<←正直な医師でした>注射ではなく、勧められた液体の麻酔薬でうがいをしたあと、10分待つ。そこへ医師が黒いチューブをびゅんびゅんしごいて登場。何事もないような表情(そりゃ仕事だから当然か)で横向きに寝た私の口にグイグイと。 2,3度おえつしたあと、てきぱきと角度や深さを変えながら、モニター画面を見つめ、時折画像を収めるフラッシュが(体の内部の筈なのに何故か)鮮明に光る。 少しづつ涙腺の緩むのがわかり、なんともはや情けない!・・・・おい、待てよ、この感覚はデジャヴュだ。 はて、どこだ? と目をシロクロしつつ記憶をまさぐる。 おお、あれはテネシーでの健診であった!
日本式の国民皆保険はないが、米国では会社と従業員の負担で民間の保険を買い、定期健診を行う。某年、指定されたクリニックへ行った私。定番メニューの中に大腸チェックがあった。 ん?珍しく曖昧な表現ではないか。いったいどういうふうに検査するのだろう? 気になり質問してみると、若禿で如何にもユダヤぽい容貌の医師は口ごもり
「なに、・・・短い時間で済むので。 気にしないで下さい」などと、はぐらかすではないか! むむ、ええ~いママヨ。 それにしても此の医師、若い頃、日本語を教えたイギリス国籍の男に似ているな、彼はこんな表情だったかな・・。
「Sir, I beg your pardon. Would you mind to stand up along that wall, please ?」 「・・・alomg that wall ?」 「Yes, sir. Oh, it's very kind of you, sir」
突然ばか丁寧な口調に変わる男の顔を私はまじまじと睨んだ。 気の弱い医師は揉み手でモジモジ云う。
「If you don't mind, please take off your trousers and underpants」 えええっ! 全部、脱げ? 後ろを看ると彼は薄いゴム手袋をはめている。・・・おお、そうか、そういうことか。
「Pardon Me !」 間髪を入れず彼の指が私の後門へ。 <ぎょおおっ??> 言葉では表しようのない瞬間に私の頭は真っ白! なんと、指先が動いている!
これは女が未通でなくなる瞬間に似ているのだろうか? 男色の男が味わう感覚なのだろうか?・・・などと由無しごとを想い巡らすうち、胃カメラの医師は職業的な笑みをたたえ、最後にカメラを押し下げたらしく、腸から肛門へズポッと空気が駆け抜けた<気がした>。 つまり、管が1本になった?? こういうことなの?
「It's done, Sir. Nothing wrong is found, so please take your time and relux well」「Good Job !」 何がグッド・ジョブだ。・・上も下も、感覚がごっちゃになっちまったみたい。
人体の中を通る管、長いチューブ。その入り口と出口。前門と後門。 きょう、私はめでたく上下が通じたわけだ。 <人間存在は所詮クソチューブだ>とのたもうた人が居たね。
若き日より色即是空そのものを言い当てている、と形而上的にしか捉えていなかった此のフレーズだが、今は何やら妙な実感を伴ない、私をぬるい湯のように優しく包んでいる。
ああ、またこれで、ひとつ知ることが増え、知らないことが減った。
材料費の高い<←正直な医師でした>注射ではなく、勧められた液体の麻酔薬でうがいをしたあと、10分待つ。そこへ医師が黒いチューブをびゅんびゅんしごいて登場。何事もないような表情(そりゃ仕事だから当然か)で横向きに寝た私の口にグイグイと。 2,3度おえつしたあと、てきぱきと角度や深さを変えながら、モニター画面を見つめ、時折画像を収めるフラッシュが(体の内部の筈なのに何故か)鮮明に光る。 少しづつ涙腺の緩むのがわかり、なんともはや情けない!・・・・おい、待てよ、この感覚はデジャヴュだ。 はて、どこだ? と目をシロクロしつつ記憶をまさぐる。 おお、あれはテネシーでの健診であった!
日本式の国民皆保険はないが、米国では会社と従業員の負担で民間の保険を買い、定期健診を行う。某年、指定されたクリニックへ行った私。定番メニューの中に大腸チェックがあった。 ん?珍しく曖昧な表現ではないか。いったいどういうふうに検査するのだろう? 気になり質問してみると、若禿で如何にもユダヤぽい容貌の医師は口ごもり
「なに、・・・短い時間で済むので。 気にしないで下さい」などと、はぐらかすではないか! むむ、ええ~いママヨ。 それにしても此の医師、若い頃、日本語を教えたイギリス国籍の男に似ているな、彼はこんな表情だったかな・・。
「Sir, I beg your pardon. Would you mind to stand up along that wall, please ?」 「・・・alomg that wall ?」 「Yes, sir. Oh, it's very kind of you, sir」
突然ばか丁寧な口調に変わる男の顔を私はまじまじと睨んだ。 気の弱い医師は揉み手でモジモジ云う。
「If you don't mind, please take off your trousers and underpants」 えええっ! 全部、脱げ? 後ろを看ると彼は薄いゴム手袋をはめている。・・・おお、そうか、そういうことか。
「Pardon Me !」 間髪を入れず彼の指が私の後門へ。 <ぎょおおっ??> 言葉では表しようのない瞬間に私の頭は真っ白! なんと、指先が動いている!
これは女が未通でなくなる瞬間に似ているのだろうか? 男色の男が味わう感覚なのだろうか?・・・などと由無しごとを想い巡らすうち、胃カメラの医師は職業的な笑みをたたえ、最後にカメラを押し下げたらしく、腸から肛門へズポッと空気が駆け抜けた<気がした>。 つまり、管が1本になった?? こういうことなの?
「It's done, Sir. Nothing wrong is found, so please take your time and relux well」「Good Job !」 何がグッド・ジョブだ。・・上も下も、感覚がごっちゃになっちまったみたい。
人体の中を通る管、長いチューブ。その入り口と出口。前門と後門。 きょう、私はめでたく上下が通じたわけだ。 <人間存在は所詮クソチューブだ>とのたもうた人が居たね。
若き日より色即是空そのものを言い当てている、と形而上的にしか捉えていなかった此のフレーズだが、今は何やら妙な実感を伴ない、私をぬるい湯のように優しく包んでいる。
ああ、またこれで、ひとつ知ることが増え、知らないことが減った。