静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

≪ 日本で働きたがる外国人を 結局使えない日本企業 ≫  複合要因があることを直視しない悪循環

2017-11-27 20:08:44 | 時評
★ 外国人高学歴プロに<選ばれない国=福本容子> https://mainichi.jp/articles/20171127/dde/012/070/003000c?fm=mnm
  調べたのは、スイス・ローザンヌにある国際経営開発研究所(IMD)というビジネススクール。有能な人材を確保する要件を30項目選び、それぞれ評価したものを総合して
  国際ランキングにしている。 
・ <高学歴やプロフェッショナルな外国人が「働きたい国」に選ぶ順位で、日本はアジア11カ国中ビリ、世界の63カ国の中でも51位、という、がっかりな結果が出た。>
・ <総合評価で日本は31位と全体の真ん中だったのだけど、「海外の頭脳を引きつけるビジネス環境があるか」、つまり彼らが働きたい国か、の項目で、中国(34位)よりも
  インド(36位)よりも韓国(48位)よりも低くアジア勢で最下位となった。ちなみにこの項目でアジア1位はシンガポール、2位は香港だ。>
・ <政府は「高度」とみなす外国人の定住条件を緩め、もっと招きいれようと頑張りだした。だけど、日本に有益と見た外国人にだけ、すぐ永住権を与えるとかいう小手先の対策
  だけでは、いまさら挽回できないところまできているのだろう。>
 ⇒ ここまでは現状分析だが、私には「ああ、昔と少しも変わっていない」との嘆きが胸を突いて出るばかりだ。

・ <IMDの評価項目の中で、なんと63カ国中63位というのがあった。国内の上級管理職の国際経験である。国際経験が乏しい管理職が国際競争力のある人材の能力を最大限
  引き出すなど、至難の業だろう。部長や執行役員に今から海外経験を積め、というのは手遅れ。ならば、若手に活躍してもらうしかない。振り向いてくれそうもない、すでに実績が
  認められた外国の人に頭を下げるより、例えばすでに国内にいる外国人留学生をどんどん起用して、仕事を任せて、キャリアを積んでもらうのが近道かも。>
 ⇒ おっと、福本さん。では何故、有能な外国人留学生に≪仕事を任せて、キャリアを積んでもらう≫ことが日本ではいつまでも出来ないのか?これこそ「海外の頭脳を引きつける
   ビジネス環境が無い」の裏返しであるから、彼らが働きたい国になれない悪循環の分析に踏み込まねばならない筈だ。 それは論説委員の述べる領域じゃないということかな?

 悪循環を招く数々の要因分析と解決策提案は、むろん多くの人材系コンサル会社が今までも行ってきた。私も海外展開の人材育成について何度かコンサルティングを行い、解決法を示したが、助言に如何なる大企業も従わず、日本的一括同時採用/や中途入社排除の姿勢(正規/非正規の差別)を変更することもなく、労働市場の流動化は真の能力&成果評価を支える職務定義と評価システムの開発とも連動してこなかった。 
 「できる・できない」の判断が「すべきか否か」の判断を押しつぶしていまう。此の不作為こそ「海外の頭脳を引きつけるビジネス環境」を造って来なかった原因だ。 
  冷たい言い方になるが、現状のテイタラクは当然の報いである。
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