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安倍首相の云う 『責任野党』はナンセンス    ≪ 政府の別動隊では 野党とはいえない ≫

2015-12-02 23:41:31 | 時評
 特集ワイド:安倍首相が好んで使う「責任野党」って変じゃない? http://mainichi.jp/shimen/news/20151202dde012010002000c.html?fm=mnm
* 「そもそもですねえ……」とため息をつくのは海外の政治事情に詳しい上智大の三浦まり教授だ。「政治学の基本ですが、責任は政府・与党に求めるもので野党じゃない。『責任政府』『責任与党』という言葉はありますが、英米でも責任野党という言葉は聞いたことがありません。野党は英語でオポジション(反対・抵抗)と言う通り、政府を監視して問題を指摘し、反対すべき時は反対するのが役目です」
* 安倍首相は今年7月、安保関連法の審議で「野党にも対案を出してもらい、一致点を見いだす努力を重ねることが与野党問わず政治家の責務だ」と述べたが、三浦さんは「対案を出す責務は野党にありません。これは海外も同じです。だいたい、説明もころころ変わって不十分、それでいて中身も議論に耐えられないレベルの安保法案を出しておいて『対案出せ』なんて。それこそ政府・与党の責任放棄です」と一蹴する。

 安倍首相は「責任野党とは野党時代の自民党だ」(参院予算委、昨年2月5日)と胸を張ったこともある。その野党自民党、2010年参院選で消費増税を公約に掲げて勝利したのに、野田佳彦政権から増税のための与野党協議を持ちかけられると「民主党公約にないから」と拒否。また、12年度予算の赤字穴埋めのための法案にも「衆院を解散しないなら認めない」と反対を続けた。 
 「臨時国会の開会は憲法に規定された民主主義の大事な手続きで、かつ政府・与党の責任です。それを無視する安倍さんが責任野党と言う。驚きです。野党時代の自民党が何をしたか、お忘れなのでしょうか」と怒りが収まらないのは野党第1党、民主党の枝野幸男幹事長だ。

93年当時、自民党にいた与謝野馨さん(77)が政治の師、中曽根康弘元首相(97)に「野党の我々はこれから何をすべきでしょうか」と聞いた。中曽根氏は責任野党なんて言わない。ただ一言。「どんな手を使っても政権を奪還することだ」
 政治ジャーナリストの野上忠興さん(75)は「これこそ野党の本分です。安倍さんはひときわ世論を気にするから、自分を攻撃する野党ばかりではイヤなんです。他党を責任野党と持ち上げ、自分と気脈を通じる『別動隊』が欲しいだけではないでしょうか」。「対案を出す責任野党」を自任した維新の党が分裂状態になったのは偶然か。
   ⇒ 全く、御意! 特集記事としての本分を果たす良い解説と疑問提起だ。こういう記事こそ新聞の存在価値の一翼を担うものだろう。
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