静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

 ≪ 核燃料サイクル樹立への共同幻想と 今そこに居る怪物 ≫ ≪ 万里の長城はコンクリ製に変身? ≫

2016-09-26 14:25:12 | トーク・ネットTalk Net
◆ 原発&もんじゅ「廃炉」の深層=山田孝男 http://mainichi.jp/articles/20160926/ddm/002/070/096000c?fm=mnm
・ 閣僚会議の確認事項の最初にこう書いてある。
 「……核燃料サイクルを推進するとともに、高速炉の研究開発に取り組むとの方針を堅持する」 「もんじゅ」という悪夢から覚め、我に返る間もなく次の夢を追う−−。
  それが、閣僚会議の決定の本質だと言えよう。
・ 結局、国ごとに、安全保障も含めて社会的要請を議論し、技術、コストを評価するしかない。
  原子力関係閣僚会議は約20分間。首相と、会議の主要メンバーである外相は米国出張中だった。「もんじゅ廃炉」は各省間の調整で決まった。決定の深層がよく見えないのは、
  地方自治体だけではない。
 ⇒ 此の記事、繰り返し読んでもスッとわかりにくい。だが、わかりにくいのは山田氏の筆力の所為ではなく、問題の所在が複雑に絡まりあい、日本単独の固有の課題を抱えているからでもない。 世界の主要国が先の見えないことを承知で「ままよ!明日は明日の風が吹く♬~・・」とばかりに無謀な手探りを止められないでいる、日本も其の国の一つでしかないことで、つまり世界中何処を探しても『解』の片鱗さえ皆無である。 それは中央官僚とて同じ筈。また、関連分野の学者/研究当事者も似たようなものだろう。
  私が首を傾げるのは、そのような怪物を相手に、政策決定する日本のプロセスがまた不可解極まりなく、何の合理的説明も判断も観られないことだ。此の怪物は日々寝ている訳ではない。毎日、世界中で増殖しているのである、仮に世界中の原発/原子炉利用の艦艇が廃却されても、である。

◆ 中国:万里の長城 コンクリ?で補修、国内で批判の声 http://mainichi.jp/articles/20160926/k00/00e/030/161000c?fm=mnm
・ 写真を残念ながら転載できないので、記事を読んで戴くしかないが、啞然とするのは私だけであるまい。
・ <中国紙が最近、写真を掲載したところ「外観が損なわれた」と批判が高まった。当局者は「応急措置」「素材は石灰3割、土7割」「ふさいだ箇所は3〜5年で消失する」と
  反論したが、専門家は「費用を掛けすぎ」などと指摘している>。
   ⇒ 此の当局反論に於ける素材説明とやらも、少し建築技術のことを知る人なら、たちどころに耐久性と既存長城部分への悪影響に思いがゆき、首を捻るに違いない。
  「費用を掛け過ぎ」との批判よりも、この緊急対応自体に根深い問題があることを、身内で誰か指摘しているのだろうか? 
大規模で耐久性のある補修は当然ながら時間と費用が莫大であろうし、長い建造物の主要なエリアだけでも真面目に補修の必要な個所を精査すると、とんでもない概算になろう。 其の予感から、当座しのぎの安直な対応になったのだろう、とは容易に想像できる。経済停滞或は低成長への転換に苦しむ中国に予算の余裕は既にないかもしれない。 
 補修の為に長期間観光客を断る勇気も財政的見通しも、たぶん無いだろう。
  異民族の侵入を撃退すべく築かれた当時の遠大な構想力、<万里の長城>は正に漢民族が後に自己を”中国”と意識して世界へ誇るに足る偉大な歴史そのものだ。 
然し、翻っていま、此のブザマな対応ぶりは、無邪気に中華文明を誇りにしてきた純朴な愛国者には、何とも情けない精神的頽廃の象徴であるまいか?
コメント
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