マイタのブログ

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想像しながら観る楽しみ。

2011年06月21日 | 酒 2011年

 日曜の夜に見ることが出来なかったテレビドラマ「JIN -仁ー」の第10話、録画しておいたので夕べじっくりと鑑賞いたしました。

私が今回一番心を引かれたのは・・・

悪事を企んだ医師が、証拠隠滅のために若い医師たちを毒殺しようと一席設ける場面。盃に注がれた酒を口元まで運び 「これは変わった香りがしますな。」 一服盛られていようなどとは微塵も思わず嬉しそうな表情の青年医師。対して「下りものの逸品でしてな。」と、腹黒さを隠しきれない阿漕な医師の不敵な笑み。

ほんの数秒のこのシーンに「ゾクッ」と来ましたねぇ。

舞台は江戸末期、既に「下り酒(上方の酒)=名酒」と誰もが認めて久しいころですから、そのまた「逸品」などと聞けば呑んべえにはたまりませんわ。「江戸時代の酒なんて旨くないだろ。」と侮るなかれ。年代から察するに、水車を利用した高度な精米技術や宮水の効力、さらに諸白造りが定着していたとされておりますので、そのような甘露を手にした 当時の人の気持ちを思えば、こちらまで喉が鳴るのですよ。醸造技術が目まぐるしく進歩した時代でもあるはずですから、変わった香りと感じでも さらに進化した美酒を味わえるとの期待が 表情を緩ませるのは必然なのであります。

さらっと流された一コマでしたが、これぞ名場面ですな。あの頃は上方から江戸に下る酒の半数が灘酒、推測するにあの酒は嘉納家のものではないかと勝手に決め付けている私なのでした。

さ~てと、今晩は10時から「下流の宴」を見よーっと。

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