閉店間際にN崎さんご来店。「明日 出掛けるから手土産に1本持って行きたいんだけど、何がいいかな?」
農業関係のお仕事に就き、地元をこよなく愛するN崎さん、某酒蔵の方と先日お話をした際 「ウチの蔵は新潟の米は使っていません。新潟の五百万石は、ウチの酒に合わないので」 と言われたそうで、「あんな酒、いくら有名でも手土産にするわけにはいかん!」 こりゃえらくご立腹ですな。 その酒蔵の方は正直なんでしょう。普通そういうことは言いたがらないことですから。よほど自社のお酒に自信があるとも受け取れます。しかし、N崎さんがおっしゃりたいのは きっと 「売れなかったころの あんたの蔵を支えてきたのは誰なんだ?」ということでしょう。義理堅い人なのです 。
米の品質や価格など、酒蔵さんごとに重視する部分があるでしょうから、地元の米を使わないとしても私は特に問題視はしません。ただそういうお酒は店には置きませんが。(山田錦は別として)
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「ここの蔵の社長はこれこれこういう考え方で、地元のお米を使ってますよ。」私が言い終わるや「じゃあそれにする。」 なんと素早い決断。かくしてN崎さんのご用は一件落着しました。
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雨止(や)んで 傘を忘れず・・・ (だったかな?)人から受けた恩はしっかり覚えておきなさいとの意だそうです。雨降りに傘をさして出掛けても、帰りに晴れてると うっかり傘を置いてきてしまうことに例えたことわざらしいですね。記憶が曖昧なので正しいかどうか定かではありませんが、私のように忘れっぽい人間にはグサッとくる言葉ですわ。自分が気付かぬうちに色々な人に助けられているんですよね。