自遊空間、 ぶらぶら歩き。

日々見たこと、聞いたこと、読んだこと、考えたこと

東京貧困女子。(東洋経済新報社)~中村淳彦さん

2020-09-16 | 

先日病気を理由に自民党総裁を任期途中で辞任表明した安倍さんが、経済政策は成功したと自賛していたけれど、それで、すべての政策が成功したと評価していいのでしょうか?

確かに日経平均株価は第2次安倍内閣の7年8ヶ月で1万3000円近く上昇しているのですが、その恩恵をこうむったのは一部の人たちで、多くの国民は実感できないでいます。

総務省、厚生労働省の統計によると安倍政権が発足した2012年の平均実質賃金は104.5、2019年は99.9。これは2015年を100とした指数です。
実質賃金は年々減っているといっていいでしょう。



この本には、なぜ彼女たちは躓いたか~という副題がついています。
高学歴でも、非正規の職に就くしかなかったり、離婚や家族の介護が始まって、順調だった歯車がくるったり、奨学金の返済が月々の生活費にくい込んだり、一度躓いてしまうと立ち上がれないこの国のセーフティネットの弱さを浮き彫りにしています。

そして、生活に困った女性の一部は不本意でも夜の街でお金を手に入れざるを得なくなります。
一体全体いつの時代の話なんでしょう。

 

お笑いコンビ「ナインティナイン」の岡村隆史さんが深夜放送で、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で困窮する女性を蔑視したととれる発言をしたことは記憶に新しいところです。

4月23日深夜、岡村さんは「コロナが終息したら絶対面白いことあるんですよ。美人さんがお嬢(風俗嬢)やります。短時間でお金を稼がないと苦しいですから」などと発言したそうです。

(色を変えた部分は5月1日付け、東京新聞Webページの佐藤直子さんの記事を参考にさせていただきました)


女性の貧困問題に焦点をあて、3年にわたった取材をまとめたこの本。コロナ禍で状況はさらに悪くなっています。岡村さんの発言は現実だから、なおさら悔しいです。


女性が(多分男性も)薄給で安定した生活ができない社会では、子どもが増えるわけないですよね。
新総裁選の立候補表明に格差の是正を入れた岸田さん、次、期待していいですか?

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする