自遊空間、 ぶらぶら歩き。

日々見たこと、聞いたこと、読んだこと、考えたこと

沈まぬ太陽

2009-10-25 | 映画・テレビ

私にしては珍しく、公開日に「沈まぬ太陽」を観てきました。



山崎豊子さんの原作は発行直後に読んでいました。
映画の最後に、このドラマはフィクションであるとクレジットが出ますが、モデルは隠しようがありません。

日航ジャンボ機墜落事故は520名という飛行機事故では世界最多の死者を出した、歴史に残る大惨事でした。

事故後にあきらかになった犠牲者たちのそれぞれの逸話や、墜落へと向かうダッチロールの機内で遺したメモは、本でも映画でも涙を誘います。

映画はこの事故と、こんな事故を起こすに至る、会社の体質や利権をむさぼる政治家、御用マスコミの姿を交互にはめ込んで展開します。

乗客を安全に運び、そこに働く人たちの生活を守るために、不屈の精神で仕事に取り組む主人公、恩地の生き方に共感します。救われます。

オールスターキャストで3時間半近く、退屈しません。

10分間インターミッションが入るのですが、トイレに行く必要がなければ、席にいるのもいいですよ。
その間、この事故で父親を亡くした1ケ月後に誕生した24歳のヴァイオリニスト、ダイアナ湯川さんの弾く「祈り(永遠の記憶)」が流れるのです。

堀江貴文(ホリエモン)さんのブログをよく読んでいるのですが、ライブドア事件で勾留されているときに「沈まぬ太陽」を読み、御巣鷹山に慰霊登山をしたほど感動したそうです。
堀江さんの考えには「それ、ちょっと違うんじゃないか」と思うことが多々あるのですが、示唆に富む発言も多いのです。

不便なロケ地が多く、難しい題材ですが、うまく映像化されています。

モデルとなった会社が「ここの飛行機だったら安心して乗れる」会社として再建され、恩地のような企業人がこの閉塞的な日本にたくさん出現して欲しいと心底思います。

(写真はgoo映画から借用しました)

 

 

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