雄一郎の半生

こんな人生もあるのですね。ノンフィクションの半生記
全ては、書けませんが。。。

転勤

2021年07月02日 06時00分00秒 | 日記

雄一郎の半生

 
ここの社員寮では、慢性的に
赤字が続いていた。なんせ2名での
予算を組んでいるのに、パートさんを
2名増やして、4名で管理や食事の
提供をおこなっていたのだから。
 
何時も、月末近くになると、1000円でも
良いので、プラスにしてほしい。と
上長が言ってくるが、限られた予算の
中では所詮無理があった。
 
そして、いよいよクローズ話が聞こえてくる。
しかし、今度はどこに飛ばされるのか?
不安もあり、他の会社の面接を受けた。
2社受けたが、そろって不採用だった。
仕方なく、何時もの日常に
戻って、日々辛い仕事に始終する。
 
そんな、ある日に上長から埼玉に転勤の
話が来る。そこは、管理と食事の提供だが
清掃の仕事は無いという。勿論引っ越しの
費用は、会社で払ってくれるが、、、
一月ほどして、転勤の話は無くなったという
のだ。理由を聞くと転勤先で人材が決まり
そうという。しかし、又先方の会社から
経験者がよく夫婦の方を希望しているという。
決まりそうだった人達は、親子でしかも母娘
だったそうであった。
2転して転勤することに、しかも11月になって
慌ただしい時期に移動になった。
 
次回につづく

寮の日常

2021年06月29日 06時00分00秒 | 日記

雄一郎の半生

 
社員寮では、朝4時に起床し
就寝の0時まで色々な仕事が
ある。ある春に玄関まわりの掃除を
していると、いつもと違い綿毛の
様な物が床に沢山たまっていた。
初めは何なのだろうと思っていたが
これが後に毛虫と分る。
近くの桜の木にも大発生していて
近所からもクレームが有るほどだ。
これを先方の総務課に伝えて
業者が入り駆除してもらう事に
なるのだが、業者が来るまでは玄関や
駐車場、食堂の入り口まで、まるで
綿毛とでも言うような毛虫が
沢山転げ回っていた。
 
また、ある日には、裏庭に行ってみると
地面に大きな穴が開いていることもあった。
地下の水道パイプから漏水していたので
暫くは分らなかったが自然に陥没したらしい。
 
様々なことが起きる寮生活だった。
この頃は、シザーのメンテナンスを弟子とも
言うべく以前のNPOの知り合いに全てを
引き継いではいたが、ありがたいことに
5年経っても以前の常連客からメンテナンス
の依頼があるほどだった。無論当時は
忙しい日々を過ごしていたので、知り合いに
任せていたが。
 
次回につづく

飯泥棒

2021年06月25日 06時00分00秒 | 日記

雄一郎の半生

 
社員寮では、朝4時に起きて
朝食を作り、その後は清掃や、
宅急便等の受け取りや送付など
色々な仕事をこなしながら、
夕食を提供して一時の休憩が
ある、この時は食堂には誰も
いない。夕食の準備は
済んでいて、味噌汁やご飯も
すでに食堂内にあり、帰寮した
寮生が自由に食事が出来るように
なっていた。その少しの時間で
食事を注文していない寮生が
おにぎりを何個かにぎって部屋に
持ち帰ると言うことあった。
 
どうも、食事を申込みしている人が
ごはんが足らないことがあった。
その頃はまさか夕食を注文していない
寮生がご飯を取っているなど
夢にも思わなかった。
しかし、食事の準備が終わり私たちが
管理室内に戻ってから、一人の寮生が
食堂に入っていく事がしばしばあり
その日に限って、ごはんが足りない。
それで、その寮生が食堂に入って
いったのを確認してから、食堂のドアを
開けてみると、案の定、その寮生が
大きなおにぎりを2つにぎっていた。
「○○さんは、食事の申込みをして
いませんよね」と声を掛けると、その手が
止まった。バツが悪い顔をしている。
これより後のご飯の足らないことは
無くなったが。
 
次回につづく

社員寮では

2021年06月22日 06時00分00秒 | 日記

雄一郎の半生

 
社員寮の管理人は、朝が早く、
夜は遅い。ある朝起床ラッパが
鳴った。何でと思ったら隣が
自衛隊の駐屯地なので時々
起床ラッパが鳴るらしい。
新米さんが吹くラッパは途中で
調子が狂う、こちらも聞いていて
ずっこけてしまう。
 
寮内には、ゴミの収集所がある。
その近くではやたらにゴルフボール
が落ちている。寮生に尋ねると
駐屯地の自衛隊が休み時間に
ゴルフをして、こちらに飛んでくる
んじゃあないかと言うが、まさか
こちらにあれだけのボールが
飛んできていたら、窓ガラスなどが
割れるだろうと、思っていた。
犯人が分った。屋上に上がったとき
ここにもゴルフボールがあった。
そばには、アイスクリームの箱や
紙くずなども落ちていた。
それで、犯人はカラスと言うことが
分った。
ある日、屋根裏を何かが走る音がする
バタバタと、猫が入っているのかと
思っていたが、屋根裏を開けて
ライトで照らしてみたら、狸だった。
どこから上がったのだろう。建物の
縁の下にいくつか穴があったので
そこから、入ったのではないか。
などなど、色々なことが起きる。
 
次回につづく

管理人の仕事は

2021年06月18日 06時00分00秒 | 日記

雄一郎の半生

社員寮の管理人として、夫婦で
住込みをしながら朝4時に起きて
朝食を作り、その後は片付けや
清掃。寮内の清掃や食事の材料の
買い出し、それが終わると夕食の
準備や、先方の課長が泊まる部屋の
準備などなど、毎日がめまぐるしく
過ぎていった。
そんな有る師走に寮生達がざわざわと
帰ってきた。「管理人さん、担架は
有りますか?」というので玄関に出てみると
寮生が、酔って戻しながらダウンしている。
おまけに、ズボンがずれ落ちていて
尻毛が見えている。かなりの剛毛で
みんなが笑っていた。仕方なく担架が
無いので、毛布を出してみんなで
寮生の部屋まで運んでいった。
かと思えば、必ずと言って良いほど
連休が来るたびにボイラーが壊れて
風呂に入れない事もあった。業者に
連絡してもなかなか来てもらえない。
雨漏りがして、配電盤の中に漏水し
ブレーカーが落ちて、停電するなど
築40年を過ぎたであろう建物には
トラブルが多かった。
夏は、庭の雑草が生い茂り除草剤を
撒かなくてはならない。しかし、噴霧器は
背に背負って噴霧するタイプで、
全ての庭に撒くのには5から6回は
継ぎ足して噴霧していた。時間も
3時間はかかっていた。真夏の暑い
日差しの中でよく、日射病にはならなかっと
当時を思うと感心する。
この頃はまだ50代で若かった。
住込みで入った頃から、床下に何時も
水道の蛇口から水が出ている様な音が
聞こえていた。前任者にも尋ねたが
知らない様子だった。暫くして、床板が
湿っているのに気づき、業者を呼んで
床板を上げてみたら、床下が水で溢れていた
なんと、水道のパイプが破損していて
そこからずっと漏水していたのだ。道理で
水道代が高かった。後に水道局から電話が
あり、急に水道代が少なくなったことを
尋ねられ、こんな事があったと伝えると
あっけにとられていた。
押し入れもカビが出ていたのもこの状態が
長く続いていたからだとわかった。
今時、部屋がカビるなんてと思った。
次回につづく