妄想日記

本当にあったこと、妄想してみたことごちゃ混ぜにして全部詩にしてみた。

輪郭をなぞる

2021-09-05 23:54:00 | 妄想日記

心を縛りつけた鎖がほどけない。




もう会うことのない君をいつだって思い出す。春の風のなかに、夏の煌めきのなかに、

秋の落ち葉のなかに、冬のひだまりのなかに、君との記憶を見つけて一人、懐かしいような、悲しいような気持ちになる。


君を「君」だと認識してから8年目。知らないうちに恋に落ちていた。いつのまにか一番特別な人になっていた。

片思いはいつか終わると思っていたけど、あまりにも長い永い片思いだったから終わらせ方が分からなかった。


最後に会ってからもう2年。それでも未だに思い出せるんだ、君の全てを。

笑ったときに細くなる目も、私の名前を呼ぶ声も、無条件にくれる優しさも。


笑った顔が好きだった。

名前を呼んでくれるときの声が好きだった。

誰にでも優しいところが好きだった。

今だって好きなんだ。


今日は君のこと覚えていて、明日も覚えている。1か月後も、1年後もきっと覚えているんだろう。

それでも人間はいつしか忘れてしまう生き物だから、きっと君の声や顔を忘れるときが来るんだろう。

いつか、いつか君という存在が輪郭だけになってしまったとしても、私は「君」のことは忘れないよ。顔も声も思い出せなくなったとしても、いつだって君の輪郭をなぞって風景のなかに君を探すよ。








輪郭をなぞる

2021-09-05 17:00:00 | poem


長すぎる片思いは

いつしかほどけない鎖となって

私の心を君に縛りつけた


知ってた?私の特別だったの



知らなかったでしょ?私の一番だったの


もう会えない君

一番近くにいたのに

今では一番遠くなった

触れたくても触れられなくて

伸ばした手の行き先はどこにもない


いつか 顔も声も忘れて

君という存在が輪郭だけになってしまっても

私はいつまでも君を覚えているし

好きでいつづけるんだろう



君の輪郭をなぞって






君の笑顔は遅効性の猛毒だ

2021-05-11 22:45:00 | poem


君の笑顔は遅効性の猛毒だ


君が僕に笑いかけたあの日から

ふとした瞬間に君の笑顔が浮かんで

心臓が掴まれたみたいに痛くて

息が上手くできない



じわじわと

じわじわと

僕を締め付ける



きっと解毒薬なんてなくて 

僕は君の毒に冒されたまま

中毒症状に苦しんでいる





僕はいつか

きっと



君の笑顔に殺されてしまうんだ






You are my Vision

2021-04-17 09:30:00 | poem



輝いた時代はいつか終わって

遠い過去のことになる

今が幸せで寂しいのは

終わってしまうことを知っているから


毎日眠る度に祈る

明日も君が笑っていますように

どうか終わりが明日ではありませんように


君は僕の希望で光なんだ

奇跡のような君だから

いつまでも消えないでほしい

北極星のようにいつだって僕を照らして


輝いた君をいつか忘れて

思い出せなくなる

過去が宝物で悲しいのは

終わってしまうことを知っているから


毎朝目覚める度に願う

今日の君が幸せでありますように

どうか終わりが今日ではありませんように


君は僕の希望で光なんだ

奇跡のような君だから

いつまでも笑っていてほしい

太陽のように暖かく僕を包み込んで


永遠なんてないことも

始まれば終わることも

全部知っている


それでも

君は僕の希望で光だから

どうか どうか

一日でも長く

奇跡のような君が

笑っていられますように



来年の桜が楽しみだなって君が言ったから

2021-04-17 09:25:00 | 妄想日記
   

   解けない呪いにかかっているの。







 毎日死にたくて、人生の目標も、やり遂げたいことも何もなくて、生きている理由が見つからなかった。生きていく勇気も死ぬ勇気もなくて、八方塞がりの日々。


 君は私の特別な人、ではなかった。同じ学科で同じサークル、それだけ。他の誰かとよりかは少し近くて、でも特に何も感情はなくて。特別たくさん話すわけでもなく、どこかに一緒に遊びに行ったりもない。他人以上で、友達未満だった。


「大学の桜並木が綺麗で好きなんだ」

そう言った私に

君が

「来年の桜が楽しみだな」って言ったんだ。

あの時君はどんな表情をしていたんだっけ。私はそれに何と返したんだっけ。もう何も思い出せない。


恋じゃなかった。愛でもなかった。

何気ない会話だった。特別じゃなかったんだ。


だけどね、他の誰でもない君が「来年の桜が楽しみだな」って言ったから、私はいつか君とまた桜が見たくて、あと1年、あと1年だけ生きていようと思うようになったんだ。そうして、今日もまた私、ここで生きています。































あの日君にかけられた呪いに縛られながら。