「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

「Jerry'sギター」代表&編集長「MASH & ハードパンチ編集部」が贈る毎日更新の「痛快!WEB誌」

明石のブルースマン「ハウリンメガネ」が贈る「どこまでもヴァイナル中毒」(第14回)「アレサ・フランクリン最終回」

2019-01-17 21:34:08 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

読者諸賢、
新年、あけましておめでとう!
「ハウリンメガネ」である。

新年とともに、
当ブログも新連載のオンパレード!
豪華ゲスト陣を迎え、
益々力強く前進していく気配に
満ち溢れている!
(猪年だしね)

執筆者の一人である私も
皆の勢いに負けないよう、
今年も盤を回し続ける所存!
今年もご愛読戴ければ幸いである。

さて、新年早々のお題を何にするかだが、
去年のやり残しがあることを
皆さんお忘れではあるまい。

そう!
「12月のハウリンメガネ・スペシャル連載」
を挟んでしまったお陰で(有り難いコトだが)
あちらの「ソウル・クイーン!」
「アレサ・フランクリン」
の話がまだ終わってないのだ!

彼女の話で今年の幕を開けよう!
(一旦アレサについては今回でひと区切りだ。
他の話もしたいしね(笑))

今回ご紹介する盤は1981年作!
アトランティックからアリスタへの
移籍後2枚目の作品となる
「Love All the Hurt Away」(US Org盤)!

アリスタ移籍後、
1作目となった「Aretha」(80年作)、
そしてそこから僅か1年!
という短期間でリリースされた盤が本作。

しかしながら売上は振るわず…、
アレサの作品としては
「目立たない作品」となってしまった。

(なお、「Aretha」についても売上はあまりよくなく、アリスタ移籍後、アレサの堂々たるカムバックが果たされるLP盤となると以前レビューした「Who's Zoomin' Who?」がリリースされる85年を待つ事となる…)

*注) シングル盤はヒットしていたので、
当時を生きた俺「Mash」から見たら
十分復活感はございました。(Mash)

確かに売上こそ振るわなかったが、
「じゃあ、内容が充実していないのか?」
と言えば当然答えはNo!

このアルバムが
「80年代以降のアレサ・サウンドを確立した盤」
だと断言できる!
写真の「美しいジャケット」や「インナー」と共に
充実した内容に仕上がっている!

[A1]Love All The Hurt Awayでは
ゲストヴォーカルに「ジョージ・ベンソン」
が参加!
しっとりとしたバックで「アレサ」と二人、
メロウな喉を披露している。

*注)この曲もR&Bチャートでは
堂々のトップ10入り!と大ヒット(Mash)

(ちなみに「ベンソン」といえばジャズ・ギタリストとしての活動がフォーカスされがちだが、この人、歌も素晴らしいことを付記しておく。
彼の「Turn Your Love Around」は個人的に最高のクラブトラックとして筆者の脳内チャートにいつもランクインだ!)

[A3]Living In The Streetsでは
疾走感の強いトラックに仕上げ
クラブチューンとして2019年現在でも
確実に通用するサウンドに仕上がっている。

そして
[A5]You Can't Always Get What You Want!
こちらの読者なら「無情の世界」
と言った方が分かりやすいだろう!
そう!以前紹介した「Aretha(85年作)」と同じく、この盤でも「ストーンズ」の曲をやっているのだ!

こちらは「Aretha(85年作)」で取り上げた
「JJF」とは異なり、原曲を思い切りリアレンジ!
タイトなバックに「アレサ」の歌とコーラスが
ファンキーにグルーヴする!
そんな極上のダンスチューンに仕上がっており、
実に小気味よい。

盤を返し、B面ではしっとりした曲が並び、
「アレサ」のピアノがロールする
[B2]Truth And Honestyや
彼女の伸びやかな声が素晴らしい
[B5]Kind Of Manなど、
ソウルフルなアレサの魅力に満ち満ちている。

...いやあ、諸君。
全曲通して出すぎず、引きすぎず、
どこを切ってもクラブヒット間違いなしのタイトなサウンド。極上ものである。

その充実したサウンドの要因なのだが...
筆者はインナースリーブのトラックリストを読んで一瞬で理解した。

この盤
「80'sサウンドの大御所」
しか参加してない(笑)!

全曲通してドラムはTOTOの「ジェフ・ポーカロ」
他にもTOTOからはキーボードで「デヴィッド・ペイチ」ギターで「スティーブ・ルカサー」が参加。

ベースについてもほぼ全曲でマーカス・ミラーが弾いているし、彼が弾いていない曲については[A1][A3]のベースはキング・オブ・ポップス!
「マイケル・ジャクソン(MJ)」のバンドに参加していた「ルイス・ジョンソン」だし、[B1]のベースはスーパー・ベーシスト「エイヴ・ラボリエル」だ!
(そう!ポール・マッカートニーバンドのドラム「エイヴ・ラボリエルJr」のお父さんである!)

全曲でギターを弾いているのはこれまたMJの代表作「Off The Wall」、「Thriller」、「Bad」で、
あのクールなバッキングを弾いていた「デヴィッド・ウィリアムス」だし、
ところどころでギターソロを担当しているのは近年ではギターチューニングシステムの開発者としても名前のあがる「バジー・フェイトン」だ。

(面白いのだが、前述したとおりルカサーが参加しているのに、ギターソロは全部「バズ」なのだ。
これは筆者の想像だが「ルカサー」のソロだとロックに寄りすぎるという「プロデューサー判断」があったように思う。事実、「バズ」のプレイはロックの匂いはしない。彼のアルバム「フルムーン」を聴いてみるとロックギタリスト的な気配はないもの。)

キーボードの「グレッグ・フィリンゲインズ」はMJはもちろん、個人的にクラプトン第二の黄金期だと思っている80年代の「ビハインド・ザ・サン」〜「ジャーニーマン」でもプレイ!
この盤でも黒く、かつ、フューチャリズム溢れたプレイで、トラックに彩りを添えている。

そしていつもの言になるが、
どのトラックでも抜群の冴えを魅せる
アレサの歌よ!

(何回も書いているので諸君もミミタコだろうが、
何回でも言うよ。良いんだ!
とにかく!セクシーだし、優しいし...
ああ!いっそアレサに抱かれたい!
失礼…少々取り乱しました)

凄いよねぇ...(笑)。
この盤を回していて改めて思ったのだが、
結局のところ、私はこの「タイトな80'sサウンド」の質感が大好きなのだな(笑)!

以前も書いた気がするが、
やはりこの手の「80'sサウンド」は
再評価されるべき音に満ち溢れている。
「トーキングヘッズ」や「ポリス」「ジャパン」「ワム!」…

そして先日ALが書いていた「カルチャークラブ」も
当然そうだが、80年代はそれまで世界的にはニッチな存在だった「ブラックミュージック」から
大きな影響を受けた音楽が
急にシーンを賑わせたことでポピュラリティを得た時代でもあるのだ。

そんな時代において、レディ・オブ・ソウル!
アレサが「80'sサウンドの立役者達」
をバックにやってるのだから
これが名盤にならないわけはないのである!

(ALも書いていたが、こういうシンプルな事を徹底的にやるのって本当に難しいんだぜ!)

こんなふうに「素晴らしい盤」でも
売上が悪ければ埋もれてしまう。
寂しい話だねぇ...

世界にはこういう盤がまだまだ溢れている!
故に諸君!今年も盤々!盤を回そう!
世界は盤で満ちている!
盤があなたを待っている!

終始興奮気味?の
「ハウリンメガネ」でした。

( 企画・編集・校正・加筆リライト「Mash」)

https://1on1.crayonsite.com


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ゲスト・ライター陣紹介
〈ハウリンメガネ〉
俺「Mash」の店「ジェリーズ」に
16歳の時に来店!
来店初日から「サン・ハウス」の話をし
俺に強烈インパクトを与える。

以後数々のバンド活動を続けながら
ソロ活動も「ハウリンメガネ」として活躍。
この明石のブルースマンが繰り出すステージ
「ハウリンメガネShow」は一見の価値有り!

ジェリーズ軍団では
「AL」
「ジョーカーウーマン」
と共に、音楽専門ライター陣
「ロック・マニアックス」
を2019年新規結成。