九品仏で有名な若穂綿内の真言宗古刹、蓮台寺。越前国白山の修験僧、越智泰澄神融が天平9年(737)に開基したと言われています。泰澄はなぜこの地に?なぜ、妙徳山に白髭大明神を祀った?そんな疑問をお持ちの方も多いことでしょう。
須坂市のホームページの《高甫地域文化財史跡》の59番「のっこし(馬越峠)」に、その蓮台寺の開基にかかわる記述がありました。
須坂市下八町(前山)と長野市若穂綿内(山新田)とを結ぶ林道の完成記念碑の裏面に、その道のいきさつとして紹介されています。普通は気がつきません。
「・・・昔、天平年(729-749)中 聖武天皇諸国に国分寺を御建立せられるに当り禅師勅命を奉じ諸国を巡錫され善光寺に佛参ありける時朝に東を眺むれば三上山「明徳山」に五色の雲棚引くを見て佛法弘道の瑞雲なりと思召され三上山に登り絶頂なる開基岩のもとにて心を澄まし行われければ山の主なる白鬚の翁御姿を顕し吾は是八大竜王の本地明徳なり云々と言い終わりて御形は見えずなりにけり 禅師神の示現により九品の阿弥陀如来を御彫刻ありて欣求浄土の法門を説きたまいて衆生を済度したまうと共に白鬚大明神の御姿を彫刻して明徳山に祀られこれに通ずる道路を開かれし・・・」(抜粋)
つまり
❶聖武天皇の命で諸国を巡る禅師は❷善光寺にも参拝❸その折、朝に東の山に五色の雲が流れるのを見て❹妙徳山に登り、そこで白髭翁のお告げを得て❺九品の阿弥陀仏を彫って寺を開き、白髭大明神を彫って山に祀った・・・ということです
そのあたりを時系列的にみてみますと
◇ 644年(皇極3) 伝・善光寺創建される
◇ 716年(養老元) 泰澄、白山に平泉寺を開基する
◇ 719年(養老3) 諸国への布教活動を始める
◇ 722年(養老6) 天正天皇の病気平癒祈願で、「神融禅師」を賜る
◇ 737年(天平9) 九品仏の蓮台寺を開基する
・・・となり、符合しています
妙徳山は1300m足らずですが、神秘性を感じさせる山容です
(小)