衆院選後の安倍政権の課題とは? 憲法改正で緊張する米中関係とアジアの未来を拓け
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衆院選が終わり、安倍晋三首相は「経済最優先で取り組む」と意欲を見せています。
もちろん景気回復は急ぐべきですが、それと同じ、いやそれ以上に重要な課題があります。それが、防衛問題です。
米国が毎年出版している「米中経済・安全保障調査委員会」(USCC) の2014年度報告書が、11月下旬、米議会に提出されました。
611ページに及ぶ同報告書は米中の経済と安全保障関係について言及していますが、内容を読むと、アメリカが中国に対して非常に厳しい目を向けていることが分かります。
経済関係では、中国によるサイバー攻撃、通貨操作、知的財産の盗用などの問題を挙げています。
安全保障分野では、ここ1年の間に中国が、日本、ベトナム、フィリピンなどとの間に起こした領土問題やいさかいを取り上げています。
尖閣諸島の上空に防空識別圏を勝手に設定したこと、ベトナムの排他的経済圏の中に石油掘削プラットフォームを持ち込んだこと、フィリピンと係争中の領土に飛行場や軍事基地らしきものを建設していることなどを例として挙がっています。
中国軍の近代化にも言及し、東アジアの軍事バランスが、アメリカとその同盟国側から中国側へ傾斜し始めていると説明しています。同報告書は、2020年までに中国海軍が351隻の軍艦を展開するとし、米海軍を数で上回るというのです。
しかも、米海軍の中で東アジア地域に配備される軍艦の数は全体の内67隻です。
しかし、もっとも衝撃的なのは、「中国の核戦力が次の五年間で急速に拡大・近代化し、アメリカが日本に提供している核抑止力(核の傘)が弱体化すると思われる」と明記したことです。
同報告書は、中国が軍事的にも経済的にもアメリカと東アジアの同盟国との間を引き裂こうとしているとして、「米中の安全保障関係はゼロサムになろうとしている」「中国は、アメリカに同盟国を見捨てさせようとしている」「中国側のこの姿勢は今後も続くと思われる」と結論付けました。
ここ数年のUSCC報告書を見てみますと、年々中国に向ける視線が厳しくなっており、アメリカ首脳部も中国の脅威を感じ取っていることが伺えます。
中国の軍拡は、東アジアに対して急速に脅威となりつつあります。現在、アメリカは財政赤字などが膨らみ、軍事費の削減に迫られています。アメリカの抑止力が弱まるならば、その力の真空を埋めるために日本が努力しなければいけません。日本は早急に憲法9条改正を行って、防衛力の強化を図るべきです。(中)
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