欲しかった死骸
にのみや あきら
欲しかった死骸が転がっている
あちらにも
こちらにも
この死骸は誰のものだったのだろう
あの死骸は誰が使っていたのだろう
死骸になるまで酷使され
役が立たなくなったら捨てられる
哀れな死骸たち
欲しかった死骸はもう蘇ることはない
欲しかった死骸が転がっている
あちらにも
こちらにも
なんて無残な死骸だろう
なんて醜い死骸だろう
なんて情けない死骸だろう
人間の希望を支えてきた
蘇ることのできない死骸が
あちらにも
こちらにも
無残に転がっている
ぼ げ る
にのみや あきら
心は
はげる
愛も
はげる
情も
情熱も
はげてしまう
人の魂も
はげる
人の頭も
はげる
にのみや あきら
心は
はげる
愛も
はげる
情も
情熱も
はげてしまう
人の魂も
はげる
人の頭も
はげる