僕の詩集

「人間・人生・生きる」をテーマに、色々な角度から人間を描写し、格言詩を目指しております。
読みやすく解りやすい詩です。

僕の詩集No.183【 わたしたちの愛 】

2015-06-17 21:51:54 | 
  わたしたちの愛

        にのみや あきら


わたしたちの愛は
あなたの心の中
怖がらないで
言葉で告白してごらん

わたしたちの愛は
わたしの心の中
恥ずかしがらないで
この胸に耳をあててごらん

わたしたちの愛は
わたしたちの心の中
逃がさないように
ガラスの箱で育てよう
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僕の詩集No.182【 偏見的閉鎖 】

2015-06-17 21:28:14 | 
   偏 見 的 閉 鎖

         にのみや あきら


なぜそこだけに焦点を当てる
なぜそんなに歪んだ思考を持つ
なぜそんなに頑なに拒む
世界はもっと雄大で無限だ
閉ざされた世界で育っているあなた達は
それに気付かず努力だけしている
偏見が渦巻いている
閉鎖的な世界に魅力はない
こんな私にでも
門戸を開き
笑みを浮かべて迎えてくれる
暖かい温もりのある世界が
まだ何処かにあるはず
私はそんな世界に出会うまで
歩き続ける
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僕の詩集 No.181 【 逃亡の記録 】

2015-06-17 17:30:44 | 
   逃 亡 の 記 録

         にのみや あきら


粘液質の底なし沼に足を取られ
足掻けば足掻くほど身体が沈む
すでに腰から下は黒い泥の中
上半身だけでは脱出できない
息絶えて行く苦しさを想像し
面白くもない自分の過去を思い出す

この度胸はどこからきたのか
泥沼に沈む状態を冷静に自分で確かめている
沼は口を塞ぎ鼻を塞ぎ目も塞いだ
最後の髪の毛の毛が沈んでも
私は意識を失わなかった

灰色の夢の世界を
アドバルーンに乗った気分で
どれくらい彷徨い続けただろう
私の死体は陣痛のような痛みを感じ
未知の世界へ放り出された

生きているのか死んでいるのか
意識だけははっきりしている
泥だらけだから君は泥棒だ!
この不可解な言い掛かりで
私を罪人扱いにしたのは
水母のお化けだった

否定に否定を重ねた
相手の態度はいっこうに変わらない
相変わらず泥棒だ泥棒だの繰り返し
こんな水母ごときにやられてたまるか
私は向きになって主張した
だがどうしても理解してもらえない
そのはず私の声は泥の中に埋まっていた

それならと仕草で説明した
私の大げさな身振りが
かえって悪印象を与えたのか
相手の警戒心が強くなった
耳から空気が拔け言葉が口から出た
泥棒!
私は泥棒ではない
泥棒!
私は泥棒ではない
水母の言葉は聞こえたが
私の言葉は依然として通じていない
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僕の詩集No.180【 茶色い空缶 】

2015-06-17 08:05:37 | 
    茶色い空缶

          にのみや あきら


嵐のようなラッシュアワーが終った電車の中
車内に緊迫した静寂が漂う
床の上に行き先に迷った茶色い空缶が
あっちへゴロゴロ
こっちへゴロゴロ
だが、誰も助ける気配はない
気にはしているがどの乗客も冷やかな目付き
乗客どうしが目を合わせ冷やかな含み笑い
ドアが開き新しい乗客が空缶に気づかず蹴飛ばす
カーンー
車内いっぱいに鈍い金属音が響きわたる
これまで気づかなかった乗客たちも
何事が起きたのかと音に注目
期待外れの出来事に誰もが失望
蹴られた空缶は
行き先を見失ったビリヤードの玉のよう
ゴロゴロゴロゴロ
あっちにぶつかりこっちにぶつかり
ふらりふらり
気づいた乗客は
毛嫌いするかのように空缶を避ける
やがて空缶は
若い女性の足元へ落ち着く
汚らわしいものにでも近付かれたかのように
空缶から逃れようと
女性は急いで席を替える
電車のスタートで空缶は
スルスルと車輌の後部へ移動
座席で競馬新聞を読んでいる アンちゃんの
ピカピカの靴に当たって止まる
アンちゃんは空缶など相手にしない
真剣に新聞に顔を突っ込んでいる
蹴飛ばされない内にと空缶は別の場所へ
静かに転がる空缶を若いサラリーマンが
道を開けて通してやる
急ブレーキで生き返った空缶は
はしゃぎながら車輌の前部へ急突進
そして別の乗客の好奇心をそそる
役目の終わった茶色いコーヒーの空缶の
切ない切ない独り旅
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僕の詩集No.179【 明治神宮にて 】

2015-06-17 05:49:58 | 
  明治神宮にて

        にのみや あきら


深緑の森
歴史と技術に培われた
格式の高い
社の美

自然を流した参道
いちめんの砂利が
心身のバランスを
擽る

自然のバランス
自然のアンバランス
心身のバランス
心身のアンバランス
それを包む
揺るぎない
地球の弧
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