アナーキー小池の反体制日記

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#757 橋(中)

2011年07月29日 | ボクの思い・信条・理念
中断した"橋"の続編です。

昨年辞めた職場で最後の仕事は、市が管理する橋の安全性調査のための準備作業でした。
市内には大小百数十基の橋があります。
ほとんど全てが永久橋ですが、今まで計画的な老朽化調査をしていませんでした。
このことは全国的な問題でして、土木構造物を大量に造り始めてもう50年くらい経ちますが、新設がメインで維持管理はないがしろにされてきた現状があります。
土建会社と政治家の思惑が一致し、行政がそれに乗っかった構図が浮かび上がります。
何せ、新設には国庫補助金が高率で与えられますが、維持管理には補助金が1円もつかなかったのです。

地方自治体の長も、成果が目につきやすい公共施設の新設を望み、成果が目に付きにくい維持管理にお金をかけたがらないきらいがあります。
しかし時代の変遷はそれを許さなくなってきています。
まず、新設しなければならない土木構造物が少なくなりました。
一時は無理して新設工事を行ないましたが、”こんなものいらない”と大きな批判を受け、正常?に舵(かじ)を切りました。

また、市町村だけでなく都道府県、国も財政危機で土建業者のためのサービスをしたくとも出来ない状況下にあります。
そしてようやく10年ほど前から、既存の構造物を大事にしようとの施策が出てきたところです。
背景には、アメリカの老朽した橋梁が相次いで落ちてしまうという事故がありました。
橋が落ちることを、ずばりそのまま落橋(らっきょう)といいます。
落橋は人の命が係わることもあり、大問題となりました。
アメリカも日本同様、新設した施設のケアは手薄でした。
そしてきちんとケアをすることにより施設の寿命が格段に上がり、未然に事故が防げることが強調されました。
現場を知る者は皆承知のことでして、何を今更との強い思いがします。

数年前から国は、社会資本(公共施設)の維持管理修繕を建設事業の重点項目にあげるようになりました。
道路、橋梁、下水道、上水道、公園、公共建物など、全ての公共施設が対象で、国庫補助金がつくようになりました。
随分遅かったけど、素直に好い事だと認めましょう。

・・・
橋の件に戻ります。
橋も計画的に調査をし、悪いところを修繕する必要があります。
結果的に、修繕し長持ちさせることが経済的ですし、事故の未然防止につながります。
こんなことは解りきっている事なのに、国からの補助金が無いことを言い訳に地方自治体は対策を怠ってきました。
市は今までの方針を反省し、早急な調査・修繕をしなければなりません。(ボクもその当事者として反省しなければなりません。)

しつこいようですが、続きます。




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