アナーキー小池の反体制日記

世界中のひとが 仲良く助け合い ほほえみながら 平和に暮らしていくために (イマジン)

#100 学生時代(15)

2008年03月10日 | 学生時代
まだまだ定山渓のホテルの初日の続きです。
長い初日です。

職場で片付けをしていたら、まだボクの勤務時間なのに「サー行こか」って、先程の調理のSさんが来ました。
「今日は客が来るわけ無いんだから早く帰っていいの!」だそうです。

片付けを手伝ってくれ、10時頃にはホテルを出ました。
歓迎会の会場は、観光客用ではなくホテルの従業員が主に使う居酒屋でした。
そこには、ホテルの料理さん1人と女中さん3人が待っていました。
みな20代です。

その頃からホテルの従業員は高齢化が進んでいました。
今日集まってくれた人以外は、若い人は少ししかいません。(後でわかったことですが。)

かたくるしい挨拶など何も無く、いきなり「どっから来たの?」「年は?」とかって、友達みたいに話をするんです。
しょっちゅう人の出入りがあるもんだから、みな慣れているんでしょうね。

ボクも酔った勢いもあったものだからなれなれしく話をしていたんだけど、迎えに来てくれたSさんのすねに刺青(いれずみ)があるのに気づき、「刺青してるの?」って聞いてしまいました。
「おう、これは高校生のときにいたずらで入れたんだ。よく見せてやる。」とズボンのすそをめくりました。
そこには“親不孝"の文字があまり上手ではなく書かれています。

高校生のときに"親不孝"と刺青を入れたのがおかしくて笑ってしまいましたが、Sさんはバカにされたのかと思ったのか、「これはタダ(無料)の刺青だからお粗末なんだけど、背中には50万円かけたいいのを彫っているぞ。」って、言います。

ボクはその時、Sさんはヤクザなんだろうけど気が良すぎるなーって思っちゃったのです。
その後、親しい付き合いをしましたが、最初に思ったとおり気のいいヤクザでした。

その頃の定山渓というところは、一種の吹き溜まり的なところがありました。
なにせ、履歴書も住民票も持たずに直接ホテルを訪れるだけで職を得ることが出来ました。(そういえばボクも何も出しませんでした。)
ですから、わけありの人が多くいたんです。

ここにいた7ヶ月か8ヶ月の間に多くのそんな人に出会い、そんな人とたくさん話をして、とても楽しかったし、勉強にもなりました。

料理さんは朝4時から仕事があります。
ですからSさんは今日はもう寝ないんだそうです。
実は、Sさん以外の料理さんは4時半からの勤務なそうです。
Sさんは序列が一番下なので、皆が来る前にしなければならない仕事があるんです。
年からいったらもっと下の人がいるんだけど(歓迎会に同席していたKさん)、調理の経験の違いからそうなるのだそうです。
Sさんはそれが面白くありません。

料理さんは朝は8時か9時頃に仕事を終えます。
その後、午後3時頃から8時頃まで仕事です。
そんなもんだから、夜は一睡もせず昼間に寝る人がけっこういました.

女中さんの勤務も似たようなもんで、昼間に休みがあります。
ただ、飛び込みの客が来る時があるものだから、順番をつけて待機する女中さんがいるんです。
それを花番といいます。
どういう訳か、飛び込みの客はチップを沢山くれることが多いので花番を楽しみにしている女中さんもいました。

そんなこんな話をして、料理さんの時間に合わせ3時頃まで居酒屋で愉快に飲んでいました。
今晩会った5人とは、その後も退職まで仲良く遊びました。
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