アナーキー小池の反体制日記

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#753 大鹿村と大館村の騒動記

2011年07月25日 | ボクの思い・信条・理念
先日"大鹿村騒動記"なる映画を観ました。
主演男優が封切と同時に死んでしまったので、ちょっと話題になった作品です。
長野県に実在する寒村を舞台に、いろいろな人間模様を300年続いている村内の田舎歌舞伎の上演を絡めて軽妙に描いています。
ここの歌舞伎のように、まだまだ田舎の文化は途絶えておらず、方々で細々と受け継がれています。
でも、どこも高齢化の波は押し寄せてきて近い将来消滅してしまうのではないかと心配です。
他からの援助が必要です。

一昨日夜、テレビで原発事故で被害を受けた福島県大館村を当初から追い続けたドキュメンタリー番組が放映されました。
福島県の中でも大館村は寒冷なため、昔からよく冷害による凶作となり多くの悲劇が生じていました。
番組では報じていませんが、飢饉による餓死や子女の身売りなど悲惨な歴史があったように思います。
大館村は福島県内なのに、桜の開花が北の岩手・青森より遅く北海道と一緒だそうです。

そんな過酷な条件の中、村民は努力して肉牛の肥育・繁殖を行い、このところようやく大館ブランドとして販路が確立されたところなのだそうです。
また、清涼な水・空気を売りにフレッシュで安全な野菜やおコメを供給し、多くのファンを得ていたといいます。
数年前の”平成の大合併”も村として独自な道を進もうと合併に応じず、特色ある村づくりを推進していた矢先の今回の原発事故です。

村人たちは、無念さやどこにぶつけたらいいのか分からない怒りを静かに語っていました、決して声を荒げることなく。
そして、遅ればせながら全村避難勧告です。
先祖代々の土地を離れることは、ボクのような土地などに執着を持たない者とは違い、大変辛いことなのだと思います。
地域のコミュニティは保たれるはずもなく、家族すら分断される現実に暗澹としました。
村内に村民が居らず、村役場すら村内にありません。地方自治体っていったい何なのだろうと考えてしまいます。

東電が主催した説明会で、畜産農家が「いつここに帰ってこられるのか?」と質問しましたが、分からないの一辺倒で、これは一生還れないと悟った畜産農家は泣く泣く牛を手放すのです。
また、近隣に避難した住民のうち、職を得るため東電関連の会社に勤めている人も少なくないようです。
彼は自嘲気味に、「(人生)こんなもんです。」と言っていたのが印象的でした。

二つの大のつく名の村の騒動記、なんとも後味の違うものでした。
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