昨年の日本人の平均寿命は男81歳、女87歳でした。ボクが産まれたころの平均寿命は男58歳、女62歳ですから、この70年程で各々20歳くらい長生きするようになったのです。
長寿はめでたいもの、って皆が信じて祝っていたもんですが、この頃は風向が変わってきています。年寄りがなかなか死なないもんだから、しわ寄せが若者に被(かぶ)ってきてるんです。
長寿化に至ったのはいろいろ理由があります。衛生面、栄養面、健康への啓蒙などですが、一番は医療の進歩です。
昔は死は至った病気が今は簡単に治ってしまうのです。ガンなんて半世紀前まで宣告されたら死刑宣告を受けた風に感じるほどでしたが、今日では普通の病気の扱いになっています。
ガンだけでなく他の病気も治るようになって平均寿命が大幅に伸びたのです。喜ばしいことではあります。高く評価しなければなりません。
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医療の進歩は留まるところを知りません。1日でも生き長らえるよういろいろ研究が進んでいます。医薬品メーカーも新薬の開発にいそしんでいます。長寿化に貢献しています。
ボクはそんなのを評価しつつ疑問を感じています。高齢者や新生児への高度医療行為です。新生児どころか胎児にまで高度治療を行っているんです。もうどうやってもどうにもならない患者に延命するのは無駄です。今までの通常の治療で十分です。
早く死なせてやるのが思いやりです。いろんなケースがあるのは知っているから、一言で言えないのは承知の上です。
わずかですが人口減に繋がります。そして健康保険とか介護保険への負担を減らすことにもつながります。
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とにかく、団塊の世代がなかなか死なないのは若者にとってやるせない事態でしょう。団塊の世代は反発するでしょうが・・・現実です。
次回は尊厳死につてです。