アナーキー小池の反体制日記

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#3098 最高裁、再審取り消し(上)

2019年07月28日 | 犯罪と防犯と審判
大崎事件ってあります。
原口アヤ子さんらが犯人と確定され、彼女らが刑を服し終え、原口アヤ子さんが起こした第3次再審請求が最高裁で6月25日に取り消されました。
地裁と高裁が認めた再審開始を最高裁が取り消した、とても意外な展開でした。

・・・
40年前に一人の男性が死亡しているのが見つかり、義姉(原口アヤ子さん)と親族が男性を殺害したとして逮捕され、4人に懲役刑が確定し服役したのです。
亡くなった男性の兄の妻だった原口アヤ子さんが主犯格とされ、懲役10年の刑を受けました。
他の3人は、亡くなった男性の兄2人と甥1名です。
原口アヤ子さんは逮捕されてから、一貫して無実を主張しています。

実はこの事件捜査、当初から大きな問題が囁(ささや)かれていました。
逮捕された、亡くなった男性の兄2人と甥1名は、軽度の知的障碍者でした。
事件捜査のプロは、知的障碍者や迎合しやすい傾向を持つ者を“カモ”にします。
誘導したら簡単に警察の描いた絵に同調するのです。
今まで冤罪!と断罪された犯罪の被害者の多くは、そのような傾向の人なんです。

原口アヤ子さんは犯行を否認しましたが、他の3人が殺人を認めたのが決定打となり、刑が確定したのです。(懲役1年を課せられた甥は出所後に冤罪を主張しますが、認められないことに絶望したのか4年後に自死しました)
殺人を示す証拠は何もありません。
親族3人の誘導された自供があるだけです。
そもそも殺人なのかどうかが疑問なんです。
亡くなった人はアルコール依存症で、たびたび道端で倒れているのが見受けられていたんです。

原口アヤ子さんは最初から無実を主張し、懲役刑を終了後は再審請求を行いました。
原口さんの支援団体は、絞殺されたとする死体の写真をもとに絞殺で死んだのではなく溝に落下した際の外傷性ショックによる事故死だ、との専門家の鑑定を提出し、地裁と高裁がそれを認め再審開始を認めたのでした。

・・・
今も一部で見受けられますが、日本の裁判は自白が優先要件でした。
自白さえ得られれば、他の証拠がなくとも公判が維持され判決が確定された歴史があります。
40年前だって、自白偏重がまかり通っていたんです。
虚偽の自白をさせるのが名刑事の明かし、ともてはやされた時代でした。

昔、ボクがまだ小学生だった56年も前に東京で起こった、幼児誘拐殺人事件の吉展(よしのぶ)ちゃん事件てのがありました。
捜査に当たった警察の失態で犯人を取り逃がし、当時普及してきたテレビで大きく取り上げられ日本中で注目された事件でした。
結局、犯行から2年半後に犯人小原保が逮捕され、自供通り吉展ちゃんの遺体が他人のお墓の中から発見されたため、死刑判決が確定し、そして処刑されたのでした。
その時、小原保の自供を引き出したのが、刑事の平塚八兵衛です。
難事件で犯人?の自供を引き出す名人として名をはせた人物です。
確かにこの事件では名に恥じることのない、優秀な刑事でした。
ただこの名刑事、今となっては冤罪を多く生んだ、とも囁かれているんです。
脅し・すかし・なだめたりして、自供?を引き出す術には優れていたけど、そのことが虚偽の自供に繋がって有罪になった者が複数人いる、と言われています。

続きます。
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