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あなたに褒められたくて。

2014年11月18日 | 千伝。
・・職業という違いなのでしょうか?

褒められてばかり・・。

批判されるばかり・・。

褒められてばかりの日本の映画界代表の俳優 高倉健さんが、お亡くなりました。

いつか、こんな日が来ると思っていましたが・・悲しいです。合掌。

「黄色い幸福のハンカチ」という映画を観て以来、高倉健さんのファンになりました。

戦後日本の映画界最高のカリスマでもあった高倉健さんに会いたくて、東映の大泉映画撮影所でエキストラのバイトもしたこともあります。

梅宮辰夫さんや菅原文太さんのお姿は拝見しましたが、残念乍、東映を退社していた高倉健さんの姿をありませんでした。

「黄色い幸福のハンカチ」・・第1回日本アカデミー最優秀作品賞。
最優秀監督賞:山田洋次
最優秀脚本賞:山田洋次・朝間義隆
最優秀主演男優賞:高倉健
最優秀助演男優賞:武田鉄矢
最優秀助演女優賞:桃井かおり
優秀主演女優賞:倍賞千恵子
優秀音楽賞:佐藤勝

船員だった島勇作(高倉健さん)が、誤って喧嘩をして殺人罪で網走刑務所へ。

出所後、妻に「まだ独りで待っててくれるなら、黄色いハンカチをぶら下げておいてくれ。それが目印だ。もしそれが下がってなかったら、俺はそのまま引き返す」・・と網走から夕張までのロードムービでした。

東名の上り大津サービスエリアに行けば、ここの公衆電話から「南極物語」の出演を承諾した高倉健さんを想います。

長野県善光寺へ行けば、二月節分の早朝、30年間参拝していた高倉健さんを想います。

昨年、文化勲章を受章した時の高倉健さんのコメントです。

「映画俳優として58年、205本の映画に出演させていただきました。大学卒業後、生きるために出会った職業でしたが、俳優養成所では『他の人の邪魔になるから見学していてください』と言われる落ちこぼれでした。母が嫌う入れ墨のある前科者の役が多くて、それでも『辛抱ばい』という母からの言葉を胸に、国内外の多くの監督から刺激を受け、それぞれの役の人物の生きざまを通して社会を知り世界を見ました。映画は国境を越え言葉を越えて、“生きる悲しみ”を希望や勇気に変えることができる力を秘めていることを知りました。今後も、この国に生まれて良かったと思える人物像を演じられるよう、人生を愛する心、感動する心を養い続けたいと思います。映画俳優・高倉健を支えてくださった多くの方々に、深謝申し上げます。どうもありがとうございました」

今夜、安倍首相は、衆議院の解散・総選挙を表明しました。

もし、与党の連立政権が過半数に達しなければアベノミックスが否定されているということで退陣すると言明しました。

何をしても、批判されるばかりの・・首相の立場が、とても幸福だと思えません。

・・辞めたいのかもしれませんね。

「黄色い幸福のハンカチ」が封切りされた当時、大学生だった安倍さんも、高倉健さんのファンだったのに違いありません。

昨年、文化勲章を授与された時の高倉健さん・・それを一番推薦したのは、安倍首相です。

でも、安倍さん退陣のあと、日本の次なる首相は、誰になってほしいものか見当もつきません。

今夜は、高倉健さんの自著「あなたに褒められたくて」・・読み直しましょうか。

ぼくの大好きな言葉です。

映画の撮影で、出番以外も常に現場に立ち続ける事への想いを語っている高倉健さんの言葉です。

「自分よりもお金を貰っていない人たちのほうがはるかに頑張っている。現場はそうした人たちによって成り立っている。そんなことに気づくまで何十年もかかった」

日本のどれぐらいの政治家が、「国民に褒められたくて」・・活動しているのかな?