こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

「地域医療を守れ」

2013-07-30 23:04:17 | 読書


サブタイトル「わかしおネットワーク」からの提案

2004年4月に始まった臨床研修制度に伴う医師の引き上げの影響は全国の自治体病院の経営に打撃的な影響を及ぼした。
この本の著者のひとりである平山医師が院長を務める千葉県立東金病院も例外ではない。
医師の引き上げが残った医師に過重な負担をかけ、激務に疲弊した医師の大量退職、病院の崩壊というプロセス。

東金病院も内科常勤医師が院長を含めて2名にまで減ってしまう。

そこからの再生の道のりが本書のテーマのひとつ。

キーワードは「地域医療」。

「自分たちの地域の医療は地域自らが守り育てていくもの」というのが、本書の最大のメッセージだ。地域医療をつくるプレーヤーは、医療従事者だけではない。住民も行政も皆ひとりひとりが大切なプレーヤーだ。自らの問題として現実を受け止め、知恵を絞り、自らは何ができるのかを考える。地域が自前で解決していく力を育てる必要がある。そんな思いを伝えることが狙いだ。

以上、「はじめに」から引用。

医療従事者、住民、行政の役割がそれぞれにある。
住民の手による「地域医療を育てる会」の活動、「医師が来てくれる地域づくり」、「地域で医師を育てる」など、文字どおり住民が地域医療の主体的、創造的担い手となっていることに感動と驚きを覚える。

書名にひかれて図書館で借りた本だが、購入して自分の手元におきたいと思う。


著者:平山愛山(千葉県立東金病院院長、電子カルテと地域医療連携ネットワークである「わかしおネットワーク」を立ち上げ、日本経済新聞賞受賞)
   秋山美紀(慶応義塾大学総合政策部専任講師)

発行:岩波書店
コメント (2)
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