こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

「子どもの未来を守る」

2013-04-03 21:51:09 | 読書


サブタイトル「子どもの貧困・社会排除問題への荒川区の取り組み」

東京都荒川区長であり、区が設置した公益財団法人荒川区自治総合研究所理事長でもある西川太一郎氏の言葉を「はじめに」から引用しておきます。

「私は、この子どもの貧困・社会排除の問題に対して、住民意最も身近な基礎自治体が先頭に立って真正面から取り組み、未来を担う子どもたちをなんとしても守り、健やかに成長できるようにしていかなければならない、貧困の連鎖をあやゆる手段を用いて態切らなければならないという危機感を強く持つに至りました。」

本書を通読して感嘆するのは、この行政のトップの「危機感」とそれに裏打ちされた使命感を、各分野で実際に子どもと保護者に接する様々な職種のスタッフが見事に共有していることだった。
目次に並ぶ執筆者の氏名。17名は行政の部、課を超えて各部署の職名を肩書きで、それぞれの立場での経験と率直な思いを綴っておられる。
保育所や学童保育の現場、在宅子育て支援に携わる支援センター、母子保健の保健師、不登校児童と家庭支援の相談員、男女平等推進センター・・・ひとつひとつが貴重な提言を含んでいるが、「縦割り行政」と言われるのも超えたひとつの目標に向かう真剣な取り組みの一端がみえる。

人口約20万。世帯数約9600。総所得金額100万円以下の世帯が全世帯の35%をしめる。生活保護率は全国の約2倍。
巻末にはこういう資料も掲載されていた。財政状況は決してゆとりのあるものではないことも伺える。
そのなかでも「何があっても子どもを守る」ことに真正面から取り組んでいることに学びたいと思う。


編者:公益財団法人荒川区自治総合研究所
発行所;三省堂
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