土曜日に、久しぶりに演奏会へ行きました。
◇中野振一郎の世界~宮廷の華 チェンバロ/ヴェルサイユ編~<フランソワ・クープラン生誕350年>◇

チェンバロの中野振一郎さんが、東郷町民会館へ来る…?家から車で15分、しかもチケットは2千円?!
これは何とか行きたい!!家族の協力を得て、土曜日に一人の時間をもらい実現!
音大時代の友達や、しらかわホール勤務時代の同僚や後輩、当時ホールでお会いした懐かしい顔がちらほら。「久しぶり~!!」の会話と近況報告。竪琴を始めたことを話した友達には、来月のケーキ公演のことも、勇気出して紹介したり(^^;)…。
チェンバロは、実は最近試弾させてもらった時の感覚が残っていて、「クールな響き、意外とストレートな音…」と感じていたのですが、それは多分私の弾き方に問題があったのかも(笑)…。あるいは、楽器と自分との距離や楽器そのものの響きとか…、とにかく中野さんの演奏は、素晴らしいものでした。単音での柔らかさ繊細さ、まとまった音での広がり感、絶妙な間合い。。
そして演奏はエキサイティング!ビビットで鮮烈で、しなやかで…こんなにも表現力豊かな楽器だったとは。。久しぶりの本物のチェンバロの響きに感動です。
楽器の紹介から始まりましたが、ご本人は主に「チェンバロ」ではなく「クラヴサン」と仰っていました。チェンバロもハープシコードもクラヴサンも、ところ変われば別の名前ですが、楽器の構造は同じです。フランスではクラヴサンなのです。ピアノは弦を柔らかいハンマーで叩いて音を鳴しますが、チェンバロは弦を小さな爪(猫の爪ほど)で引っかくことで撥弦します。
今回、終演後に楽器を見せていただく機会が設けられていて、楽器の内部までじっくり見ることができました。
竪琴は、演奏の時に爪が当たると「ああっ」…となるわけですが(汗)、音質こそ違えどチェンバロは、その引っかく“シャララン…”というような音を楽しむ楽器です。そして微細な音を次々と重ねていくような音楽になります。重ねられた装飾音こそが醍醐味であり、作曲家や演奏者のセンスを楽しむ感じでもあります。
「装飾を抜いたら、芯が残らない音楽です!」と中野さんは冗談っぽく仰っていましたが、まさに装飾の芸術でそのオシャレ感を楽しむような…でもそればかりでない表現力に圧倒されました。
プログラムは、18世紀フランスのヴェルサイユで栄えたクラヴサン音楽による「ポルトレ(肖像)」を中心に。この音楽では様々な描写がされています。タイトルはそのままのものを描写するのではなく、実はある貴婦人を模していたり、あるいは人の名前をタイトルにして、作曲家による視点でその人を表した作品が作られたりと、当時のヴェルサイユのサロンならではの楽しみがあったようです。
中野さんは話が面白くて、噺家のようでもあり。曲間には客席から笑いが絶えません!そして演奏中は、表情が“音楽そのもの”という感じで…こんな風に演奏出来たら聴く人もハッピーですね♪

帰りにCDサイン会に参加して、2時間の感動をお伝えしてきました。素晴らしかったです(#^^#)!
【中野振一郎さんの公式サイト】
https://nakano-shinichiro.com/
☆今回のコンサートが2千円で聴けたのは、「三井住友海上文化財団」の助成があったからですね。
しらかわホールは旧称で、正式名称は「三井住友海上しらかわホール」です。
…ありがとう~!三井住友海上文化財団!
