世界選手権・アイスダンスのフリーダンスのCSの放送を見ました。ショートダンスと同様、見ていて楽しくて、楽しくてしかたがなかった。フィギュアスケートの競技の中で私が一番好きなのは、やはり女子シングル。これは当然でしょう。その次は、今ではアイスダンスである。
アイスダンスの魅力はやはり音楽である。音楽をしっかりと聴くこと。音楽を聴かないで技ばかりに気を取られると、ただのアクロバットに感じてしまう。その音楽に対して、どのような表現を見せるか、また選手たちがリンクに登場してからの仕草や表情も絶対に見逃せない。
今回はイギリスのカー姉弟のコンビが出場しなかったので一抹の寂しさも憶えましたが、それを忘れさせるくらい多くの素晴らしい演技に接することができて幸せでした。
フランスのケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ組は1月の欧州選手権と違うプログラム。今回は「ガーシュイン・メドレー」である。冒頭の「ラプソディ・イン・ブルー」での、あのクラリネットの独特なメロディが流れた時の、2人の素晴らしい表情。やはりアイスダンスは音楽ありきということを実感する。
アメリカのマディソン・チョーク&グレッグ・ズーレイン組はミュージカル「キャバレー」の音楽。全米選手権の時よりも一段と良かった。このコンビも表情が素晴らしい。
そして私が期待しているロシアのエレーナ・イリニフ&二キータ・カツァラポフ組はバレエ「ドン・キホーテ」のから終幕の音楽。カツァラポフの調子が今一つだったのが残念でしたがやはりロシアはクラシックバレエの国であることを実感する。
今回は終幕の音楽でしたが第1幕のキトリの登場場面の躍動感あふれる音楽でのイリニフの演技も、ぜひ見てみたいと思ったりしました。
さて今回の世界選手権で私が一番嬉しかったのはマイアとアレックスのシブタニ兄妹の銅メダルでした。
ショートダンスでは第3位が今年の欧州選手権優勝のナタリー・ぺジャラ&ファビアン・ブルザ組。シブタニ兄妹組は第4位。何が起きたのだろうか?
ぺジャラ&ブルザ組のFDのプログラムは「チャップリン・メドレー」である。アイスダンスを見る喜びにあふれた本当に素晴らしいプログラム!
「街の灯」「黄金狂時代」そして「モダン・タイムズ」の音楽が中心。映画ファンには、たまらないプログラムでしょう。「黄金狂時代」でのチャップリンの正に至芸と言うべきロールパンの踊りのシーン。そして、この音楽に乗っての素晴らしいツイズル。まさに私にとって至福の時でした。
何もかも忘れてこのコンビの演技に見とれていましたが、後半、まさかの転倒。やはり世界選手権は何が起こるかわからない。本当に残念だった。
そしてアメリカのシブタニ兄妹の演技。こちらも前半の音楽は映画「モダン・タイムズ」から「スマイル」でチャップリンの音楽。昨シーズンまでジュニアで、今回世界選手権初出場とは思えない落ち着いたしっかりとした演技。昨年の世界ジュニア選手権では4位でだった。
最近のアイスダンスでは技術面をアピールするためリフトなどではアクロバット的な演技も見ることがありますが、シブタニ兄妹組の演技には、そんなものは無い。昔のアメリカのミュージカル映画のダンスシーンを彷彿させる優雅さとスケーティングの美しさ!そして、それをこの若さで見せつけるとは!そして世界選手権初出場で、いきなり表彰台。解説の藤森美恵子さんが言っていましたが、これはアイスダンスでは前例がないそうです。
アイスダンスの持つ本来の美しさ、楽しさを甦えさせるようなシブタニ兄妹がシニアの世界の檜舞台に初めて登場して、そして表彰台。こういう演技が、きちんと評価されて本当に嬉しい。これからのアイスダンスの流れが、また何かが変わっていくかもしれない。
そして最後の2組のメリル・デイビス&チャリー・ホワイト、テッサ・バーチュ&スコット・モイヤの2組の演技。何も言う事が無い。やはり他と比べて飛びぬけている。氷の上で人間はここまで表現出来るのか!という感歎の気持ちで一杯である。
特にバーチュ&モイヤ組の初めて見た「ラテンメドレー」は本当に凄かった!昨シーズンはマーラーの交響曲第5番の第4楽章「アダージェット」で私を驚嘆させたが、今シーズンも同様である。凄いリズム感。躍動感。そして迫力。バーチュのたいへんなケガでの手術のあとの演技であることが信じられない。
それにしても黄金の衣装を身にまとったバーチュの美しさ!肌の色もラテン音楽にぴったりの輝き。クラクラしました。
放送では、この最後の2組の演技の時は実況も解説も無し!
演技前の藤森さんのコメント。
「この2組の演技は、とにかくじっくりと見てください」
これが全てを言い表わしているでしょう。
最高のものを見る喜びを味あうことが出来ました。
最後に本日聴いたCD
ベートーヴェン 交響曲第2番、第4番 ザンデルリング指揮フィルハーモニア管弦楽団
ワーグナー 歌劇「さまよえるオランダ人」序曲、「ジークフリート牧歌」 クナパーツブッシュ指揮ミュンヘンフィル
ハイドン 交響曲第94番「驚愕」、交響曲101番「時計」 モントゥー指揮ウィーンフィル
ブラームス 「ハイドンの主題による変奏曲」 モントゥー指揮ロンドン響
アイスダンスの魅力はやはり音楽である。音楽をしっかりと聴くこと。音楽を聴かないで技ばかりに気を取られると、ただのアクロバットに感じてしまう。その音楽に対して、どのような表現を見せるか、また選手たちがリンクに登場してからの仕草や表情も絶対に見逃せない。
今回はイギリスのカー姉弟のコンビが出場しなかったので一抹の寂しさも憶えましたが、それを忘れさせるくらい多くの素晴らしい演技に接することができて幸せでした。
フランスのケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ組は1月の欧州選手権と違うプログラム。今回は「ガーシュイン・メドレー」である。冒頭の「ラプソディ・イン・ブルー」での、あのクラリネットの独特なメロディが流れた時の、2人の素晴らしい表情。やはりアイスダンスは音楽ありきということを実感する。
アメリカのマディソン・チョーク&グレッグ・ズーレイン組はミュージカル「キャバレー」の音楽。全米選手権の時よりも一段と良かった。このコンビも表情が素晴らしい。
そして私が期待しているロシアのエレーナ・イリニフ&二キータ・カツァラポフ組はバレエ「ドン・キホーテ」のから終幕の音楽。カツァラポフの調子が今一つだったのが残念でしたがやはりロシアはクラシックバレエの国であることを実感する。
今回は終幕の音楽でしたが第1幕のキトリの登場場面の躍動感あふれる音楽でのイリニフの演技も、ぜひ見てみたいと思ったりしました。
さて今回の世界選手権で私が一番嬉しかったのはマイアとアレックスのシブタニ兄妹の銅メダルでした。
ショートダンスでは第3位が今年の欧州選手権優勝のナタリー・ぺジャラ&ファビアン・ブルザ組。シブタニ兄妹組は第4位。何が起きたのだろうか?
ぺジャラ&ブルザ組のFDのプログラムは「チャップリン・メドレー」である。アイスダンスを見る喜びにあふれた本当に素晴らしいプログラム!
「街の灯」「黄金狂時代」そして「モダン・タイムズ」の音楽が中心。映画ファンには、たまらないプログラムでしょう。「黄金狂時代」でのチャップリンの正に至芸と言うべきロールパンの踊りのシーン。そして、この音楽に乗っての素晴らしいツイズル。まさに私にとって至福の時でした。
何もかも忘れてこのコンビの演技に見とれていましたが、後半、まさかの転倒。やはり世界選手権は何が起こるかわからない。本当に残念だった。
そしてアメリカのシブタニ兄妹の演技。こちらも前半の音楽は映画「モダン・タイムズ」から「スマイル」でチャップリンの音楽。昨シーズンまでジュニアで、今回世界選手権初出場とは思えない落ち着いたしっかりとした演技。昨年の世界ジュニア選手権では4位でだった。
最近のアイスダンスでは技術面をアピールするためリフトなどではアクロバット的な演技も見ることがありますが、シブタニ兄妹組の演技には、そんなものは無い。昔のアメリカのミュージカル映画のダンスシーンを彷彿させる優雅さとスケーティングの美しさ!そして、それをこの若さで見せつけるとは!そして世界選手権初出場で、いきなり表彰台。解説の藤森美恵子さんが言っていましたが、これはアイスダンスでは前例がないそうです。
アイスダンスの持つ本来の美しさ、楽しさを甦えさせるようなシブタニ兄妹がシニアの世界の檜舞台に初めて登場して、そして表彰台。こういう演技が、きちんと評価されて本当に嬉しい。これからのアイスダンスの流れが、また何かが変わっていくかもしれない。
そして最後の2組のメリル・デイビス&チャリー・ホワイト、テッサ・バーチュ&スコット・モイヤの2組の演技。何も言う事が無い。やはり他と比べて飛びぬけている。氷の上で人間はここまで表現出来るのか!という感歎の気持ちで一杯である。
特にバーチュ&モイヤ組の初めて見た「ラテンメドレー」は本当に凄かった!昨シーズンはマーラーの交響曲第5番の第4楽章「アダージェット」で私を驚嘆させたが、今シーズンも同様である。凄いリズム感。躍動感。そして迫力。バーチュのたいへんなケガでの手術のあとの演技であることが信じられない。
それにしても黄金の衣装を身にまとったバーチュの美しさ!肌の色もラテン音楽にぴったりの輝き。クラクラしました。
放送では、この最後の2組の演技の時は実況も解説も無し!
演技前の藤森さんのコメント。
「この2組の演技は、とにかくじっくりと見てください」
これが全てを言い表わしているでしょう。
最高のものを見る喜びを味あうことが出来ました。
最後に本日聴いたCD
ベートーヴェン 交響曲第2番、第4番 ザンデルリング指揮フィルハーモニア管弦楽団
ワーグナー 歌劇「さまよえるオランダ人」序曲、「ジークフリート牧歌」 クナパーツブッシュ指揮ミュンヘンフィル
ハイドン 交響曲第94番「驚愕」、交響曲101番「時計」 モントゥー指揮ウィーンフィル
ブラームス 「ハイドンの主題による変奏曲」 モントゥー指揮ロンドン響