オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

朝比奈隆のブルックナー交響曲第3番

2008年05月09日 12時00分00秒 | 朝比奈 隆(生誕100年記念)
ブルックナー 交響曲第3番 ニ短調「ワーグナー」

第1楽章 より遅く、神秘的に
第2楽章 アダージョ
第3楽章 スケルツォ
第4楽章 アレグロ

第3番はブルックナー自身が「ワーグナー・シンフォニー」と呼んでいた作品。作曲者が、さんざん失敗を繰り返したあげく、やっとこさ彼の尊敬するワーグナーに捧げた交響曲だからである。ところがワーグナーに献呈する作品が2番だったか3番だったか分からなくなりワーグナーに尋ねてしまった。
「トランペットで主題で始まるニ短調のほうでしょうか?」
それからというもの、ワーグナーはブルックナーが話題になると「ああ、あのトランペット」と言って笑っていたというエピソードを聞いた事があります。
作品は1番、2番のあとですが、充実度、スケールの大きさには目をみはるものがあり、朝比奈隆による名演奏によっては後期の作品に匹敵するのではないかと思うくらいである。

さて第3番の楽譜は複雑で頭が痛くなってくる。1873~4年版の第1稿はワーグナーの作品からの直接の引用を含んでいたがブルックナーが第2稿で削除してしまった。そして1888~90年シャルク兄弟の説得でいやいや?再改訂したものが第3稿である。
1929年組織された国際ブルックナー協会は原典版をロバート・ハースによって編集、出版されることになったが第3番はハースではなくエーザーによって編集された。エーザーは第2稿を編集したものであり、後年ノヴァークは第3稿を底本としている。

①大阪フィルハーモニー交響楽団(エーザー版、1977年大阪フェスティバルホールでのライブ録音)ジャンジャン盤
②大阪フィルハーモニー交響楽団 (ノヴァーク校訂第2稿1977年 1984年大阪フェスティバルホールでのライブ録音)ビクター盤
③大阪フィルハーモニー交響楽団 (ノヴァーク版、第3稿 1993年 大阪フィルハーモニー会館でのスタジオ録音)キャニオンクラッシックス盤
詳しくはこちら
参考CD
④ハンス・クナッパーツブッシュ指揮ウィーンフィルハーモニー管弦楽団(第3稿による改訂版 1954年ウィーンにて録音)デッカ盤

朝比奈隆は3度、第3番を録音したが全て使用楽譜が違います。ハース盤が無い為いろいろ思案した為と想像されます。②はエーザー版をノヴァークが校訂したもので世界初録音だったと記憶しています。なお②は二枚組のレコードでしたが最後の面には第2楽章の異稿で第1稿と第2稿の間、1876年の作が収録されていました。そして③は従来のノヴァーク版である。朝比奈隆がノヴァーク版を使用したのは、大変珍しいことである。
③は朝比奈隆が残した数多く残したブルックナーの録音の中で最高傑作といっていいでしょう。ブルックナーを聴く醍醐味や緊張感を見事に満喫させてくれます。第1楽章ヴァイオリンのさざ波に乗ってトランペットでの第1主題から始まって第4楽章のコーダまで朝比奈隆の気迫あふれる演奏と雄大さに圧倒されるのみである。また大阪フィルが完璧にブルックナーの響きを自分たちのものにしているのには驚かされる。
なお①と②もいい演奏ですが③が素晴らし過ぎて陰が薄くなってしまいました。
さて参考CDの④ですが大変古い録音ですが第1楽章と第2楽章での当時のウィーンフィルの音色の美しさ、いじらしさ、やるせなさ。あの音色は現在失われてしまった!なお④の使用楽譜はノヴァークの原典版ではなく、シャルク兄弟と初演指揮者ハンス・リヒターの書き込みが印刷されたものといわれている。この作品の楽譜の複雑さに、ますます頭が痛くなってきます。
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