オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

鈴木明子さんの引退に寄せて

2014年04月03日 13時45分32秒 | 鈴木明子さん
2007年暮、大阪、なみはやドームでの全日本選手権、女子シングル・フリー。
緊張感と熱気にあふれている、あの大きな会場のスタンド席に私を身を置いていました。
その緊張感と熱気がピークと言える最終グループ。浅田真央さん、水津瑠美さん、村主章枝さんの演技が終わり、4番目に当時、私が大好きだった中野友加里さんが登場。当時、私は、こう記しています。

>中野友加里さんが「スペイン奇想曲」の音楽に乗ってトリプルアクセルをよろめきながらも着氷した瞬間、場内は大きくどよめき、そして大歓声に包まれた。そして、くりひろげらるジャンプ、スパイダル、そしてステップに場内は最高の物凄い盛り上がりとなった。

そして演技後、得点がコールされると、会場内の、その盛り上がりはピークに達しました。
そんな中、私はリンクサイドに立っている一人のスケーターに目が釘付けになりました。
異様な雰囲気の中で、静かに自分の出番をを待っている一人のスケーター。
そしてリンクの中央に立ち、映画「タイタニック」の音楽に乗って演技が始まると、それまでの中野友加里さんが作り出した空気が一変し、会場内は完全に、そのスケーターの世界へ。
そのスケーターこそ鈴木明子さんである。
大袈裟ですが、私と鈴木明子さんの出会いの瞬間です。
この時、私は、こう記していました。

>中野さんの演技の後の異様な雰囲気の中での演技でしたが良かった!
名前は知っていましたが、日本のフィギュアスケート界にまだ、こんな素晴らしい方がいたとは驚きである。今回の観戦で一番の大発見です。
ブルーの衣装も氷上で見栄えして素敵でした。2度ジャンプのミスがありましたが、場内をうっとりさせるものがありました。映画「タイタニック」の音楽の素晴らしさも改めて教えてくれました。村主さんの演技では、もうギリギリ感を感じましたが鈴木さんの演技には何か余裕を感じさせられ、これがうっとり感につながったのでしょう。中野さんの演技で一時、場内は異様な雰囲気となりましたが鈴木さんの演技で場内が柔らかい雰囲気になったのは間違いありません。

この年の全日本選手権は鈴木明子さんは摂食障害を克服して、最終グループへはい上がってきた大会。そして5位。
そんな時、私は初めて鈴木明子さんを知り、見たことになります。鈴木明子さんはメディアの力ではなく、実際に自分の目で見て見つけたスケーターと言っていい。

そして、今年の世界選手権。フリーの演技を終えてリンクに深く一礼をして下がっていく鈴木明子さんの姿を見て、もう私は感無量の気持ち。いろいろな思いや思い出が走馬灯のように頭の中を駆け巡りました。
鈴木明子さんと歩んだ7年。
あの深い一礼を見て自分自身にとって何か一つの時代が終わったと言うか、一つの区切りができたという気持ちが強い。
世界選手権のフリーの最終グループで現役を終えた鈴木明子さん。ここに鈴木明子さんの凄さがあると思います。
初めて鈴木明子さんの演技を見て約7年。この間、本当に一喜一憂しました。ただ、まさか、ここまで鈴木明子さんが到達するとは初めて見た2007年当時、夢にも思いませんでした。
正直なところ、2007年当時、2010年のバンクーバー冬季オリンピックに出場することすら予想も出来なかった。ましてや、その4年後のソチ冬季オリンピックとなると、なおさらであった。
単なる遅咲きとは語れないものがある。10代の若いスケーターが次々と登場してくる中で、世界のトップスケーターとして、駆け上がり、続けていくことの凄さ!
そして、齢を重ねていくたびに、けっして現状維持ではなく、常に成長感を見せ、演技にますます深みを増していった鈴木明子さんの演技。
まさに驚嘆すべきことであり、ここまで自分自身を鍛練を重ね、結果を出してきた鈴木明子さんに対し、私は心から敬意と尊敬の念を禁じ得ません!
そして今までフィギュアスケートの持つ多くの魅力を私に伝え教えてくれた鈴木明子さんに感謝の気持ちで一杯です。

さて今後、プロスケーターとしての道を歩む鈴木明子さん。
毎年、新横浜スケートセンターに通って見たフレンズオンアイスで、毎回、鈴木明子さんの演技を見ることは私にとって大きな喜びでした。
2011年のフレンズオンアイスでの鈴木明子さんも参加した「5人でマンボ」
この時、私はこう記していました。

>第2部のオープニングでは(鈴木明子さんは)荒川静香さん、シェーリーン・ボーン、高橋大輔さん、小塚崇彦さんとのコラボで「エル・マンボ」である。
この中で鈴木明子さんは演技の領域の広さを見せつけてくれました。マンボのリズムに乗って荒川さんや高橋君と一緒に演技をしていても、けっして彼らに負けない演技の強さ、躍動感がありました。そして顔の表情の豊かさ。スタンド席から見ていても、しっかりと分かりました。
本当にキラキラと輝いていました。本当に素晴らしいスケーターになりました。彼女の演技を生で初めて見てから約5年になりますが、ここまでの域に達するとは5年前には想像もつかなかった。彼女の演技を今まで見続けて来て本当に良かった!
1人のスケーターの成長、成熟を感じることの出来る喜び。こんな喜びを感じることが出来るのもフレンズオンアイスを見続けて来ているからに違いありません。荒川静香さんに感謝!
彼女の演技には競技会での順位だけでは計れない魅力があります。

「1人のスケーターの成長、成熟を感じることの出来た喜び」
鈴木明子さんに対しての私の気持ちは、いろいろありますが、これに尽きると思います。
この時のフレンズオンアイスでの感想にあるように、今後のプロスケーターとしての鈴木明子さんの、さらなる成長が楽しみです。
そして指導者としても、今までの経験を、ぜひとも若いスケーターたちに伝えて、さらに我が国のフィギュアスケ―ト界のレベルを上げて行って欲しい。
これからの鈴木明子さんが、どの様にスケート人生を歩んで行くのか、私も、これからも、一緒に歩むつもりで見守っていくつもりです。

最後に上の写真は2007年の全日本選手権・フリーの時の写真。そして下の写真は今年の世界選手権・フリーで演技を終えた時の写真。






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