八代醸造が、新しい一升瓶ワインを誕生させました。
八代醸造に仕入にお伺いした時、ユーモア満点の元銀行マン、小林専務に「何か新しいワインありますか」と尋ねたところ、「巨峰の一升瓶がある」。
巨峰の一升瓶は、五味ワインで発売していますが、数が少なくすぐに無くなってしまいます。
巨峰は誰もが知っている葡萄の王様。
ワインでもロゼの甘口として新酒の時期には幾つかのワイナリーから発売されます。
ただ、最近は挑戦的なワイナリーで辛口の巨峰を作ってもいます。
麻屋葡萄酒では、巨峰のシュールリー製法のワイン(極辛口)を出していました(残念ながら2013年に終売)。
もしかすると、と思いながら「甘口ですか、辛口ですか」と尋ねると、辛口との事。
ユーモア満点の小林専務ですが、時々感じる熱いものを考えると、やはり来たか、と思ったのですが、次の一言には驚愕しました。
「赤ワインです」。
巨峰に赤ワインは考えられない。
巨峰ワインはロゼが常識です。
甲州種が白ワイン、マスカットベリーAは赤ワイン、たまに色がでないマスカットベリーAはロゼにもなる、という常識と同じ位、巨峰はロゼワインです。
確かに巨峰は、赤ワインの原料となる黒葡萄ですが、粒が大きいため、赤ワインのように作っても色が出ません。
醸造の専門家ではないので詳しい事は判りませんが、醸造の途中で液体を抜くセニエ方式で作ると色が出るのでしょうか。
小林専務曰く、「苦労した」の一言でしたが、醸造用の葡萄より数倍高い巨峰を、さらにコストのかかるセニエ方式で作るのでしょうか。
試飲させてもらいましたが、穏やかな渋みの香りは巨峰の、色は赤がしっかり出た不思議なワインでした。
720mlで1575円、一升瓶で2100円。
値段の付け方がよく判りませんが、一升瓶はかなりお得です。
元銀行マンとは思えない価格設定について、「おっちゃん達は高いワインは飲まない」の一言。
マーケティングはOK、ということでしょうか。