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宅建・行政書士受験講座と資格勉強法
(主催:武井アカデミー)

証券化は今後の不動産市場の中心となるものなのです

2009-11-14 12:53:36 | Weblog
証券化は今後の不動産市場の中心となるものなのです.

宅建業者が取引していくものでもあり、一般知識として
必要になるものです。
教養ともって読んどいてください。



証券化のデメリット

証券化において、そのメリットばかりではなく、デメリットの正しい認識も必要である。また、リスク分析も重要な事柄でもある。すなわち、証券化のデメリットを認識して、その克服方法を明確にしてみることにする。
そして、リスクは メリットと同じように証券化対象資産、オリジネーター、SPV、サービサーにおいて、存在するのである。
井出保夫(2006年)によれば証券化のリスクは、以下のようなリスク説明がある。

(1) 証券化対象資産におけるリスク
① クレジットリスク
特に銀行の貸出債権の証券化の際に問題になるのは、債務者が未収、延滞もしくは不払い等のデフォルトを起こすリスクである。貸出債権を多数プールすることによって、このクレジットリスクは分散されることになる。(いわゆる、リスクを分散させる技術「プーリング」にとってこのデメリットを克服するのである。)
②イリュションリスク
ダイリュションリスクとは、債務者に対する債権の消滅や、債務者からの相殺権の行使によって、原債権からのキャッシュフローが希薄化するリスクをいいる。 銀行の貸出債権の証券化等で、債務者が銀行預金と借入金を相殺してしまうリスクは常に残る。このリスクは、証券化した債権は、安全に回収されるのですが、予定したキャッシュフローはその分受けられなくなるリスクである。
③リペイメントリスク
プリペイメントリスクとは、早期期限前弁済等によって債権が消滅し、当初予定したキャッシュフローの支払い予定が狂ってしまうリスクをいう。このリスクも、証券化した債権の回収(元本)は、回収されるのでありますが、キャッシュフロー(利息 収益金)の予定された回収ができなくなるリスクがある。

(2) オリジネーターにおける倒産リスク
 オリジネーターの倒産が投資家に悪影響を与えないようにするために、通常証券化の実務では、証券化業務に特化したSPCを設立して資産を譲渡し、両者の間を倒産隔離するのが一般的である。ただ、倒産隔離の技術は意外と複雑で手間のかかることが多く、日本の証券化の実務でもわざわざケイマン諸島にSPCを設立、チャリタブル・トラスト(慈善信託)を使って株を全部譲渡するやり方が多く使われている。証券化を促進し、金融取引をより拡大容易にするためも、これらの手続きを簡便化、合理化していかねばならないのである。
 
(3) SPVにおける倒産リスク
SPVも自ら倒産に陥る可能性がまったくないわけではない。したがって、SPVを倒産しにくくするための措置が必要である。本来は自由に破産の申立てができるはずの会社を、破産できないように工夫するわけですから大変である。この分野は、非常にあいまいなため、実務者が実際に頭を抱えながら工夫をしている。SPVの倒産は証券化の根幹を成すことから大きなリスクである。

(4) サービサーの倒産リスク
サービサーが倒産した場合に、サービサーが管理していたキャッシュフローが投資家の手元に届かなくなるリスクと、サービサー自身の資金と混和するリスク(コミングリング・リスク)とがある。そこで、この対策としては、井出保夫(2006年)によれば「実務では、サービサーの裏に、バックアップサービスサーを設置することで、リスクを避けるしかない。」と述べられている。監視、監督 指導 援助を行う機能を設けることによりこれらのリスクを予防、防御していくのである。
さらに、井出保夫(2006年)は次のように指摘している。「証券化は、高度にリスク分散が図られた金融技術ですが、それでもリスクから完全に逃げられるわけではない。決してオールマイティな錬金術だと思わないようにする。」これは、証券化におけるリスク金融技術の高さを示すものとも解釈できる言葉である。オールマイティではないので、オールマイティに近づけられる金融技術であることなのである。