こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
朝は晴れてぽかぽか陽気だったのですが、昼過ぎから雲が出て気温は頭打ちになり、夕方前から下がり始めるようです。明日は平年並みの気温ですが、それ以降は少し寒い日が続くようです。風邪などひかぬよう暖かくして過ごしましょう。
さて、今回は2017年日本数学オリンピック予選に出題された場合の数の問題を取り上げます。
問題は、
「a+b=c+d+e=29 となる、相異なる正の整数の組(a,b,c,d,e)はいくつあるか。」
です。
早速、取り掛かりましょう。
等式が2つありますが、ここは、c+d+e=29 を先に調べましょう。
この等式を満たす正の整数c、d、eは、例えば、29個の球を並べ、28ヶ所ある球と球の間に2つの仕切りを入れ、3つのグループに分けられた球の個数をそれぞれc、d、eに割り振れば、c、d、eを決めることができます。
つまり、c、d、eの組合せの個数は28ヶ所から仕切りを入れる2ヶ所の選び方になり、それは、
28C2=28×27/(2×1)=378通り
です。
ところが、問題の条件にa、b、c、d、eは相異なる正の整数とあるので、上で計算した378通りから、c、d、eのいずれかが等しくなる場合の数を差し引かなければなりません。
そこで、2つ以上が等しい3つの正の整数で、それらの和が29になるものの組合せを調べると、
(1,1,27)、 (2,2,25)、(3,3,23)、(4,4,21)、(5,5,19)、
(6,6,17)、(7,7,15)、(8,8,13)、(9,9,11)、(10,10,9)、
(11,11,7)、(12,12,5)、(13,13,3)、(14,14,1)
の14通りあることが判ります。
そして、これらの3つの整数のc、d、eへの割り振り方は3通りなので、c、d、eのいずれかが等しくなる場合の数は、
14×3=42通り
になります。
したがって、c+d+e=29を満たす相異なる正の整数の組(c,d,e)は、
378-42=336通り
になります。
続いて、a+b=29です。
この等式を満たす正の整数a、bの組合せの個数は、上と同じように、並べた球の間に仕切りを入れることを考えれば勘定できます。
このときa+b=29なので、aとbは等しくならないのですが、aまたはbがc、d、eと等しくなる場合の数を差し引かなければなりません。
そこで下図のように、あるc、d、eの組合せについて、c、d、eの順番を入れ替えたときの仕切りの位置を調べます。

▲図.あるc、d、eについて、それらの順番を入れ替えたときの仕切りの位置です
この図の赤色線でマークした6ヶ所の仕切りに、a、bを分ける仕切りを入れた場合、aまたはbがc、d、eのいずれかと等しくなってしまうことが判ります。
つまり、a、bの仕切りは、あるc、d、eの組合せに対して、28-6=22ヶ所の球と球の間にいれなければなりません。
したがって、a+b=29を満たし、a、b、c、d、eが相異なる正の整数の組(a,b)は、
22C1=22通り
になります。
以上から、a+b=c+d+e=29となる、相異なる正の整数の組(a,b,c,d,e)は、
336×22=7392通り
で、これが答えです。
5つの整数が相異なるということを失念しなければ簡単な問題です。
朝は晴れてぽかぽか陽気だったのですが、昼過ぎから雲が出て気温は頭打ちになり、夕方前から下がり始めるようです。明日は平年並みの気温ですが、それ以降は少し寒い日が続くようです。風邪などひかぬよう暖かくして過ごしましょう。
さて、今回は2017年日本数学オリンピック予選に出題された場合の数の問題を取り上げます。
問題は、
「a+b=c+d+e=29 となる、相異なる正の整数の組(a,b,c,d,e)はいくつあるか。」
です。
早速、取り掛かりましょう。
等式が2つありますが、ここは、c+d+e=29 を先に調べましょう。
この等式を満たす正の整数c、d、eは、例えば、29個の球を並べ、28ヶ所ある球と球の間に2つの仕切りを入れ、3つのグループに分けられた球の個数をそれぞれc、d、eに割り振れば、c、d、eを決めることができます。
つまり、c、d、eの組合せの個数は28ヶ所から仕切りを入れる2ヶ所の選び方になり、それは、
28C2=28×27/(2×1)=378通り
です。
ところが、問題の条件にa、b、c、d、eは相異なる正の整数とあるので、上で計算した378通りから、c、d、eのいずれかが等しくなる場合の数を差し引かなければなりません。
そこで、2つ以上が等しい3つの正の整数で、それらの和が29になるものの組合せを調べると、
(1,1,27)、 (2,2,25)、(3,3,23)、(4,4,21)、(5,5,19)、
(6,6,17)、(7,7,15)、(8,8,13)、(9,9,11)、(10,10,9)、
(11,11,7)、(12,12,5)、(13,13,3)、(14,14,1)
の14通りあることが判ります。
そして、これらの3つの整数のc、d、eへの割り振り方は3通りなので、c、d、eのいずれかが等しくなる場合の数は、
14×3=42通り
になります。
したがって、c+d+e=29を満たす相異なる正の整数の組(c,d,e)は、
378-42=336通り
になります。
続いて、a+b=29です。
この等式を満たす正の整数a、bの組合せの個数は、上と同じように、並べた球の間に仕切りを入れることを考えれば勘定できます。
このときa+b=29なので、aとbは等しくならないのですが、aまたはbがc、d、eと等しくなる場合の数を差し引かなければなりません。
そこで下図のように、あるc、d、eの組合せについて、c、d、eの順番を入れ替えたときの仕切りの位置を調べます。

▲図.あるc、d、eについて、それらの順番を入れ替えたときの仕切りの位置です
この図の赤色線でマークした6ヶ所の仕切りに、a、bを分ける仕切りを入れた場合、aまたはbがc、d、eのいずれかと等しくなってしまうことが判ります。
つまり、a、bの仕切りは、あるc、d、eの組合せに対して、28-6=22ヶ所の球と球の間にいれなければなりません。
したがって、a+b=29を満たし、a、b、c、d、eが相異なる正の整数の組(a,b)は、
22C1=22通り
になります。
以上から、a+b=c+d+e=29となる、相異なる正の整数の組(a,b,c,d,e)は、
336×22=7392通り
で、これが答えです。
5つの整数が相異なるということを失念しなければ簡単な問題です。
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