東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾「学研CAIスクール 東久留米滝山校」塾長白井精一郎のブログ

2020年日本ジュニア数学オリンピック予選の問題(10)

2020-06-27 09:20:14 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、2020年日本ジュニア数学オリンピック予選の問題です。

問題は、
「各辺の長さが整数である三角形ABCの辺BC上に相異なる2点D、Eがある。点B、D、E、Cはこの順に並んでおり、BD=4、EC=7をみたす。点D、Eを通り辺ABと辺ACに接する円が存在するとき、三角形ABCの3辺の長さの和としてありうる最小の値を求めよ。
ただし、XYで線分XYの長さを表すものとする。」
です。

早速、取り掛かりましょう。

図1に問題の図を描きました。


▲図1.問題の図を描きました

図1を眺めると、方べきの定理を使うことになりそうなので、図2のように、円と辺ABおよび辺CAとの接点をそれぞれPとQ、DE=a、CQ=b、BP=c、AP=AQ=dとして、a、b、c、dの関係式を導くことにしましょう。


▲図2.DE=a、CQ=b、BP=c、AP=AQ=dとしました

ここで、a、b、c、dがみたす条件は、
① △ABCの各辺が整数
 辺BC : 4+a+7=a+11 → aは整数
 辺AB : c+d は整数
 辺CA : b+d は整数

② 方べきの定理から
 

③ 三角不等式から
 AB+CA>BC → c+b+2d>a+11  (3)
です。

このとき、aが整数なので、(1)と(2)の右辺は整数になり、したがって、

は整数で、さらに、
7(a+7)>4(a+4)から、

になります。

ここでbが整数ならば、(1)が整数方程式になり、a、bを制約できそうなので、bが整数であるか調べてみます。

まずABとCAが整数であることから、(CA-AB)は整数で、したがって、
CA-AB=(b+d)-(c+d)=b-c
は正の整数((4)からb-c>0)になり、ここで、
b-c=m (mは正の整数)          (5)
とします。

また(1)と(2)の辺々の差をとると、

で、この右辺が正の整数であることから、(b-c)(b+c)は正の整数になり、ここで、
(b-c)(b+c)=n (nは正の整数)   (6)
とします。

すると(5)と(6)から

で、これと(5)から

になり、bは有理数であることが判りました。(分母も分子も整数です)

すると(1)から有理数の2乗が整数ということになるので、bが整数であることが判りました。

ここから、bが正の整数という条件の下、(1)を使ってaとbの関係を調べていきましょう。

(1)からbは7の倍数なので、
b=7p (pは正の整数)
となり、これを(1)に代入して整理すると、

です。

このとき、a>0からp≧2で、したがって、

です。

すると(1)と(2)から

になります。

ここで、△ABCの3辺の和は、
AB+BC+CA=(a+11)+(b+d)+(c+d)
        =a+b+c+2d+11
        ≧21+14+10+2d+11
        =56+2d (等号はa=21、b=14、c=10のとき成立)
になります。

あとは(3)の三角不等式からdの最小値を求めてお仕舞です。

a=21、b=14、c=10のとき、(3)から
10+14+2d>21+11 → 2d>8 → d>4
で、このとき、dは整数(辺ABの長さb+dとbが整数なので、dは整数)なので、
d≧5
です。

したがって、
AB+BC+CA≧56+2d≧56+2×5=66 (等号はd=5のとき成立)
です。

このとき、AB=14+5=19、BC=21+11=32、CA=10+5=15から、
AB+BC=19+32=51、CA=15 → AB+BC>CA
BC+CA=32+15=47、AB=19 → BC+CA>AB
になり、(3)以外の2つの三角不等式も成り立つので、AB=19、BC=32、CA=15の三角形は存在します。

以上から、三角形ABCの3辺の長さの和としてありうる最小の値は 66 で、これが答えです。


簡単な問題です。

学研CAIスクール 東久留米滝山校
https://caitakiyama.jimdo.com/
TEL 042-472-5533
コメント   この記事についてブログを書く
« namaste のはなし | トップ | goose のはなし »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

数学・算数の話」カテゴリの最新記事