東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

中学生でも手が届く東大入試問題(42)

2019-03-03 11:20:44 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、平成31年度東大入試問題(前期、理系)です。

問題は、
「nを1以上の整数とする。

(1)
   
   の最大公約数dn を求めよ。

(2)
   
   が整数の2乗にならないことを示せ。」
です。

早速、取り掛かりましょう。


なので、ユークリッドの互除法から、与えられた2つの式の最大公約数dn は、

の最大公約数になります。

ここで、nが偶数の場合と奇数の場合に分けて調べましょう。

● nが偶数の場合
n=2k (kは1以上の整数)とすると、

で、このとき、

は整数なので、

は奇数になります。

一方、4の約数は 1、2、4なので、

の最大公約数は1になります。

したがって、nが偶数のとき、dnは1です。

● nが奇数の場合
n=2k+1 (kは0以上の整数)とすると、

で、このとき

は奇数なので、

は2の倍数、かつ、4の倍数ではありません。

したがって、nが奇数のとき、dnは2です。

まとめると、
nが偶数のとき、dn=1
nが奇数のとき、dn=2
で、これが答えです。

続いて(2)です。

(1)を利用するため、nが偶数の場合と奇数の場合に分けて調べましょう。

● nが偶数の場合

の最大公約数は1なので、これらの2式の積が整数の2乗になるためには、いずれの式も整数も整数の2乗にならなくてはなりません。

ところが、

から

は整数の2乗ではありません。

したがって、

は整数の2乗ではありません。

● nが奇数の場合
(1)から

の最大公約数は2なので、

(mとlは1以上の互いに素な整数)
とおくことができます。

ここで、〔2〕-〔1〕から

です。

このとき、

が奇数から

は奇数なので、左辺は2の倍数で4の倍数ではありません。

一方、l-mとl+mの偶奇は同じなので、右辺は奇数または4の倍数になり、〔3〕は成り立ちません。

したがって、

は整数の2乗ではありません。

以上から、

は整数の2乗にならないことを示すことができました。


簡単な問題です。