東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

図形問題(15)[開成高]

2018-07-16 12:51:40 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、2011年開成高入試に出題された図形問題を取り上げます。

問題は、
「下の図形は、1辺の長さが1cmの正方形と、1辺の長さが1cmの正六角形4個からなる図形である。


▲問題図

 この図形を展開図とし、辺AEと辺AL、辺BFと辺BG、辺CHと辺CI、辺DJと辺DKをはり合わせた容器を作る。

 次の問いに答えよ。ただし、分母に根号がある形で答えてもよい。

(1) 正方形ABCDを底面としてこの容器に水を入れるとき、最大限入れることのできる水の体積を求めよ。

(2) この容器の5つの面すべてに接する球の半径を求めよ。」
です。

図1は、正方形ABCDを底面としたときの容器の平面図です。


▲図1.正方形ABCDを底面としたときの容器の平面図です

ここで四角形EFHJは、問題図の正六角形の最も長い対角線を辺とする正方形で、その辺の長さは正六角形の辺の長さの2倍、つまり、2cmになります。

次に、容器の平面PQRSでの断面図を図2に示します。


▲図2.容器の平面PQRSでの断面図です

まず、PQの長さを求めましょう。

PQの長さは図3のBTの長さと等しく、△BFTは斜辺の長さが1cmで内角が90°、60°、30°の直角三角形なので、

です。

したがって、

になります。


▲図3.PQの長さを求めます

そこで図2の直角三角形PQUに三平方の定理を適用すると、

が成り立ち、これに

を代入すると、

になります。

したがって、

です。

一方、直線PQと直線SRの交点をVとすると、△PQU∽△PVWで、その相似比は1:2になります。

したがって、

です。

この容器に入れることができる水の体積の最大値は、正四角錐V-EFHJの体積と正四角錐V-ABCDの体積の差なので、

で、これが(1)の答えです。

続いて(2)です。

容器の5つの面の接する球をおいたときの平面PQRSでの断面は、図4のようになります。


▲図4.容器の5つの面の接する球をおいたときの平面PQRSでの断面です

このとき、

です。

球の半径をrとして、直角三角形XVOに三平方の定理を適用すると、

から

が成り立ちます。

これを整理すると

になります。

したがって、求める球の半径は、

で、これが答えです。


簡単な問題です。