へんないきもの日記

今日も等身大で…生きてます😁

「犬鳴村」観に行って来ました...

2020-02-20 05:52:37 | 本・映画・音楽

【恐怖心に勝る好奇心🎵】
 正直、ホラーはキライです。
画面いっぱいに血しぶきが飛び散るのを見たくない...
って言うか、ワザワザお金を払って、気持ち悪い思いをする必要があるのか?
意味不明...

 じゃあ、なんで観に行ったのか?
というと...

 実は、物語の舞台は福岡県に実在していて...
私が暮らしている所から9kmしか離れていない...
実際、私は何度もクルマで通っているし、このニの脚でダムの横を通過した。

 まあ、私にとっては、"慣れ親しんだ"?場所(^_^)
そこが、こうして物語の舞台として全国の皆さんに知られるようになって、黙って見過ごすワケにはいかない。

 こりゃ、観に行かなくちゃ🎵


 ってーワケで...
行ってきました。





【キーワードは"犬"、"フタ"、"午前2時の電話ボックス"...】
 ネタバレになるので、キーワードに関する全ては書けないけど...
この物語を語るには、犬鳴村の地名の「犬」そして、わらべ歌にも出てくる「フタ」、ダムの横にある、午前2時になると鳴り出す「電話ボックス」だ。

 映画そのものを観る前に、この映画のレビューを見ると...
「恐くない」

 という意見がほとんど。
それゆえに、恐さを求めて、ホラーに期待した人々からは酷評されていた。
中には、「コントか?と思った」
そんな意見も...(^_^)

 でも、あながち、的を得ていなくもない(^_^)
最後にその「コント」の意味が分かるのだが...


 コント、というよりは...風刺かな?
そう、ホラー映画、というよりは現代社会への風刺、ダ。

 午前2時になると鳴り出す電話ボックスの受話器を取ると...
封鎖されていたハズのトンネルの入口から中に入って、そこから犬鳴村に行くコトができる。
コレは、かなりネタバレ?(^_^)

 興味本意で、犬鳴ダムのそばの赤い橋のたもとの電話ボックスを探しても...
ありません。撤去されました。
じゃあ、本当にあったのか...❗


 本当にあったところが少々、コワイ(>_<)

 最後にお決まりの「この物語はフィクションで、登場する人物・団体・地名は関係ありません」
とあるけど...

 唯一、コワイと言えば今も旧犬鳴随道は、犬鳴ダムは実在している...
というコトですね。

 そして、過去から今日まで、この辺りでは何件かの殺人事件があり、それにまつわる噂が絶えない。

 そういった噂とダムに沈んだ村...
を掛け合わせて創作された物語...

 実際に映画の元になった同名の小説があるのだけど、コチラは読んでいないので、完全に映画と同じなのか?その辺はわからない。

 平日の昼間にも関わらず、意外と人が多かったのは、ホラー映画観たさ、というより私と同様、地元民として話題について行こう、そんな気持ちから?

 カップルよりも、若い男性グループ、数名の50代から60代のオバサングループが目立った。
中には、私のように一人で来ているオバサンも?(^_^)




【カネと権力には屈しない】
 キーワードの一つでもある「フタ」

 登場人物が語る、「お上は都合が悪くなるとフタをする」
この言葉が耳に残った。

 まるで、今の日本の政治と一緒じゃないか❗
そう、今も昔も変わらない。
いつの時代も、カネと権力でねじ伏せようとする輩(やから)は居る。


 「われわれは、縄文時代からナニも変わっていないんです」
とは、村田さやかの「コンビニ人間」の登場人物のコトバだけど(^_^)
それだけ見ると、人間は、ほとんど進化していないのかもしれない。


 ダム建設が目的で村人に近づく電力会社の人々...
最後にはカネと力でねじ伏せて...


 私が、この映画はホラーではなくて風刺画だ、というのはそこにある。
作者が、監督が言いたかったのは、カネと権力で弱いものをカンタンにねじ伏せてしまう輩と、目の前にカネを積まれて安易に屈してしまう立場の人間と...

 そして、それらの犠牲の上に豊富な電力が供給されている現代社会、ナニも考えずに当たり前のように電力を使っている我々への警鐘ではなかろうか?
と私は思うのだが...



【実際の犬鳴村、犬鳴ダムは...】
 映画が終わってエンドロールが流れ出したとたん、観客が一斉に立ち上がり出した。

 ちょっと待って...❗
と私は言いたくなった。
それと言うのも、映画で実際に使われたのは実在する旧犬鳴随道ではない。
埼玉県の山の中の、現在は使われていない古いトンネルを使ったセットだ。

 やはり、ココは、実際に中で人が殺された、殺人現場である...
というコトへの配慮であろう。


 しかし、実際の犬鳴トンネルが登場する場面がある。
それが、この、エンドロールなのである。

 ドローンを飛ばして、犬鳴ダムから緑濃い峠へ、そしてトンネル入口を塞ぐ不気味に積み上げられた落書きだらけのブロックが...

 そして、塞ぐならなぜ完全に塞がなかったのか?
と言いたくなるくらい、人がよじ登って入れる程度のすきまからドローンはトンネル内に入って行くところで、画面は真っ白になって映画は終わる。


 かつて、犬鳴ダムが出来る前には、谷底には犬鳴谷村、という村が実在していた。
直方藩から福岡藩へ抜ける道として、犬鳴峠に続く道があり、「養生訓」を書いた貝原益軒も、ここを通っている。

 犬鳴谷村は、江戸時代に福岡藩の足軽を集めて住まわせた村で、ダムが建設されるまで小学校の分校や窯元があった。

 実際にどんな人々が暮らしていて、どのような生活をしていたのか?⬅映画では人々から阻害されて山の中の犬を捕まえてさばいて食べていた、という想定になっているけど...

 そして、ダム建設によって住む所を奪われた村人たちがその後、どうなったのか?⬅映画では、ダム建設の関係者によって殺され、その生き残りが主人公に繋がる血筋として残った、という想定だけど...う、かなりネタバレ?(^_^)



 でも、私たちが毎日、当たり前のように使っている電力を始めとする資源の裏側には、犠牲を余儀なくされた人々の存在が少なからずある...というコトを忘れてはイケナイんだなあ~

 と、その日の帰りに払いそびれてた⬅滞納ではない(^_^)
電気代の振り込み用紙を持って、コンビニで支払いを済ませた私でした(^_^)⬅オチは、ソコかい?(^_^)



 でも、機会があったら、もう一度、ダムの横に佇んで、底に沈んだ村のコトを考えてみたい...
そう思っている。もちろん、夜ではなくて昼間に、ね(^_^)



 エンドロールの山深い緑は、いつも私が見慣れている緑色だった。
そして、外へ出ると青く澄み渡った空が広がっていた...
コメント
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