とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

変わらぬ「アフガン問題」中村哲

2006年05月29日 14時02分21秒 | 地理・歴史・外国(時事問題も含む)
変わらぬ「アフガン問題」 中村哲 

 みなさん、お元気でしょうか。  

 今年もいろんなことがありましたが、アフガニスタンは相変わらず、波乱含みです。

 偶に日本に帰ると、「もう現地はおちついたんですか」と、よく訊かれます。私がびっくりして、「とんでもない。ますます悪くなっている」と答えると、相手も驚きます。「4年前までのタリバン政権時代のほうがマシだった」と言えば、もっと驚かれます。果ては「テロリストのシンパ」などと怪しまれても困るので、それ以上は話さなくなりました。世の話題は移ろいやすく、ニューヨークのテロ事件直後、あれほど官民上げて騒がれた大事なことも、まるで嘘のように水に流されてしまったようです。しかも、誤解や偏見を残したまま、漠然とした不安と危機感だけが残り、猛々しい防衛論や、平和憲法の改正論がもっともらしく横行するのを観るにつけ、寒々と致します。世の中には変えない方が良いものも沢山あり、やたらに改革すれば幸せになるとは思えません。 

 さて現地では、米軍や外国駐屯軍への襲撃は増える、難民の数が減らない、治安は悪い、旱魃は続く、対日感情は悪くなる、人々の暮らしはちっとも良くならない。事実を述べれば余り明るいことは少ないです。おまけに、今年は大洪水と地震が加わり、踏んだりけったりです。4年前、タリバン政権が崩壊して「アフガン復興」が話題になったとき、「アフガン問題は忘れ去られるだろう。しかし、われわれの方針はこれまで変わらなかったし、今後も変わらないだろう」と述べました。事実、パキスタン在住のアフガン難民の数は当時200万人、このうち百数十万人がその後1年で帰還したと伝えられたにもかかわらず、今年の報告では、「今なお300万人がいる」(UNHCR=国連難民高等弁務官事務所)と、不思議な数が報告されています。  「アフガン問題とは、政治や軍事問題でなく、パンと水の問題である」。アフガン空爆の折、私たちは声を大にして叫び続けてきましたが、遂に大きな問題としては知らされませんでした。旱魃は、明らかに年々悪化の兆しを見せています。国土の8割以上を占める農村地帯で、自給自足の村々が確実に消えてゆく。村に住めなくなった人々が職を求めて大都市にあふれ、さらにパキスタンに難民化する。この構図は少しも変わっていません。  

 実は「アフガン再建」はこれからなのです。しかし最早、議論に厭きました。この中で、「誠実に救援活動を継続するだけではダメだ」という意見も耳にします。確かに、現場にいて様々な現実を目の当たりにすれば、一種の焦燥感と悲憤に駆られます。おそらく、「テロリスト」たちも、この現実から無数に生まれてきます。偏見のない報道や、「貧困キャンペーン」など、正しく現実を伝えることも大切でしょう。でも、せめて手の届く範囲くらいは力を尽くして周りを明るくすることは出来ます。私たちPMS(ペシャワール会医療サービス)は、無い知恵をふりしぼり、変わらずに活動を続けています。

★情報は、基本的に地元を良く知っている人から取り入れたいのですが、イラクは、家庭に仕事が出来て時間がなかったので、いまだに、信用できる情報源を確保できず、参っています。

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