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日本資本主義の父、渋沢栄一と貧困!

2010年03月03日 | Weblog
■NHKテレビ「明治の貧困と闘った男」!
 NHK教育テレビは「知る楽 歴史は眠らず」の新シリーズの一つとして、「貧困国家 日本の深層」の放送を始めました。第1回の昨日は「明治の貧困と闘った男」として、日本資本主義の父・渋沢栄一が登場しました。
 「貧困問題の根源を探る」とした今回の企画、NHKのHPは「『格差社会』『ワーキングプア』『派遣切り』-ここ10年、新たなキーワードとともに急速に社会問題となったのが「貧困」である。現在、日本の国民に占める貧困層の割合は先進国中4番目といわれ、改善の兆しは未だ見えない」と解説し、内橋克人氏(経済評論家)が「こうした状況を招いたのには、日本という国のあり方が深く関わっている。近代以降、現在に至るまで政府や大企業が弱い個人を犠牲にする社会構造が形成されてきた」と発言していました。
 また、内橋氏は「自己責任論」の問題を指摘。政府が「自己責任・自助努力」の名の下に貧困の公的救済に消極的で、社会の側にもそれに同調する部分があることが、問題解決を遠のかせている」としています。
 ところで第1回放送で渋沢栄一が登場したことに違和感を感じた人もいたかも知れません。渋沢は「日本資本主義の父」とされる明治・大正期の経済界の大物。単純に考えれば貧困を生み出した一人とも言えるからです。
 しかし、渋沢は実業家として日本に企業・産業を興す一方、生涯をかけて貧困対策に取り組んだ人物。また、鈴木文治の友愛会(大正元年創立)を支援し、労働組合を敵視する多くの経営者・資本家仲間に、労働組合の必要性を説いて歩いた人でもあります。
 人を先入観や一方向からだけ見ていては、人物像を見誤るということでしょう。
                               以上