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「組織拡大は労組の永遠の課題」(「改革者」より転載)

2006年08月03日 | Weblog
■連載「労働運動 新たな再生を願って」の第9回原稿!
 王子製紙による北越製紙へのTOBに関心が高まっていますが、その裏にいる野村證券の動きも注目されます。北越製紙の主幹事証券だったが野村證券が、今回、王子製紙のアドバイザーを務めている姿は、異様です。ノルマ証券の復活でしょうか。
 さて今回は、「労働運動 新たな再生を願って」の第9回で、月刊誌「改革者」2006年1月号から転載したものです。労働運動と非営利投資活動に通底するもの(「人と企業を育む」という想い)を汲み取っていただければ幸いです。
なお、月刊誌「改革者」は総合政策提言誌です。購読希望者は、政策研究フォーラム(℡03-5445-4575)までお願いいたします。
  政策研究フォーラム http://seiken-forum.jp/index.htm

 「組織拡大は労組の永遠の課題」(月刊誌「改革者」2006年1月号より転載)

○減少する組合員
 日本の労働組合員数は一九九四年の一二七〇万人(雇用者総数五二七九万人、推定組織率二四.一%)をピークに減少を続けており、二〇〇四年には一〇三〇万人に減少して、推定組織率は十九.二%まで低下した(雇用者総数五三七一万人)。
 ナショナルセンターである連合(高木剛会長)の組合員数も減少を続けており、一九九四年の七八二万組合員は、二〇〇四年には一〇九万人減の六七三万人となった。その要因について連合は、中小企業や非正規労働者の組織率が著しく低いことなどを挙げている。
 この組合員の減少は、「組合の財政的制約を強め、人的パワーの減少をもたらしてきた。さらには、経営に対する影響力、政策制度実現力等、労働運動全体としての社会的影響力の低下が、労働者の権利・生活軽視の風潮を生み、これらがさらに組織の減少をもたらすという悪循環に陥っている」と、連合は指摘している。
○組織拡大に難航する連合
 連合は「二〇〇六~二〇〇七年度運動方針」で自らの役割を、「労働を中心とする福祉社会をめざすこと」と「不条理に立ち向かい全ての働くものの力の結集軸」になることと規定し、①均等待遇をはじめとするワークルールの確立、②税・社会保障制度の抜本改革、③組織の強化・拡大、を謳っている。
 しかし連合の組織は停滞・減少を続けている。もちろん連合は間断なく組織拡大に取り組んでおり、「組合づくり・第二次アクションプラン21」では、「二〇〇三年一〇月~〇五年九月の二年間で五四万人の組織拡大をめざす」とし、①重点四業種プロジェクト、②オルガナイザーの養成研修、③組織拡大戦略会議・組織化シンポジウム・労働相談実践経験交流会等の開催などに取り組んだ。しかし実績は八二三組合・二二万五千人の拡大に止まり、定年等の自然減などで逆に組織人員は減少を続けている(二〇〇五年・六六三万人)。
 このため連合は、新たに「組合づくり・第三次アクションプラン21」を策定し、活動を強化しているが、組織拡大は難航している。
○組織拡大は労組のミッション
 労働組合の究極の目的は、「組合員がより良く生きる」ことであり、その実現にある。このため組合員を直接構成員とする企業別組合は、「組合員の労働諸条件の維持向上」に取り組み、産業別組合やナショナルセンターは「産業問題への取り組みと組織拡大、基本方針づくりと国民的視点での諸活動(政治活動・国民運動など)」に取り組み、「組合員の生活向上と幸せの拡大」をめざしている。
 しかし、これらの取り組みは経営者や政府・行政との対等な交渉と協力を通して可能になるのであり、そのためには労働組合がきちんとした力量、つまり正しい運動理念と組織力(組合員総数、連帯・団結力、協力度合等)を持たなければならない。ここに労働組合が組織の強化・拡大に取り組む理由があり、それは組合の命であり、永遠の課題と言える。
 だが組織の強化・拡大は極めて困難であり、特に未組織労働者への新規拡大には現実問題として懐疑的にならざるを得ない。労働組合づくりの基本は、労働組合を必要とする人達の自主的な努力にある。組合づくりを厭い、組合活動を経済的・時間的・精神的な負担と感じる人々に、組織づくりへの参加を促すことは難しい。
 そこで労働組合は組織拡大へ地道に取り組む一方、①既存組合の維持・活性化を図る、②組織力を背景に政策・制度要求と政治活動に取り組む、③未組織労働者へのミッション・スクール(布教が目的のキリスト教の学校)の役割を果たす(説明略)べきであろう。
                                以上