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本当の未来がやってくる

 

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                  ヌース理論とシュタイナーの類似点

 

http://web.archive.org/web/20100711051026/http://noos.cocolog-nifty.com/cavesyndrome/2008/02/post_df79.html

世界の終わりと始まりの狭間

 永遠がやってくると、
 世界はすべて点の中に入る。
 なぜなら、永遠の中ではすべての長さは限りなくゼロに近くなるからだ。
 創造はこの限りなくゼロに近い無限小の場所から始まる。

 この大宇宙を点の中に畳み込むこと。
 137億光年をプランク半径と同一視すること。
 ——点が円環を内包したとき、聖母マリアはイエスを懐胎する
 まるにちょんが入るのだ。
 
 そして、君は聞く。
 永遠ってどこにあるの?
 僕は言う。
 目の前さ。
 目の前?
 そう、見ること自体が光であるということに気づいたとき。
 見ること自体が光?
 そう。僕らは光でモノを見ているんじゃなくて、光自体が見ることだということさ。
 ということは、見ることって光速度の中にいるってこと?
 そうだよ。
 じゃあ、遠くの星は今の光なんだ。
 もちろんさ。
 よかった。僕の好きなカシオペア座も今あそこにあるんだね。
 はは、当たり前さ。いつでも「今」なんだから。

 じゃあ、「今」から何をすればいいの?
 たくさんの「今」を集めることだよ。
 そっか、みんなを「今」にしちゃえばいいんだ。
 うん、そうしたら、本当の未来がやってくる。

管理人注:それはすぐにやってくるわけではない。無限小の力と無限大の時間をかけながら雑草がアスファルトを突き破って出てくるように........................

惑星GRIDの地点クリックすると元のサイズで表示します

【地点1】北緯31.72度、東経31.20度:(まず最初にこの地点1が、北緯および東経の双方において31という数に近いという点に注目のこと。)
 地中海のエジプト大陸棚上の地点で、ナイル川河口のマジブ・ラジットとマサブ・グムヤットのほぼ中間地点。ギザのビラミッドはこの地点より南に70マイル、東に5マイルのところにある。この地点は様々な理由から、UVGの交点が自然に北緯31.72度に生じるという事実も含め、論理的な最初の基準点になっている。この地点はまた、古代に地図の中心に据えられたとされているアレキサンドリア図書館のある地から東に約40マイルの場所である。古代の地図がほぼこの地を地球上の他の地点を滞りなく定めるための基準の点と定めていた事実は特筆すべき重要事である
この地点1を通る南北の子午線は昔から最も長い陸地を通っている子午線として知られている。地点1はまた赤道から正確に2160マイルの地であるが、2160マイルとは月の直径であり、またUVGグリッドの3角形の(直角を挟む2辺の)長い方の辺長でもある(訳注:1マイル=1.609km。したがって2160マイル=3475.44km)。もう1つの地点1に関する興味深いことは、我々の惑星の陸地のほぼ中央にあるということである。このこと自体が十分興味のあることであるが、我々は陸地がまだ各大陸に分裂する以前の約2億4千年前にもまた、この地域は原大陸の中心にあったであろうことを理論化することができる。このことは明らかになぜ『エノクの鍵』が大ピラミッドを「世界の中心にある白い玉座」として言及しているかの理由である。
 考古学的に興味深いところはこの地点1周辺地域がアレキサンドリア図書館、ギザの大ピラミッド、ヘロデ王の要塞宮殿、岩の丸天井、エルサレムのソロモン神殿(大工はヒラム)、そしてヘリオポリス含んでいる点である。この地域は何千年もの間西洋文化の重要地点の1つであり、過去の偉大な教師や哲学者たちが多数、学ぶために訪れたり住み着いたりしているということは忘れてはならない。
2006/6/21
「宇宙の年齢」  

https://blog.goo.ne.jp/0345525onodera/e/65728d1ce315a3f9da6b61bf8019e27b


 宇宙には二つの要素が用意されている。一点に収縮するか,無限に膨張するか。今有力なのド・ジッターやフリードマン理論・宇宙は膨張を続ける「インフレーシオン理論」です。僕は素人ですが,素人なりの受け売り理論で考えるとこういうことです。「宇宙が無限に大きいとしたら星の数も無限になるので,宇宙全体から地球に届く星の光によって夜でも空は昼間のように明るいはずである。しかし現実には夜は暗いのは実際に宇宙が膨張しているためと考えられる。後退速度が光の速度を超えてしまう領域からの光は,永遠に地球には届かないので昼のようになることはない。」
 地球が24時間で自転する間に,月は地球と同じ方向に約27日間かけてゆっくりと公転している。この結果,毎日の月の出は,一日の公転分(50分)ずつ遅れる。潮汐の周期もこれに符合して24時間50分間隔となる。いわゆる太陽暦と旧暦(ルナ・カレンダー)の違いとなる。
 ゲームの達人のリンクにある「TOSHIYUKI」さんの統一磁場理論のHP関連に「宇宙の年齢の計算」がある。宇宙は「ハップル定数」に従って膨張しているとされている。ハップル定数Hは,銀河が遠ざかる後退速度Vを,銀河までの距離Dで割った宇宙膨張の係数として求められる。
@H=v/d
現在のハップル定数Hoは,100万パーセク(1パーセク=3.26光年=約30兆キロ)あたり速50キロから100キロ(管理人注:宇宙の膨張速度)とされています。
ハップル定数の逆数(v/d)は「ハップル時間」ともよばれ,宇宙の年齢を算出するのに使用される。宇宙の密度が臨海密度(50センチ立法に水素原子が1個存在)に等しい場合は,宇宙の年齢は
@t::2/3.1/H
で与えられる。宇宙の密度が臨海密度より大きい場合は
@O
小さい場合は,
@2/3.1/H
現在の宇宙密度が臨海密度に近いと仮定して,現在のハップル定数Hoを50(100万パーセクあたり秒速50キロ)とすると,tは,
@t::2*3*10の19乗/3*50::4*10の17乗(秒)::1.3*10の10乗(年)でおよそ130億年となり,現在発表されている,最も古い球状星団の年齢(約150億年)と,ほぼ一致します。
しかしHo=100だと,宇宙年齢はおよそ60億年,Ho=75でも約80億年で宇宙のほうが銀河よりはるかに若いという矛盾が起きてしまいます。ハップル定数Hoはあくまで現在の値であり,宇宙はビッグバン以来,重力によってその膨張速度を鈍らせてきています。
 その減速パラメーターqoは,宇宙の臨海密度soと宇宙の実際の平均密度sと@qo=1/2・s/soという関係にあり,qoが0.5よりも小さいと,膨張は永遠に続き,宇宙は無限の広がりを持ちます。
 1.5より大きい場合は,膨張はいずれ収縮に転じ,宇宙は有限の大きさしか持たない事になります。
 ところが現時点では,ハップル定数Hoは50から100の間と,とても実質的に使える正確さは持っていませんし,減速パラメーターqoの値も,観測的には不確定でしかありません。ビッグバンがどれくらい前の事件なのか,宇宙は有限なのか無限なのか,その答えが出る日を待ちましょう。
 とこんなことです。ですから宇宙の法則で癒しなんてうたっているブログの管理人は一度この計算式を読んでください。ブラックホールだって断言できる天体はなにも発見されていないのです。

3次元空間ではないもう一つの空間~この論文は文鮮明氏を敬愛する多賀千明氏によるもの

3次元空間ではないもう一つの空間

 投稿者:管理人  投稿日:2012年 3月28日(水)23時02分53秒
 
 
  アインシュタインの相対性理論によると,物体が光の速度に近ずくにつれてその物体の質量が重くなるため,どんな推進力を使ってもどんなエネルギーを使っても,光の速度は越えられないことになっている。

1)アインシュタインの特殊相対性理論(光の速度を越える事は不可能)

2)宇宙の広がりは現在観測されているだけの広がりを持った空間であり,その三次元的な距離も宇宙全体の体積も現在観測されている通りである。

3)この宇宙はX・Y・Z(縦・横・高さ)の方向に距離によって広げられた三次元空間である。

 この1)2)3)の定義は世界中の人々が絶対に正しいと確認しているはずである。しかしこの三つの定義の中に一つだけ間違っている所がある。

いかなる物体も光の速度を超えることはできない。しかし,UFOはその230万光年の距離のうち,殆どの距離を一瞬のうちに移動してしまうと聞いたことがある。もしこれが事実なら,現代科学の理論において矛盾したことが起きていることになる。UFOが遠く離れた宇宙から地球に飛んできていること自体は間違っていないとしたら,私たちが絶対に正しいと信じている科学理論のうち,どこかが間違っていることになる。それが3っつの定義であるが一つだけ間違っている。

それは(3)の「この宇宙はX,Y,Zの方向に距離によって広げられた3次元空間である」である。これは理論というよりも,誰一人として疑う余地のない「公理」ともいうべき考え方となっているが,実はこれが間違っている。

見かけ上は3次元とまったく変わらないが,X,Y,Zの距離によって広げられた3次元空間とは全く異なったメカニズムでできた空間が考えられることが分かったからである。そちらの空間では,3次元的に150億光年の広がりを持つ宇宙と比べて,その体積も密度も3次元的な距離もまったく変わらないばかりか,3次元的に移動した時の,周りの風景の移り変わる様子を見ても,3次元空間と全く変わらないように見えてしまう。しかし,そちらの空間では,全宇宙の3次元的な広がりが全て4次元的な広がりに移し替えられている。従って,今「3次元的な距離も全く変わらない」と述べたが,正確には,3次元的な距離から"見かけ上の3次元的な距離”に変換されていて,実際の3次元的な距離ではなくなっている。

そして,そちらの空間では,”見かけ上の3次元的な距離”が存在すると同時に,"次元を超えて移動した時の4次元的な距離”が存在していて,その4次元的な距離は全宇宙のどことどこを結んでも,常にO(ゼロ)に保たれていることが分かったのである。光だったら何十億光年もかけてやっと届くような,見かけ上の3次元的な距離であっても,UFOは次元を超えて4次元的に移動してしまうために,そこに距離は存在しない。そのため,UFOは一瞬のうちに無限の距離を移動することが出来る.......以下は続き......(多賀千明氏による解説)
 

どうやって宇宙人はエジプトに来たのか

https://angel.ap.teacup.com/gamenotatsujin/539.html

私たちの次元で昨日起きたことは
別の次元(四次元)で
それと全く同じことが、今起きている。
私たちの次元で明日起きるはずのことが
四次元で今起きている。(多賀千明)  

管理人注4次元的な距離は全宇宙のどことどこを結んでも,常にO(ゼロ)に保たれていることが正しければ今後Back to the Futureなどのテレポーテーションの研究に拍車がかかるかもしれません。

それに挑戦している先生がいる。神戸大学の松田卓也教授だ

タイムトラベルのパラドックス~記事は中段

http://web.archive.org/web/20170502101409/http://angel.ap.teacup.com/gamenotatsujin/441.html

タイムトラベルのパラドックス

神戸大学・理学部 松田卓也

バックトゥーザフューチャー

タイムトラベル(時間旅行)というのは、多くの人の夢であろう。実際、有名なH.G.ウエルズの「タイムマシン」(1895)をはじめ、多くのSFなどで取り上げられてきた。タイムマシンは時間的に過去や未来へ自由に旅行できる機械のことで、航時機などと訳されている。日本では小松左京の「地には平和を」などがタイムトラベル小説の代表であろう。映画でもいろいろ取り上げられてきたが、代表的なものにマイケル・J・フォックス主演、ロバート・ゼメキス監督の「バックトゥーザフューチャー・シリーズ」があげられる。

 タイムトラベルに関してもっとも有名なパラドックスは「親殺しのパラドックス」である。タイムマシンに乗って、自分が生まれる前の過去にさかのぼり、自分の親を殺すと、自分はいったいどうなるのかという逆説である。「バックトゥザフューチャー」(1985)では、親殺しのパラドックスが少し違った形で登場する。映画ではマーティーという高校生が主役である。彼はマッドサイエンティストのドクが発明したタイムマシンである自動車デロリアン号に乗って過去にさかのぼる。そして、マーティの父と母の高校生時代にたどり着く。父親となるはずの若者は恥ずかしがりで、なかなか母親となる女性に近づけない。それどころか、母親になるはずの女の子は、自分の未来の子供であるマーティーにほのかな恋心を寄せるのであった。両親が結婚しないとマーティーは生まれない。映画では、その危機が迫ると、マーティーの写真が薄れていくというように表現してあった。しかし、こんなことで問題は解決しない。写真が薄れようが、マーティー本人は厳然といるのだから。マーティーは、そこで未来の父親と母親の仲を取り持とうとする。映画ではマーティの努力は実を結び、両親はめでたく結ばれるのであった。

 「バックトゥーザフューチャー2」では、マーティーは今度は未来へと飛ぶ。そこで見かけた「スポーツ年鑑(1950-2000)」を持ち帰る。それで未来のスポーツの結果が分かり、大もうけできると考えたからだ。ところがその年鑑は悪い友達に奪われ、歴史が改変されてしまう。友達が大金持ちになり、マーティーの父親は死に、母親は悪い男と再婚させられる。マーティーは歴史を元へ戻すべく、活躍をはじめる。

未来へのタイムトラベル

 バックトウーザフューチャー2では未来へ行って未来の情報を持ってくるのだが、行くことは必須ではない。未来に自分が行かなくても、居ながらにして未来の情報だけを知ることができれば、未来のスポーツの結果は分かるはずだ。だから競馬などで大もうけできることは確かである。そこで私はタイムマシンを二つに分類したい。人間を含む物体を時間を超えて未来や過去へ送るタイムマシンを物体移動型のタイムマシンとよぼう。それに対して情報を未来や過去に送る機械、これを情報移動型のタイムマシンと呼ぼう。

 タイムラベルの別の分類として、未来へのトラベルと過去へのトラベルがある。このなかで、未来へのタイムトラベルには原理的な問題は存在しない。冷凍睡眠という技術がある。人間を低温状態で保存して老化を防ぎ、未来に再生するという方法だ。ロバート・ハインラインの「夏への扉」というSFは冷凍睡眠を利用して未来へ行き、自分を裏切った恋人と友人に復讐しようと言う話である。SFレベルではなく、不治の病になった人を冷凍睡眠させて、その病気の治療法が開発されているであろう未来へ送り込むことを真剣に考えたり実行したりしている金持ちがいる。これは未来への物体移動型のタイムマシンである。

 未来への情報移動型のタイムマシンとしては、タイムカプセルというものがある。たとえば1970年に開催された日本万国博覧会のときにタイムカプセルが埋められた。最近、保存状況を調べるために発掘されたと新聞記事にあった。また実際、未来へのメッセージを送るためのタイムカプセルを販売している会社も存在する。これは未来への情報移動型のタイムマシンであり、ここに物理的、論理的な問題点は全くないことは容易に理解できよう。問題が生じるのは過去へのタイムトラベルなのである。

ウラシマ効果と双子のパラドックス

 冷凍睡眠やタイムカプセルは、真の意味でタイムトラベルではないと思われる人がいるかも知れない。真の意味で未来へタイムトラベルする物理的方法は存在する。それは特殊相対論によるウラシマ効果を利用する方法である。これは後に述べる、過去へのタイムトラベルでも利用される。特殊相対性理論では、高速で移動する物体に積み込まれた時計は遅れるという効果がある。実際、飛行機に原子時計を積み込んで、この効果を確かめた実験も存在する。大気上空で宇宙線と空気分子が衝突してミューオンという素粒子が発生する。ミューオンの寿命は非常に短く、たとえ光の速さで走っても地上には到達しないはずである。ところが地上でミューオンは観測される。その理由は、ミューオンが光速に近い速度で運動しているために、ミューオンの時計が遅れ、地上から見ると寿命が延びたように見えるのである。そのため地上にまで到達する。このように運動する時計の遅れという現象は、完全に確立した現象である。このことをことさら強調するのは、なかにはこれが常識に反するから間違いであると主張する反相対論論者がいたり、そんな本が出回っていたりするからである。

 ここに非常に高速の宇宙船が存在するとする。それは光の速さの60%もの速さで航行できるとする。その場合、宇宙船上の時計の遅れは0.8にも達する。つまり地上での10年が宇宙船では8年にしかならないのだ。双子の兄弟がいたとして、弟は地球に残り、兄は宇宙船に乗って6光年離れた星まで宇宙旅行をするとする。6光年を光速の0.6倍の速度の宇宙船で行くと、地球から見て10年かかる。しかし宇宙線の兄の時計では8年しかたっていない。兄は目的の星に到着した後、すぐに反転して地球に戻るとする。兄が地球にたどり着いたときに、地球では20年が経過したことになるが、兄の時計では16年しか経過していない。つまり兄が弟より4歳若くなる。これがウラシマ効果である。

 ここで双子のパラドックスについて少し説明しよう。上で述べたウラシマ効果は奇異な感じがする。なぜなら地球に残る弟から見れば、兄は光速の6割で運動して、その時計が遅れるかも知れないが、兄から見れば、地球と弟が反対方向に光速の6割で運動していることになるので、時計が遅れるのは弟のほうではないかという疑問が生じる。ポイントは兄が目的の星で宇宙船の方向転換をするところにある。この時点で兄とそのロケットは大きな加速運動をする。そして大きな見かけの重力を感じる。しかし弟と地球は、兄の方向転換時に加速運動をしないし、見かけの重力も感じない。つまり兄と弟は完全には相対的ではないのである。双子のパラドックスの解説に関しては、本書の佐藤勝彦さんの解説を参照のこと。私は雑誌パリティの「相対論の正しい間違え方」と題する連載記事で双子のパラドックスを詳細に解説している。(松田卓也、木下篤哉、2000年03,04号)

 さてウラシマ効果を用いれば、未来へのタイムトラベルは可能であることはすぐに分かる。先の例では、兄は16年しか経過していないのに、20年先の地球にたどり着いた。ロケットの速度を上げたり、行き先の星までの距離が増えると、ロケットと地球の時間差は、原理的にはいくらでも大きくすることができる。浦島太郎が竜宮城から戻ってみると数百年たっていたという話は、原理的には不可能ではない。竜宮城は海の下ではなく、遠くの星にあったのではないだろうか。

ブラックホールとワームホール

 未来へ物体や情報を送り込むことに、なんの原理的問題もないことが分かった。問題は過去へ物体や情報を送り込むことである。これは一見不可能であるように思えるが、原理的には可能であると主張する物理学者もいる。その中でも有名なのは、アメリカの相対論の大御所であるキップ・ソーンである。彼はワームホールを用いたタイムマシンを1988年にフィジカル・レビュー・レターズ誌で提案した。

 一般相対性理論はブラックホールという奇妙なものの存在を予言する。これは重さの割には大きさが非常に小さなもので、重力が非常に強くなる。そこで光すらも、そのものから外へ出ることができなくなる。だからブラックな穴(ホール)なのである。ブラックホールは一般相対論がその存在を予言した非常に奇妙な存在ではあるが、宇宙にはたくさん存在していると考えられている。実際、X線星や活動銀河の中心核のいくらかはブラックホールの候補とされている。
 一般相対論はブラックホールのほかにホワイトホールというものも予言する。これはブラックホールとは逆に、重力はあるのに、何者もその中に落ち込めないと言う、さらに奇妙な存在である。もっともホワイトホールは理論的には存在しうるが、実際的には存在しないと言うのが普通の考えである。それはたとえば、熱が低温から高温に自然に流れることは、エネルギーの保存則とは矛盾しないと言う意味で、原理的にはあり得ても、実際的にはほとんどないのと同じことである。

 さてそのブラックホールとホワイトホールをつないだものはワームホールといわれる。ブラックホールに飛び込んで、ホワイトホールから出ると、別の宇宙へ飛び出すことも原理的には可能である。

キップ・ソーンのタイムマシン

 普通ブラックホールには事象の地平面というものがある。これがあるワームホールは、問題のタイムマシンには使えない。なぜならワームホールを抜けることができないからだ。そこで何らかの方法で負のエネルギーを作り出すことができたとすると、事象の地平面のないワームホールを造ることが原理的にはできる。このワームホールは宇宙のある地点と、同じ宇宙の別の地点を結ぶトンネルのようなものである。宇宙を普通に航行すると、とても距離が遠いのに、ワームホールを通過すると、非常に近いということがある。SFによく使われるワープ航法というのは、このようなワームホールを使ったものが考えられる。宇宙船の速度は、ワームホール内では光速度を超えないとしても、外の宇宙から見ると、光速度を越えているように観測される。これは実は重大な問題で、後で述べるように、光速度を越えることが可能なら、タイムマシンが作れるのである。

 ソーンによるタイムトラベルの方法は、ウラシマ効果を利用するものである。何らかの手法で、負のエネルギーを作り、事象の地平面のないワームホールを造る。その一つを地球にとどめておいて、もう一方を高速度で宇宙旅行させ、遠くの星で反転させて再び地球へ戻す。するとさきほどのウラシマ効果のために、宇宙旅行した方のホールは時間があまりたっていない。そこで実験者はそのホールに飛び込み、地球においてあったホールから出てくる。すると過去へ戻れるというのである。

 この考えにはもちろん強力な反対もある。ソーンとならぶ相対論学者として高名な、英国のスティーヴン・ホーキングはその一人である。彼は時間順序保護仮説なるものを唱え、ソーンの言うようなタイムマシンはたとえできても爆発してしまって機能しないと述べている。

負のエネルギーとワームホール

 その問題を回避したとしても、ワームホールを造るには負のエネルギーが必要である。エネルギーがゼロである空間から正のエネルギーだけを引き出すことはできない。負のエネルギーとともにならば、エネルギー保存則に矛盾しないで、原理的には引き出すことができる。負のエネルギーというのは、質量が負であるから、重力が引力ではなく、反発力になるのである。そのためにブラックホールの事象の地平面ができるのを押さえることができる。ここで言う負のエネルギーはインフレーション宇宙論で現れるものとは異なる。

 負のエネルギーは実際、1948年にオランダのカシミールによって発見されたカシミール効果によって、その存在が確認されている。帯電していない2枚の平行な金属板を置くと、それが引き合うという現象がある。平行板の間の真空に揺らぎが生じて、空間のエネルギー密度が負になったと考えられている。平行板の間隔が狭いほど引き合う力も大きい。実はここが問題になるのである。つまり大きな領域で大きな負のエネルギーを作ることはできない。量子論に特有の、ハイゼンベルクの不確定性関係とある意味で似ている。

 負のエネルギーを作る別の方法として、スクイーズド真空状態を利用する方法がある。これは強力なレーザー光で物質を励起して一対の光子を作り出す。この光子が真空の揺らぎを押さえて、空間に正エネルギー領域と負エネルギー領域を作り出すというのである。ここでも問題は、負のエネルギー領域を作ると、必ずそれに対応した、あるいはそれ以上の正のエネルギー領域ができてしまうことだ。負のエネルギーを、そう都合良く作り出すことはできそうにもない。
 
超光速通信

 以上の話は、物体を超光速で運ぶとか、過去へ運ぶ話であった。先に述べたように、情報だけを超光速で運んでも、タイムマシンを作ることができる。その可能性について述べる。情報を運ぶ最も速い手段は光、電磁波である。光の速さは光速と決まっているようなものだが、そうではないという実験がある。それはドイツのニムツ教授による1992年の実験である。マイクロ波を発生させて、それを二つに分離する。一方は空気中を伝わって検出器に届くが、他方は障害を通過して届く。電波は障害を波の形では通過しないが、量子力学で知られているエバーネッセント領域の中を通過する。量子力学的に言えば、光子がエバーネッセント領域をトンネル効果で通過したわけだ。ところがこの光子の速度が光速度を超えているという。この実験はその後、世界のいろいろのところで追試されて、現象自体は確認されている。その速度は実験によっては、光速の1.7倍であったり4倍であったりする。

 さて問題は一つの光子が光速度より速く伝わったかどうかではない。量子力学的に言えば、それは不確定性関係の範囲で可能である。問題は情報を光速度より速く伝えることができるかどうかである。情報を伝えない超光速はいくらでもある。サーチライトのビームを回転させる。そのビームの当たったところは、光の点が通り過ぎる。この光の点の速さは、それが到達する距離を大きくすれば、いくらでも大きくできる。こんな超光速はなんの情報も運ばないので、タイムマシンにすることはできない。先の実験で電磁波が超光速で伝わったとして、問題はその速度が位相速度か群速度かということである。情報を運ぶのは群速度だからだ。位相速度は光速より速くなったとしても、群速度がそうならない限り、情報を超光速では運べないのである。

 NHKでも放映されたBBCの「タイムマシン」いう番組があった。ここではソーンがキャスターになって、彼のタイムマシンのアイデアを話し、ホーキングも出ていた。また負のエネルギーの実験も紹介された。その番組でニムツ博士も登場して、彼の装置を見せた。同じような実験をしたアメリカ系中国人のチャオ博士は、超光速現象は認めるものの、それは情報を運べないとする立場を述べた。それに対してニムツ博士は、マイクロ波にモーツアルトの交響曲第40番を載せて、それを障害を通過させた後、録音した。その音楽をパナソニックのテープレコーダで再生しながら、「モーツアルトはアメリカ人には情報ではないかも知れないが、ヨーロッパ人には情報である」という皮肉で応対した。

 この問題に関しては国際会議なども行われ、いろいろ議論されているようだが、決着はついていないと思う。もっともこの現象を利用して過去に情報を送ろうとすると、ニムツ博士も認めているように、地球からアンドロメダ銀河まで障害物をおいて、そのなかを電波を伝わらせる必要があるという。全くナンセンスである。ここでも分かることは、仮に過去に情報を送ることができたとしても、非常に近い過去、たとえば100億分の1秒前とか、であろう。意味のある過去に情報を送ろうとすると、非常に長い障壁を必要とするので、それを通過するには巨大なエネルギーが必要になる。負のエネルギーの場合と同様に、意味のある超光速を得るには、非常識に大きいエネルギーを必要とするのである。

熱力学第二法則と時間の矢

 ソーンのタイムマシンを含め、今までに提案されたすべてのタイムマシンには、時間の矢の考察がないことが筆者(松田)と東北大学の二間瀬敏史には不満であった。それで我々はタイムマシンに関する独自の考察をした。それを以下に紹介しよう。

 そもそもタイムマシンに意味があるのは時間に方向があるからだ。時間は過去から未来に流れると感じられる、いわゆる時間の矢が存在する。人間は過去の出来事は変更できないが、未来の出来事は自由意志で選択できると信じている。昨日の夕食のメニューは変更できないが、今日の夕食に何を食べるかは自由である。過去の記憶はあるが、未来の記憶はない。

 いっぽう時間と対比して空間には、前も後ろも右も左も区別なく行くことができる。つまり空間はその方向に関して対称的である。しかし時間は後ろに進むことができず、常に前進しかない。タイムマシンがあれば強力だと思われるのは、このように時間に方向性があること、つまり時間が非対称的だからだ。時間を逆行できるタイムマシンができたら、昨日の夕食のメニューを変えることができるかも知れないのである。

 先に述べたように人間の意識に関しては、過去と未来には圧倒的な非対称性がある。これを意識の時間の矢と呼ぶ。人間の意識だけではない。人間の歴史も、地球の歴史も宇宙の歴史もしかりである。これを歴史的時間の矢とよぶ。

 時間の過去と未来の非対称性(時間の矢)の原因に関しては、19世紀のボルツマン以来、長い研究と論争の歴史がある。今までの多くの議論は時間の矢の原因を、熱力学第二法則に求めるものであった。熱力学第二法則とは、熱は高温から低温の方向に流れ、その逆は自然には起こらないというものである。「自然に」というところが重要である。冷蔵庫では熱は内部の低温部から周りの高温部に流れているが、それは電力を供給して冷却器を動かしているからである。

 熱力学第二法則は明らかに時間の過去と未来を区別する、つまり時間の矢を導入する。この法則は他の物理法則と比べて異質である。熱力学第一法則とはつまりエネルギー保存の法則であり、これは自然界の基本法則であると考えられている。この法則をなにか他の法則から導出することはできない。それに対して第二法則は、他の物理法則から導出可能ではないかと考えられてきた。ボルツマンはそれをニュートン力学から導こうとした。しかしそれは多くの批判にさらされて成功しなかった。しかしボルツマンの研究を契機として、その後さまざまな研究がなされ、決着を見ないままに現在に至っている。熱力学第二法則は、他の法則から導出できない基本法則なのか、導出可能な二義的な法則なのか。多くの物理学者は後者の立場をとっている。

 なぜなら、物理法則の基本法則はほとんどが、時間対称的なのである。ニュートン力学、電磁気学、相対性理論、量子力学すべてそうである。時間対称とは、難しく言えば、時間の方向を反転しても、物理法則を記述する方程式は形を変えないことである。わかりやすく言えば、ある現象をビデオで撮り、それを逆回しにしても、そのビデオの映像は不自然ではないということだ。たとえば太陽を回る惑星の運動がある。それをビデオに撮り、逆回しして、太陽系を知らない宇宙人に見せたとしたら、特に異を唱えないであろう。つまり物理の基本法則には時間の矢はないのである。

 しかしガラスコップが机の上から落ちて粉々になる現象、たばこの煙が広がっていく現象、これらをビデオに撮り逆回しすると、明らかにおかしい。宇宙人でもそのおかしさはすぐに分かるはずだ。これらの現象に熱力学第二法則が関与しているのである。基本法則はすべて時間対称なのに、第二法則が関与する現象は、時間非対称的である。そして我々の身の回りでおきる現象の多くは、ビデオを逆回しすると不自然な現象、つまり時間の方向がある現象なのだ。

波動の矢

 時間の矢を示す自然現象として、もう一つ重要なものに、波動の矢がある。放送局のアンテナから電波を放出すると、その電波は「未来の方向に向かって」広がっていく(これを専門的には遅延波とよぶ。)決して過去の方向に向かって広がっては行かない。何を当たり前のことをと言われるかも知れない。しかしこれが当たり前ではないのである。先に述べたように電磁波を記述するマクスウエルの方程式は、時間に関して対称的である。すると未来に向かって広がる電磁波もあれば、過去に向かって広がる電磁波(先行波とよぶ)も同様にあってよいはずなのだ。過去に向かって広がるとはどういうことか。水の波で考えよう。水面に石を落とすと波紋が広がっていく。そして池の縁に達すると一部は反射し、一部は吸収されるであろう。これをビデオに撮り逆回しすると、池の周りから波がある一点に集中してくるように見える。これがつまり過去に向かって広がる波を、過去から未来の方向に向かって眺めた様子である。ところでこんな現象は、普通はないのである。マクスウエル方程式からは、先行波を排除する理由はないのに、自然界には存在しないのである。放送局のアンテナから放出された電波の大部分は宇宙に向かって広がっていく。もし先行波があれば、宇宙のかなたから電波が地球に集まってくることになるのだ。なぜ自然界に先行波が存在しないのか。それは熱力学第二法則から導かれるという説、それとは独立だという説などある。

松田・二間瀬のタイムマシン

 先にも述べたように、ソーンたちのタイムマシンには、時間の矢の考察が入っていない。もし時間の矢を考えないのなら、実はタイムマシンなんて比較的簡単に作れるのである。一つの電子を考える。これは過去から未来へと存在している。ところが電子が未来から過去へと存在したらどうなるか。それは我々の目からは陽電子と見えるということが素粒子論の知識から分かっている。陽電子、反陽子に代表される反粒子は、実はタイムトラベルしている普通の粒子であると解釈できるのである。

 そこでタイムトラベルするデロリアン号を作るには、反粒子を集めて作った反物質を材料にして、反デロリアン号を作ればよいのだ。反デロリアン号が過去から未来に存在することは、デロリアン号が未来から過去へとタイムトラベルしていることと解釈して問題はない。デロリアン号をタイムトラベルさせるには、具体的にはこうする。粒子加速器を用いて大量の反陽子、反中性子をつくり、それを集めて反原子核をつくる。それに陽電子を加えて反原子をつくる。反水素のほかに反鉄とか反ゴムなどもつくる。これらを集めて、もとのデロリアン号D1にそっくりのデロリアン号D3と反デロリアン号D2をつくる。このとき、D2とD3は対生成で作ったので、構造などは全く同じだが、材料はD3が物質、D2が反物質という点だけ異なる。反デロリアン号D2を他の物質と接触させないように大事に保管しておく。そして未来のある時点でデロリアン号D1と接触させる。物質と坂物質が接触すると、対消滅のため大爆発してエネルギーになってしまう。こうしてD1とD2は対消滅する。

 さてこれでタイムトラベルはできたのだ。どういうことかというと、デロリアン号D1が未来のある時点でタイムトラベルをはじめD2となる。それが過去のある時点で、タイムトラベルを中止して普通のデロリアン号D3になる。こう考えると、デロリアン号がタイムトラベルしたと解釈できるのである。

 ここで読者は疑問をもたれるであろう。そんなのはタイムトラベルではない。マーティーはどうしたと。そうマーティーをタイムトラベルさせるには、マーティと反マーティーを作らねばならないのである。そんなことができるわけはない。フランケンシュタインじゃあるまいし人権に反する。人間では問題が大きいので、ロボットで話をしよう。人間同様の知能があるロボットができる時代の話だ。そうするとロボットと反ロボットを作ることは、原理的には問題はない。

 しかし、このロボットのタイムトラベルは実は、魂のないロボットのタイムトラベルなのである。魂をタイムトラベルさせなければならない。具体的に言えば、未来から来たマーティーは未来の記憶を持っているのである。ここが重要な点で、先の知能のないデロリアン号とは本質的に違う点だ。タイムトラベルしてきたロボットには未来の記憶がなければ、常識的な意味でタイムトラベルしたと言うことはできない。

 そこでロボットに未来の記憶を持たせなければならない。どうするか。それは未来を予測してロボットD2の人工頭脳に入れておくのである。そうすると未来から来たと称するロボットD2は、未来はかくかくしかじかであるということができる。嘘臭い話しと思われるかも知れないが、矛盾はないのである。その未来予測が当たるかどうか。それは時間スパンが短ければ短いほど、良く当たるであろう。タイムトラベルするロボットが、狭い環境に閉じこめられて外界の影響が少ないほど、未来予測は当たるであろう。

 つまり松田・二間瀬流のタイムトラベルは、短期間、狭い場所に限定すればするだけ成功率が高くなるのである。ここにもハイゼンベルクの不確定性関係に似た関係が成立する。タイムトラベルの時間間隔をのばそうとすると、それだけ投入するエネルギー量を増やす必要がある。

 冷蔵庫は熱を低温から高温に流し、熱力学第二法則の時間の矢を逆転させているという意味では、一種のタイムマシンなのである。広い部屋を冷却するには、より多くのエネルギーが必要である。その関係と同じことなのである。私たちの主張は、タイムマシンを論じるには、時間の方向、つまり時間の矢のことを考えなければ意味がないということだ。

 タイムマシンを考えると言うことは、時間の本質を考えると言うことで、物理学だけでなく、生物学、脳科学、情報科学、哲学とも関連する実に奥の深い問題である。 


科学朝日原稿・「時間の矢」
                     
時間についての常識と、物理学における非常識

われわれは現在、過去、未来など時間に関してのさまざまな概念をもっている。しかしこういった概念は、現代の物理学と調和させるのが難しいといったら、驚かれるであろうか。

常識では、過去は過ぎてしまったことで、それを変更することはできない。未来はまだ存在していないので、自由意思によってある程度は変更できる。昨日の夕食は変更不可能だが、明日の夕食はどうとでも決めることが出来る。過去の記憶はあるが、未来の記憶はない。このように過去と未来は対称的ではない。この一見、自明と思われる事実も、物理学においては自明ではないのである。

時間は過去から未来のほうに向かって流れていくと、われわれの常識は告げている。この時間の非対称性をさして、英国の天文学者エディントンは「時間の矢」とよんだ。光陰矢の如しというくらいだから、時間の矢とはなかなかうまいネーミングである。時間の矢を物理学的にどのように説明するのか、というのが時間論の最大の問題である。

ニュートン力学の時間対称性

まずは、物理学の基本であるニュートン力学から考えてみよう。ニュートンの運動方程式において、時間t を-tに置き換えたとしても、運動方程式の形は変わらない。時間を含む部分が二乗の形になっているからである。このことをさして、ニュートンの運動方程式は時間反転に対して不変である、あるいは時間対称であるという。

ニュートンの運動方程式で記述される、例えば振り子の振動を考えよう。ここ では振り子に働く空気の抵抗とか、軸受けの摩擦は考えないとする。すると振り子は永久に振動を続けるであろう。この様子をビデオに撮り、それを逆回しする。ビデオを見ただけでは、それが順送りか逆送りかをいうことはできない。どちらの運動も自然だからである。つまりビデオを逆回ししたような運動も、ニュートンの運動方程式の解になっている。このことからして、ニュートン力学では過去と未来は対称的であり区別はつかず、時間の矢は存在しない。

しかし、空気の抵抗や軸受けの摩擦を考えると事態は異なる。振り子の振動は、もしゼンマイのような動力源がないのなら、やがて停止するであろう。そのようすをビデオにとり、逆回ししたら、それが異様であることはすぐわかる。止まっていた振り子がだんだんと大きく振れだすからである。この現象には、摩擦とか抵抗といったものが関与している。それはあとで述べる熱力学第二法則と関連している。熱力学第二法則まで考えにいれると、時間の方向性が発生する。そのことを、熱力学的時間の矢という。

ここで問題ととなるのは、空気の分子までニュートンの運動方程式にいれて解けば、それは完全に可逆(時間対称)であるはずなのに、どこで非可逆性(時間の矢)が入り込むのだろうかということだ。

その他の基本法則の時間対称性

ここまではニュートン力学について述べたが、事態は特殊相対論、一般相対論になっても変わりないのである。つまりアインシュタインの方程式も時間対称になっている。一般相対論で現れるブラックホールというものがある。これを時間反転したものはホワイトホールとよばれている。

ニュートン力学とならんで古典物理学のもうひとつの柱に電磁気学がある。その基本はマクスウエルの方程式である。この方程式も時間反転に対して不変になる。このことを分かりやすくするためには、電磁波の伝播を記述する波動方程式を考えると、これは2階の偏微分方程式である。この波動方程式を解くと、二種類の解が得られる。それを遅延解と先行解とよぶ。

池に石をなげいれると、波紋が外に向かって広がる。これが遅延解である。この様子をビデオにとり、それを逆回ししてみると、池の淵から波紋が、ある一点に集中してくるように見える。これが先行解である。先行解は過去に向かって波動が伝播していくと解釈することもできる。遅延解と先行解はそれぞれ、おたがいを時間反転したものになっている。遅延解も先行解も、波動方程式の解として、数学的にはどちらも許される。しかし、現実には先行解はない。もし電波の先行解があれば、過去に向かって通信を送ることができ、さまざまなタイムパラドックスを生じる。先行解を捨てて、遅延解をとるのは経験的な理由であるが、これを波動の時間の矢とよぶ。

ここまでは古典物理学であった。量子力学でも基礎方程式であるシュレディンガーの方程式は、時間対称である。電子の運動を記述するディラックの方程式も時間対称である。電子を考える。これを時間反転したもの、つまり時間を逆行する電子は、電子の反粒子、つまり陽電子とみなせる。このことはCPT定理から出てくる。

以上をまとめると、ニュートン力学、電磁気学、相対論、量子力学、いずれをとっても、その基本方程式は時間反転に対して不変であり、時間対称的である。つまり時間の過去と未来の区別は、理論そのものからはでてこない。

熱力学第二法則と熱力学的時間の矢

物理学の法則としては、もっと経験的なものも存在する。熱力学第二法則がその例である。「熱は温度が高いほうから低い方へ流れる、その逆は自然には発生しない」という経験事実を定式化したものが、熱力学第二法則である。もちろん冷蔵庫やクーラーでは、熱を低いほうから高い方へ流すことができる。これは系が孤立していなくて、外部から手を加えているからである。熱力学第二法則は、厳密に言えば孤立系、つまり外界との物質やエネルギーのやり取りのない系で成立する。熱力学第二法則は熱の流れのほかに、たばこの煙の拡散現象、摩擦現象などにも適用される。熱力学第二法則は、非可逆な現象、つまり時間的に非対称な現象を記述している。このようにして現れる時間の非対称性を熱力学的時間の矢とよぶ。

熱力学第二法則を、もっと定量的に述べたものがエントロピー増大の法則である。エントロピーとはクラウジウスという19世紀の学者が導入した熱力学的量である。これを用いると、熱力学第二法則は「孤立系のエントロピーは増大する(減少しない)」と言い表す事ができる。

ボルツマンによる熱力学第二法則の「証明」 19世紀末、オーストリアの物理学者ボルツマンは、熱力学第二法則を気体の分子運動にニュートン力学を適用することにより証明しようと試みた。そして一見成功したかにみえた。ところが、その証明の問題点をさまざまな人により批判された。

ボルツマンは統計力学を創始して、つぎのような結論に達した。エントロピーは確実に増大するのではなく、統計的に増大するのであると。つまりエントロピー増大の可能性は減少の可能性よりも圧倒的に高いと。そこで生まれたのが、ボルツマンによる有名なエントロピの定義式S=klogWである。ここでS,k,Wはエントロピー、ボルツマン定数、場合の数である。

こうすると、低エントロピー状態とは場合の数の少ない、特殊な状態である。一方、高エントロピー状態は場合の数の多い、ありふれた状態である。だから初期に特殊な低エントロピー状態にあれば、その後はありふれた状態に移る可能性が高いのは当然であろう。

しかし問題は、それではなぜ、初期の状態が低エントロピー状態なのか、ということである。それは宇宙が熱的に非平衡であり、そのような低エントロピー状態が用意できるからである。つまり問題は宇宙論にまで立ち入らねばならない。

進化の時間の矢

熱力学第二法則によれば、世界の状態はエントロピーの低い状態、つまりより整然とした秩序だった状態から、エントロピーの高い状態、つまりより秩序の無い状態に向かうはずである。ところが宇宙を見ると、宇宙初期の一様な状態から、銀河や星がうまれ、そのなかで惑星が生まれ、地球という惑星の上で生命が誕生した。生命も単純な単細胞生物から多細胞生物へ、低級な生物から高級な生物へと進化した。そして人間がうまれ、社会ができた。社会も単純な原始社会から、高度に発展した社会へと進化してきた。これらの事実は、エントロピーの増大というよりは、むしろ減少を思わせるものである。つまり宇宙全体のエントロピーは増大していくはずなのに、われわれのまわりではエントロピーはむしろ減少している。このような進化の方向を、進化の時間の矢とよぶ。これは、熱力学的時間の矢と矛盾しているように見える。

ベルギーのノーベル賞物理学者プリゴジンたちは、熱平衡から離れた系における熱力学、つまり非平衡系の熱力学を展開し、そこでは秩序があらわれることをさまざまな例からしめしている。問題は、われわれのまわりが熱的に非平衡であるということだ。そうであるからこそ進化がおこり、さまざまな複雑なものが発生しうるのだ。

宇宙論的時間の矢

われわれの回りがどうして熱的に非平衡かという疑問をつきつめていくと、宇宙の始めにまでたちいたる。宇宙の始まりは、高温、高密度の物質と光が一様に分布していた。通常の熱力学の常識では、この状態は熱平衡のはずである。すると、それ以上エントロピーは増大しない、いわば終局的な状態のはずである。ところが重力まで考慮に入れると、この状態は熱平衡どころか、それからもっとも隔たった状態なのである。重力まで考慮にいれた重力熱力学では、物質の密度分布は一様より非一様のほうがエントロピーが高いとされている。その究極はブラックホールである。宇宙は時間がたつにつれてブラックホールがごろごろある状態に進んでいくが、現在はその終局的状態からははるかに離れている。つまり熱 的非平衡な状態なのだ。このことが、地球、生命、社会の進化の根源的な理由である。

結論をいえば、物理の基礎法則は時間対称であっても、その方程式にかせられる初期条件、境界条件といったものが時間非対称であるので、時間の矢が発生するのである。もっとはっきりいえば、宇宙の初期状態が、熱平衡から隔たっていたからである。

世に擬似科学の種はつきまじ

筆者は科学朝日の4月号で、相対論は間違っているとする擬似科学説のいくつかを具体的に批判した。ところがそれが出版される前から、筆者のその議論を批判する本が出版されるしまつである。なんのことはない、筆者の文は擬似科学本の宣伝になり、かれらの飯の種になってしまっている。擬似科学者には、フリーライターといった人のほかに、物理学でない分野の大学教官も交じっている。かれらは専門書を勉強するのではなく、啓蒙書を読んで、それを誤解して、その誤解した理論を攻撃するというのがひとつのパターンとなっている。

最近、熱力学第二法則を批判する擬似科学書もでた。しかも筆者の本を半分読んで誤解して、批判しているのである。もっときちっと読んでから批判して欲しいなあ。でも具体的に筆者が反論すると、また疑似科学の飯の種になるのでこれで止める。パソコン通信のニフティサーブの科学フォーラム物理会議室、SFフォーラム超科学会議室、インターネットのfj.sci.physicsには、これら疑似科学本を批判する文が山のように投稿されている。日本の若者の良識は健在である。オウムばかりが理工系エリートの集まるところではないのである。

管理人注:

ある飛行機がレーザーから10分間消えて戻った例

太陽フレアによって潮汐力が働き,10分間のエーテルの空間が物質化し地上のレーダーから姿を消し,時間の此岸から彼岸が物質化したためその時間は身動きが出来なくなり,10分後に開放されてレーダーに写った時飛行機の飛行距離はゼロであり,パイロットの時計だけ10分遅れていたと説明できるでしょう。

 エーテル(Aether)はイーサー(Ether)とも呼ばれた。電磁波の媒質としてのエーテルの仮定は否定されても,空間そのものがエーテルであれば空間の物質化は可能である。エーテル空間と虚数空間は同一である。虚質空間も存在する。虚数の虚数乗は常にマイナスでもある。
アリストテレスが第五の元素として仮定した「エーテル」という物質はアインシュタインによって否定された。幽体離脱に関しては物質が三次元(実次元)であれば,虚次元での虚質があると考えられる。サイ現象では三次元と虚次元とは次元が違うので,同一空間を共有できることになる。霊魂は虚次元であるから実次元(三次元)と空間を共有できることになる。虚数を虚数乗するとマイナスになる。こんなとこから紐解いて行くと面白いかもしれない。

シンクロニシティと共時性

https://blog.goo.ne.jp/0345525onodera/e/1c1b0cd7dd8e325ff1e904a61bb244dd

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