『アロマステンド』

今日は私とステンドグラスのお話です。

こういうことをやっています、と人にお話すると、「昔から興味があったの？」とか
「どうしてやろうと思ったんですか？」と時々聞かれます。
そもそも私はステンドグラスには何にもというか特に興味はありませんでした（笑）
「ああ教会とかにあるやつだよね？あとはランプとか～」ってその程度。
ガラスで出来ている・・・それ以上のことは何も考えたことありませんでした。
ただ「ガラス」製品・作品そのものは昔から好きで、眺めたり手に取ったりしていました。


大学で就職活動をするようになって、自分が何がしたいのか、どうしていきたいのかをすごく考え
人にリラックスを与えるような仕事が好きかもしれない・・・ということを突き詰めて色々探した結果、
当時広まりだした「アロマオイル」を使ってマッサージやセラピーなどを行う、アロマセラピストになりたい！
そう思うようになりました。
それで企業に就職する、という活動を一切止めてしまい、アルバイトしながら専門学校に行くお金をためる！
どっかのサロンで働かせてもらう！などと考えていました。



そう決意したものの、どこかで迷いもあって、大学のゼミの先生に思っていることを
洗いざらい全てお話させてもらったところ、この先生はとても寛大で優しい方だったので、
闇雲に否定したり難色をしめしたりすることはありませんでした。
一通り私の話を聞いた後、先生はこうおっしゃってくれました。

「私の目指す道は素晴らしいと思うけど、やはりアルバイトというのは身分の保証というのも低いし（※当時）ボーナスもなければ有給というものもない。体を壊してしまったら何の保証もない。あなたのやりたいことは色んな世代のお客様と接する仕事なのだから、一度会社というものに就職してみて、そこでいろんな人と会いながら社会勉強をしてみてはどうだろう？アルバイトよりかはまとまったお金も手に入るし、貯金もしやすいでしょう。会社勤めなんて、と今は気が進まないでしょうが、まあ最低限ここなら働いてもいいか！というような職種を見つけてまずは働いてみて、そこからまた考えても遅くはないのでしょうか？」と優しい声でお話してくださいました。


このお話にすっかり感化され（笑）
目の前の雲がさっと晴れた、実に爽快な気分になって再び就職活動に専念したのでした。
今思うとわが大学の就職率をこれ以上下げないための先生なりの策だったのか？と勘繰りたくもなりますが（笑）
道が開けたことには間違いないのでいーんですどっちだって（笑）


そうしてやっと決まった会社・・・全然接客業じゃなかったけど（笑）
小さなソフトウエアの会社になんとかもぐりこんで、ようしお金が貯まったらアロマセラピーの道に行くぞ！
と思ってたんですが・・・・・思ってたのは最初の1ヶ月位（笑）もうとにかく仕事を覚えるのでいっぱいいっぱいだったし、
それに何より同期や先輩に恵まれたので毎日楽しくて楽しくて。
会社入って楽しいとかお酒はもう飲めないのかとか心配してたのが嘘みたくひたすら飲んだくれてました（爆笑）!!


そんなこんなでアロマのアの字も忘れた日々が続き、興味もすっかり失せてました。
足ツボマッサージなどが流行りだしたこともあって、どちらかといえばやるよりやって欲しい方に回ってました。




入社して3年が過ぎようとした頃から、だんだん会社の方針についていけなくなったり、
自分の仕事できなさ加減に心底ウンザリしたりなどと、色んなことでモヤモヤする日々が続いてました。
「・・・仕事ヤダなー会社辞めたいなー・・・」と思っても、資格もなければ特技もありません。
自分に誇れるもの、自信のあるものが何一つありませんでした。
転職しようにも、したい仕事も見つからないのです。
何にも持ってない子が他の会社行ったって採用してくれるわけないじゃん。
そんな負のループにどっぷりハマってました。
一方で、もしかしたらたまたま今なんとなく気分が乗らないだけで、もう少ししたら気持ちも変わるかも・・・？
思い直してやり過ごしてみましたが、日に日に憂鬱さが増してくるだけでした。



夏が終わり秋が来る頃には真剣にもう会社がイヤになっていて、
再び自分がしたいことって何なのかな、何することが楽しいのかな、とまた考えるようになりました。
（アロマセラピーへの道はもう薄れてました）
その結果、私はモノ作りの人になりたい。
何か自分の手で創作して、目に見える形として残したい。
そういう思いがどんどん強くなってきたので、とりあえず自分の興味のある世界をかたっぱしからネットで探してみることにしました。
絵や文章というよりかは私は工芸方面に特に惹かれてましたので、思いつくままひたらすら検索かけてました。
ああ出るは出るは色んな世界が（笑）

あれこれと目移りするなかで、ちょうどこの頃友人のサイトで昔のガラス食器の画像を見ていて、
それが可愛らしくて良い感じだったので、ああガラスを透して光を見るのって好きだなぁ・・・と思い出して
「ガラス」と検索したところ、ガラス工芸系の様々な検索結果が出た中で、
ポン、と「ステンドグラス」というのに目が行きました。
「ああステンドグラスねーいいかもねー」というとても軽い気持ちでクリックして再度色々調べてみますと、
私の知りもしなかった世界がたくさんひろがっていました。
素直に、綺麗。と思いました。これをやってみたい！すごく！
理由はないけどとても惹かれるものがありました。
そうして学校を見つけ、来春の入学申し込みをし、上司に打ち明けて年内に退職したのでした。



学校でステンドグラスなるものについてたくさんのことを教わり、そして卒業して自宅で作業環境も整え、
ぽつぽつとイベントなり個展なりを参加したり開催したりするようになりました。

この世界に入った時から目指したい方向など特に考えもしてませんでしたし、
ただ作りたいものをそのときの気分に沿って作るだけでした。
ですが去年あたりから私がいわゆるスピリチュアルといいますか、まあ昔からその世界は好きだったんですが、
この二つを結び付けられたらいいなあ・・・・とぼんやり思うようになりました。
ただ自分の中でも曖昧でしたし、人に話しても笑われるか引かれるかのどっちかだろうと思って（笑）
なんとなくしまって置いてました。


ある時友達に「ステンドでこんなのあったらいいなってもの何かない？」と聞いてみたところ
「アロマランプが欲しい！」とのお答え。
おおならば作ってみようかしらそういえば昔こっちの道を目指してたんだっけなどとちょっと懐かしい気分になりました。
制作についてアドバイスをもらおうと今通っている教室の先生に伺ってみたとろ、
なんと先生も依頼でアロマスタンドを作るとのこと！
それが拍車をかけたのでしょうね、とても楽しい気分で制作できました。



今月最初の土曜日。教室に行くと今日の生徒さんは私ひとりでした。
先生と色んな雑談をするなか、どういうきっかけかは忘れましたが、
私のステンドとの出会いヒストリーを語る羽目になってしまい（笑）
今書いてきたような話を冗談も交えつつ長々お話させていただきました。
こないだ出来上がったアロマランプの評判もお褒めの声をいただいたし、
何より自分が作ってて面白かったしもっと色んな形のを作ってみたくなりました～！
なーんて言ってましたら、先生が「そんなに楽しかったなら、どうせ昔やりたいと思ってたことなんだし、
そうだなあ二つ合体させてアロマステンド！アロマステンドなんてジャンル目指してみたらどう？
見るだけで癒されるステンド、なんてね（笑）」などと冗談めかしておっしゃるじゃないですか！
初めはなんてテキトーなことをまた言い出して先生ったら!!と思ったのですが（笑）
（うちの先生はこうしていつもいろんなことを面白がって勝手なことを思いつくままに発信するユニークな先生です）
よくよく考えてみたら、それって私がぼんやり考えてた世界を結ぶ言葉だなって思うようになりました。


基本的に、人が人を癒そうというのはちょっと違うと思っていますし、
私のステンドで癒されてください～和んでください～という考えは偽善的で嫌いなのです。
そういう意図を元に作ったわけではないけど、結果として見た人がそういう心持になれたらいい。
心に明るくなるものが芽生えた、とかいうのは自発的なものだと思っています。
だからそのスイッチを入れるキッカケとなれる人にわたしはなりたい。
その人が元々持っている力なり何かへ、一緒にそっと押してあげたりできるような。
そんな感じの方向を目指したい。
今ハッキリと自覚できるようになりました。
この考え方がちょっと矛盾しかけてる気もしなくもないし、あいまいで微妙な点もあるかと思うのですが、
自分の中ではくっきりとしたクリアな気分でいます。




私は一体何が向いてるんだろう何がしたいんだろう、と過去に二度すごく悩み考えて出した答えと、
今のこの自分との内面がちょうどぴったり合わさって、ホント「再び初めから出会う」ではないけれど
ぐるりと回って一周してきたような気がしました。



ということで（笑）
これからは『アロマステンド』なる新ジャンル（笑）にて私は突き進んでいってみようかと思います。
何かまた制作しましたらここで発表しますので、良ければ感想など聞かせてくださいね！