荒唐無稽な、超ド級の夏映画だ。
アメリカコミックファンが泣いて喜ぶ作品には違いない。
7作の映画が合体したようなものだ。
ジョス・ウェドン監督が、大スケールで描くアクションシーンが見ものだ。
人 間の弱みや欠点を抱えた、様々なキャラクターたちが織りなす、一応ヒューマンドラマだ。
地球を危機から救う、完全にして無欠(?)のエンターテインメント作品を作り上げた。
これまで主役を張っていた、最強のヒーローたちが一堂に会し、チームを組んで世界を脅かす巨大な悪と戦うのだ。
果たして、史上最強に面白い(?)映画かどうか。
世界の絶滅の危機を前に、人類に残された最強の手段は、巨大すぎる力を持つヒーローたちを、最強のチーム“アベンジャーズ”として招集することであった。
億万長者にして天才発明家アイアンマン(ロバート・ダウニーjr.)、70年の眠りから覚めた伝説の騎士キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)、神々の国から追放された雷神ソー(クリス・ヘムズワース)、怒りによって巨人に姿を変える科学者ハルク(マーク・ラファロ)、美しすぎる魔性の女スパイ(スカーレット・ヨハンソン)、エリートエージェントとして弓の名手(ジェレミー・レナー)ら、多士済済だ。
自分たちの意に反して集結された彼らは、それぞれが心の傷に囚われ、ひとつのチームとして戦うことを拒む。
そして、やがて明らかにされる、彼らの過去と苦悩・・・。
彼らは、この宇宙で地球を救うことができるのか。
救済か、破壊か。
全世界を席巻するといわれる奇跡のプロジェクトが始動する、ハリウッドならではのエンターテインメントだ。
雷神ソーは、兄として弟ロキ(トム・ヒドルストン)を思いやる気持ちを持っていたが、ロキは地球征服と同じくらい兄ソーの復讐に燃えている。
そしてロキは、地球外の何ものかと共謀しながら、地球侵略の最終計画を着々と進めていく。
マンハッタン上空に次々と召喚される、地球外からの強力な軍勢を前に再結集したアベンジャーズは、人類史上最大の危機を迎えて、地球救済作戦を展開していくのだった・・・。
大画面いっぱいに、アクション映画のすべてが詰め込まれている。
さらにはイケメン、美女、スーパーメカ、それにエイリアンが絡んでくる。
神に匹敵する超人もいるし、超能力も持たないただの人間も“ベンジャーズ”の中にはいる。
しかし、彼らの一人一人に存在する価値があって、それぞれの見せ場はたっぷりだ。
ドラマの圧巻は、シールドのスーパーメカ・ヘリキャリアだ。
ここには総司令部が置かれ、アベンジャーズ総本部もあり、空中空母といった感じの巨大な代物だ。
とにもかくにも、ハチャメチャなドラマが誕生したものだ。
しかし・・・、尽きざるハリウッドの壮大なるマンネリズム(!?)に、あえて言わせていただく。
強烈に面白いはずの映画だが、個人的にはおそろしくつまらなかった。
ドラマは、たしかに息をもつかせぬアクションの連続だし、響き渡るサウンドも、その騒々しさは半端なものではない。
スクリーンに拡がる空中戦は、これはもうただならぬ見事な(!)壮絶さだ。
要するに、ジョス・ウェドン監督のアメリカ映画「アベンジャーズ」は、何でもありの、てんこ盛りの超ド級お子様ランチなのだ。
作品を観ていて、途中で退屈してしまい、眠気まで催し、どうにも白けた気分になったが・・・。
この映画に欣喜雀躍している、多くのファンがいることも確かだ。
全世界の興行成績では、「アバター」「タイタニック」に次ぐほどといわれるから、いやはやこれまた驚きである。
[JULIENの評価・・・★☆☆☆☆](★五つが最高点)
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ヒーローが登場する以上,どんな危機であったとしても最終的に救われないわけはありませんし・・・。
こういう「分かりやすい話」でないと,アメリカでは受けないのだと聞いたことがありますよ。
全世界を席巻中といいますが、不思議とヨーロッパではあまり見られていないのでは・・・?
アメリカ映画には、巨大な(!?)製作費をかけてつくられる、こうした作品がいかに多いことか。
ほとほと、感心(?!)いたしております。(笑)