徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

「定額給付金」―どう考えても、世紀の愚策!―

2009-01-10 20:00:00 | 寸評

今度は、受け取るのか、受け取らないのかの論戦だ。
所得制限をめぐって迷走した、「定額給付金」・・・。
政府、与党の見解はバラバラだ。

国民に一人当たり1万2000円、高齢者の加算も含めて、総額2兆円だ。
家計支援だ、消費刺激だと騒がれている。
閣僚の過半数は、喜んで受け取るらしい。
態度を明言しない人もいる。
麻生総理は、その時になって考えるのだそうだ。
自分の意志もはっきり示せないで、国民に「給付金」の説明が出来るわけがない。

政府の、統一見解のようなものはない。
個人の判断に委ねる考えだ。
バラバラ容認である。

「定額給付金」を盛り込んだ、第二次補正予算と関連法案は、13日に衆議院を通過する予定だ。
しかし、「定額給付金」の主旨を論ずるどころか、もらう、もらわないの、子供だましのような食い違うチグハグな結果で、こんなことに連日国会が時間を浪費していていいのだろうか。
矜持(?)のある方々は、低レベルのさもしい(?)議論はなさらぬ方がよろしいのではないか。

思いつきから始まった、「定額給付金」だが、こんなことで新年早々から国会が迷走している。
まことに情けない限りだ。
いつ支払われるのかも、関連法案もまだ決まっていない。
国会というところは、何をしているのだ。

さらに、この2兆円の「定額給付金」が支給されるとなると、事務経費にそれこそ巨額のカネがかかることになる。
業務に忙殺される自治体だって、大混乱におちいるのは必至だ。

支給のために、いくら位かかるのか。
必要な経費は、人件費、発送費、事務経費を含めて、総額825億円に上ると言われる。
民生委員の協力手当てと称して、19億円とかよく分からない手当てまで含まれているのだ。
これは、あくまでも民主党の質問主意書に対する、政府答弁だ。
ところが、実際には、支給総額の1割程度2000億円の経費がかかるだろうと見られている。
・・・ということは、支給額と支給のための経費全部合わせて、2兆2000億円だ。
これだけの経費を、予算がどんどん削られている、病院や学校、社会福祉に十分生かすことも出来るのに・・・!
嗚呼!

窓口業務を考えてみる。
世帯主1人に対応する時間を1分として、1時間に60人に対応するのが精いっぱいだ。
職員10人で対応して処理できるのは600人、8時間ブッ通しで対処したとしても、1日4800人だから、東京23区のように、20万から30万世帯に対応するのは大変なことだ。
区役所に、何万人もの人たちが殺到することになる。
給付の時期は、年度末か新年度だ。
臨時や非常勤の職員の人件費もかかってくる。
都道府県で2万4000時間分、市町村で1180万時間分の賃金が必要となりそうなのだ。
計算していないが、天文学的な(?)数字になるだろう。(!)
いやはや、もう何をか言わんやだ。

これが、自民党の言う「最もふさわしい、迅速かつ公平な措置」なのだそうである。
しかも、政府期待の個人消費に回るのは、たったの3割足らずだから、GDP効果など知れたものなのだ。
「定額給付金」は、莫大なカネと時間を浪費する、とんでもない(!)制度だ。
嗚呼!

「定額給付金」が実施されたら、世紀最大の愚策、それもその場限りの究極の大愚策として、麻生太郎という希代の宰相の名とともに、いつまでも日本の政治史上に、記念すべき(?!)大きな汚点として残ることになるだろう。
どうも、そんな気がしてならない。
冗談ではない。いや、本当に。
今だから、言いたい。
過ちを改むるに憚ること勿れ、である・・・。