更新です。
例年のように今年も暑さのぶり返しが続きます。それでも、庭から見えるご近所の
大きな木は、その先から葉の色を少しずつ変え始め、北カリフォルニアも秋への衣
替えが始まっています。
さて、大統領選が近づくアメリカは、相変わらず大きな問題をいくつか抱えて混沌と
しています。既に報道されているニュースをまとめても仕方ありませんが、自分の
視点から主だったものを記録に残しておきたく、我が家の Update と共に敢えて書き
留めておきます。
コロナ - その後
春から続くコロナ禍は、第二波と呼べるのか、感染者数はヨーロッパのような減少を
見ないまま、6月から7月に大きな増加がありました。グラフの棒線は一旦下がり
かけたものの、8月以来じわじわと右肩上がりで延びてきており、5月以前のレベル
に戻るのはずっと先になりそうです。アメリカ国内の感染者数はほぼ800万人。冬の
更なる感染拡大が心配されます。3月に他州に先がけ「Stay at Home」を実施した
優等生であるはずのカリフォルニア州は、何をどこでどう間違えたのか今や感染者数
は、不名誉な全米トップとなりました。誰もが関心のある新型コロナウィルスのワク
チンはと言いますと、アメリカでも春よりずっと官民一体で取り組んでいますが、
通常は一年半以上をかけて準備されますので、従来のステップを特別に短縮したと
しても時間はかかります。トランプ大統領は、国内の供給開始を11月の大統領選に
間に合わせたいため、絶えずプレッシャーをかけてきました。しかしながら、安全面、
ロジスティックスを考えるとそれは難しく、ワクチン生産における政府代表機関で
あるFDA(Food and Drug Administration - 食品医薬品局)は、ワクチン開発中の
どこの製薬会社にも安全面クリアの GO サインを出していません。供給は2021年の
春あたりからぼちぼちとの話があります。どうでしょうか。後ほど触れますが、10月
2日にトランプ大統領自身の新型コロナウィルス感染が発表されましました。
我が家は、次男のコロナ禍帰省の後、家族5人フルハウスの生活が続いています。
日々の生活は、家内以外は皆、家にこもって仕事や授業、外出時には、消毒スプレー
を携え、マスク着用。もう慣れました。コロナ禍によるテレワークや遠隔授業で、
今まで以上に人々の生活の生命線となったインターネット、私達家族にとっても同じ
です。幸い私の仕事が2年以上前にテレワークに切り替わった時点で、一般的な
サービスから光回線にアップグレードしていました。(日本では当たり前の仕様で
しょうか。)家族を余裕でカバー出来ると思っていましたが、4人、時には5人が
同時に会議や授業となりますと、さすがにアクセスに影響が出ることもしばしば。
お互い注意しながら使っています。
三男が所属するサッカーリーグは、当初8月下旬よりシーズンを開始する予定でした
が、コロナは収束の兆しを見せず、年内のリーグ戦は絶望的です。チームの練習は
週3回。練習が再開した8月、三男のチームは全員が久しぶりに顔を合わせました。
親はフィールドに入ることは許されず、駐車場から様子を伺っていると見慣れない
子が数名。コロナ禍で理容室は暫くの間、通常の営業は許されず、長髪になった
チームメートがいました。真面目なチームであることは変わらず、欠席も少なく皆
コツコツと練習に励んでいます。使用するフィールドは、所有・管理する市や郡の
衛生面のチェックも厳しく、クラブ内では細かく取り決めがあり、どのチームも
ルールに従い協力しています。春以前は、練習場へは、行きが夕方のラッシュアワー
のピーク時で1時間、練習終了後は夜になり、帰宅には40分程度をかけました。今
では世間は仕事も学校も遠隔が多く、道路もずい分すいています。行きも帰りも
かかる時間は片道わずか35分。これは本当に助かっています。
コロナ関連のニュースは春より絶えず注意してチェックする習慣も身に付きましたが、
家内の「お母さんネットワーク」もさることながら、長男からの情報にも気を付ける
ようになりました。郡が発令した「Shelter in Place」、その後直ぐに続いた州の「Stay
at Home」の前でした。「友達から連絡もらったけど、州兵に登録している身内の所属
部隊の配置が始まったって。直ぐに Lock Down になるから、生活必需品は今から確保
しておけって。」と長男。州兵の配置は、非常事態下の医療機関のサポートや治安維持
のための準備だったと思います。翌日に郡、その直ぐ後に州が、それぞれ上述の外出
規制を発表。我が家は若干出遅れましたが、最低必要なものは確保。瞬く間に消毒関連
商品、トイレットペーパーが商品棚から消えました。そして先日、再び長男より。週
一回利用する某食料品チェーンの最寄りのお店についてでした。「あそこの店、昔
バイトしていた友達が、全然公表されていないけど、従業員の中で感染者がもう何人
か出てるから気をつけろって。」家内は買い物リストの書き換えが必要でした。
学校
長男、次男の大学の新年度は、遠隔で開始することがずい分前に決定され、次男が南
カリフォルニアの大学キャンパスに戻るのは「早くても」年明けの一月となります。
三男の高校のクラス再開については、学区の教育委員会が、父兄へのアンケートも
含め、夏休み前からかなりの時間をかけて協議してきました。当初、時間と人数を
割り当てて生徒を登校させ、その一方で遠隔で授業を行う「ハイブリッド」が計画
されていましたが、新年度が近づき変更。遠隔授業一本です。家内が勤める幼稚園は、
短い夏休みの後、先生、子供達が戻ってきました。こちらは、園児が小人数のため
十分な体制をとり、対面、遠隔のハイブリッドで臨むこととなりました。先生達の
朝の園児の出迎えは体温チェックで始まります。そして日本語補習校。校舎を貸して
くれる学校が遠隔授業を決定していますので、安全面を考慮すると、とても第三者に
週末の校舎使用を許可するはずはなく、夏休みの後も遠隔授業です。
学校の再開については、全米で熱い議論が繰り広げられ、現在も続いています。感染
状況は、州は勿論、同じ州内の学区でも異なりますので全米で統一する必要はありま
せんが、トランプ大統領が全米あげての再開を迫りました。議論が続く7月上旬、
トランプ大統領は、いつもの Twitter で「ドイツ、デンマーク、ノルウェー、スゥエ
ーデンや他の多くの国では学校の再開に問題は見られない。」「再開は子供達や家庭
にとって重要なのである。教育予算を削るかもしれないよ!」とまずは脅しのジャブ。
8月上旬、全米の35にもおよぶ学区で教師達による学校再開反対の抗議がありました。
その直後、トランプ大統領の Twitter は少しトーンを変えて「学校を再開させろぉ!!!」
でした。トランプ大統領のこだわりは、勿論、経済面、そして働くお母さん方の票を
狙う、自身の大統領選再選を考えてのことです。7月の時点で学校再開に関し、知事と
学区の教育委員会の間での意見の食い違いはあちこちの州で見られ、肝心の子供達、
先生、父兄は落ち着かない状態が続きました。トランプ親分の意思を忖度する従順な
共和党知事たちは、現場の状況よりも経済再開に目が向いていたようです。
そして8月。アメリカの新年度です。州や学区、学校により、遠隔授業であったり
教室で対面授業・講義に戻すところもあったりとまちまちですが、多くは再開に躊躇
しました。新年度開始直後、案の定、再開させた複数の大学ではキャンパスでクラス
ターが発生し、直ぐに遠隔授業に切り替えました。新年度早々に大きなパーティーを
Social Distancing を無視して開いた学生達が退学処分になったり、ある大学では、既に
感染している学生をパーティーに招き、他の健康な学生の中で誰が最初に体調を崩すか
お金を賭けたりといったとんでもないニュースも報道されました。既に全米で40,000人
を超える大学生の感染が確認されているようです。小中高では、学区によりこれから
再開に切り替えるところも多いと聞きます。統計上、感染する確率が高いのは、子供達
より教師や職員の大人。学校再開は慎重に進めるべきです。
マスク
以前、本ブログで欧米と日本のマスク着用に対するとらえ方のギャップについて触れ
ました。元々マスク着用への抵抗が大きかったアメリカですが、まだ一部の人達の間
で引きずっています。私が住む地域では、食料品やちょっとした買い物をする際、
店の中や外は勿論、駐車場、そして通りで見かける歩行者、誰もがマスクを着用して
います。共和党の知事の州でも、以前と比べマスク着用を義務付けるところは増え
ました。一方、国内で行われた最近のあるアンケートでは、回答者の75%が外出時は
必ずマスク着用、25%は No とのことです。着用しない25%はと言いますと、やはり
トランプ大統領の影響が大きいのではないでしょうか。マスク着用を軽んじる発言や
行動を繰り返し、先月の両党大統領候補の第一回めの討論会では、バイデン候補の
マスク着用を馬鹿にしていました。トランプ大統領の振る舞いが国民に与える影響が
大きいことは言うまでもありません。大統領選が近づき活発になったあちこちの州での
共和党集会や資金集めのイベント。ニュースの映像に映る支援者の中では、マスク
着用は徹底されていません。また、世間一般では、店の規則に従って客にマスク着用
を促した店員に対して男女問わずいい大人が激怒し、相手を罵倒し、侮辱し、時には
暴力をふるう。よくあるニュースです。
未だにマスク着用を受け入れられない人が大勢いる。このことが世界一の感染国と
なった唯一の原因ではありません。介護スタッフや医療器具が不足していた高齢者の
養護施設、規定収容人数をはるかに超える刑務所内での集団感染、また医療保険も
持てず、体調を崩しても、生活のためにただ働き続けるしかない大勢の人達。コロナ
以前の問題でもあります。前述の大学のパーティーも感染者の数字を押し上げています。
一方、マスクは感染を防がない、着用を強制されるいわれなどないといった認識が一部
の人達の間でまかり通っていることも、日常の生活の中で影響を及ぼすことは間違い
ないと思います。マスクによって飛沫を防ぐ。最も重要な機能でありますが、上述
25% の回答者は信じていないのか、重要とは捉えていないようです。それでは彼らが
人一倍 Social Distancing に気を付けているかと言いますとどうでしょうか。疑わしい
ものです。メディアの映像では、 Social Distancing を無視したパーティーや大勢の
人達が賑わう場所でのマスク着用は稀です。(メディアが誇張している可能性がある
ことは注意が必要ではあります。)要は感染防止に関心のない人達にとっては、マスク
だろうと、飛沫を防ぐ距離だろうと関係がないようです。
マスク着用は、Social Distancing 、消毒、手洗い同様、外に現わす行動に過ぎません。
大事なのは新型コロナウィルス感染に対する危機感と捉え方であり、その度合いが
75% と25%に表れているのかもしれません。トランプ大統領のこれまでの発言や行動
は、一部の人達の危機感を低下させました。また、合衆国憲法修正で謳われる「自由」
が、外出する自由、マスクをしない自由への解釈の後押しもし、あちこちで州や市を
相手取った訴訟がありました。自由と権利か、公共の安全か。いろいろな解釈は出来
ますが、危機感を持って行動に移す。今、アメリカが必要なことのかなと思います。
9ヶ月を振り返り
1月にアメリカ国内で初の感染者が確認され、同月末に WHO が新型コロナウィルスに
ついての声明を出しました。ホワイトハウスの先を見越した積極的な対応がないまま、
3月には WHOが COVID-19 を「Global Health Pandemic」に格上げ。アメリカ国内は、
4月には爆発的な感染拡散に至りました。FOX News を除いたメディアに、事あるごと
にやり玉にあげられても動じることのなかったトランプ大統領。国民を必要以上に不安
に陥れない自信に満ちた姿勢は、リーダーに求められるものではあります。しかし、
実際のところ、ここまでのコロナ対応は、「・・・」といったものが多かったと思い
ます。気丈に構えることも大事ですが、一国のリーダーとして最悪のシナリオを考慮に
入れて、その対策も然りです。マスク着用、学校再開への姿勢は前述の通りです。また、
トランプ大統領が一時期メディアに向けてよく使った「China Virus」は、アジア系国民
へのバッシングを煽りました。(中国政府の悪びれたところがない態度と、自国の感染
拡大防止対応への自画自賛には、確かに世界中の誰もが腹を立てていたとは思います。)
そして Twitter で発信されるメッセージについては触れるまでもありません。
世間で良く言われていたのが、トランプ大統領は専門家の進言に耳を傾けない。裏を
とっていない情報を堂々と国民に発信する。大変危険であり、後々混乱を招きます。
新型コロナウィルスは奇跡のように消えてなくなる。感染テストを受けたい人はいつ
でも受けられる、ワクチンは間もなく準備が出来る等々。どれも事実ではありません
でした。トランプ大統領とコロナ関連の政府代表機関であるCDC (Centers for Disease
Control and Prevention - アメリカ疾病管理予防センター)、そしてホワイトハウスの
コロナウィルス特別委員会のトップであり、NIAI( National Institute of Allergy and
Infectious Diseases - 国立アレルギー感染病研究所)の所長でもある Dr. Fauci との
コミュニケーションはずっとギスギスしたものでした。
アメリカに限ったことではないかもしれませんが、コロナ対策では、とかく政治が事を
ややこしくしています。「Science vs Politics」は春以来あちこちで耳にする言葉です。
「Stay at Home」、マスク着用義務等の規則、取り決めは、合衆国憲法に沿って、連邦
ではなく、州、市のレベルで出されました。そこでは、様々な州で共和党と民主党の
つばぜり合いがあり、時にはトランプ大統領も参加して事を複雑にして現在に至ります。
共和党知事 vs 民主党市長、大統領 vs 民主党知事等々。以下はその例です。全米規模で
「Stay at Home」が続き、いくつかの州では、感染拡大が落ち着いてもいないのに、
武装極右グループを含めた大勢の人達が州庁舎に抗議に押しかけて騒然となりました。
トランプ大統領は直ぐにTwitter でそれぞれの州の抗議を煽る「ミシガンを解放せよ!」
「ミネソタを解放!」「ヴァージニアを解放!」のメッセージ。どの州も知事は民主党
でした。次に、感染者数が全米トップクラスに入るジョージア州のアトランタ市長
(民主党)が行政命令として市民のマスク着用義務を発令しました。州知事(共和党)
の遅い対応に業を煮やしての行動です。直ぐに知事が異議を唱えました。合衆国憲法
では州レベルの決定が市よりも優先されます。その後、州知事がアトランタ市長と市
議会を相手取り訴訟を起こし、すったもんだの末、何とか落ち着きました。
我らがヒーロー保安官
コロナ禍における二党間のズレ以外で興味深かったのが「Sheriff」達の対応です。アメリ
カで法執行機関、要するに「警察」の役目を担うのは、主に市や町を管轄とする「Police
Officer」、より広い郡をカバーする「Sheriff」、 そして州全体を管轄し、州内の道路で
スピード違反を取り締まる「Highway Patrol」としても知られる「State Trooper」となり
ます。それ以外では、役割も異なり連邦レベルとなりますが、「FBI」、「Marshal」等が
あります。さて、私の目を引いた「Sheriff」、和訳は「保安官」となります。トップは
基本的にそれぞれの郡の選挙で選ばれる役職となり、与えられる権限も大きくなります。
雇われ警察署長は市長により免職されることもありますが、Sheriffのトップは、市長でも
知事でも挿げ替えることは出来ません。
5月でした。アリゾナ州のある郡の Sheriff は、州知事から発令された「Stay at Home」
の指示に対し、遵守はするが違反して店の営業を続けている人々に対し、自分は罰金を
科さないと公に発言。「市民の生活が第一。俺は見逃すから皆さん今まで通りお仕事を!」
ということです。翌月、本人にCOVID-19 陽性反応が出ました。感染したと思われる
イベントのビデオでは、誰もマスクはしていなかったとのことです。6月にはミシガン
州知事が、州内の住民に、店舗や人が込み合う屋外の場所では、マスクを着用するよう
義務付けましたが、ある郡の Sheriff オフィスがマスクをしていない人を見かけても咎め
ないと発表。その後、テキサス州、ノースカロライナ州、ニューメキシコ州、ネバダ州、
カリフォルニア州、フロリダ州内のいくつかの郡の Sheriff も州知事のマスク着用義務の
取り決めに従わないことを公にしました。もし、市の雇われ警察署長が同じことをしたと
すると直ぐにクビですが、彼らの行動は、誰に咎められることもなくSheriff の裁量として
まかり通ってしまいました。自分達が合衆国憲法上で違憲と判断したならば、連邦、州の
指示であっても従わないぞといった動きが、全米の Sheriff の間で出てきているようです。
市民の安全か、それとも生活の維持と自由か。上述の Sheriff 達は後者を選びました。彼ら
の再選は堅いと思います。アメリカのコロナ対策における、もう一つの不協和音です。
トランプ大統領感染
10月1日。トランプ大統領の側近の一人のコロナウィルス陽性反応が確認され、翌日
にはトランプ大統領自身と夫人の陽性反応の発表がありました。その後、大統領と接触
のあった上院議員3名、ホワイトハウス付けのジャーナリストも含め30名以上の陽性
反応が確認され、まだ増える可能性はあります。専門家の声に耳を傾けることもなく、
軽く見ていた病に自身が伏し「己の失敗のシンボル」、「スーパー・スプレッダー」と
呼ばれ、 その後 Reed National Military Medical Center に入院し、精鋭医療チームに
より24時間の徹底した治療を受けました。ステロイド系抗炎症薬を含めた3種類の薬剤が
功を奏したのか、10月5日には退院してホワイトハウスへ。Twitter では「COVIDを恐れ
るな」と自分の健康回復をアピール。この時点で全米で21万人の犠牲者が出ていました。
亡くなった人達の親族の神経を逆なでする自分勝手なメッセージはひんしゅくをかいま
したが、本人はお構いなしです。「Black Lives Matter」で全米が抗議デモで荒れていた頃、
ホワイトハウス前の公園を隔てた教会で聖書片手にポーズの写真パフォーマンスがあり
ました。今回も大統領専用ヘリコプターでホワイトハウス前に降り立ち、バルコニーから
報道陣に向かってこれ見よがしにマスクを取り、その後に敬礼付きのサービスです。タフ
な大統領であることを国民に知らしめたかったのでしょうが、映像で見る姿は、呼吸は
安定せず顔色は不健康そのものでした。ここ数日の再テストの結果は全て陰性で自分には
免疫が出来ているとのこと。中断していた大統領選キャンペーンツアーを再開させました。
先日のトップバッターのフロリダ州は空港の特設会場。Social Distancing 無視の集会では
支援者を前にマスク無しで一席ぶって満員の会場を沸かせました。テスト結果からは、もう
他人を感染させることはないとの専門家の話ですが、どうなんでしょうか。本人に反省の
色は全く無く、既にフルスロットルです。困ったオッサンです。
定まらないベクトル
大統領選が近いこの時期、民主党と共和党が手をつないで共にパンデミックに立ち向かう
といったことはまず不可能です。まして現職の大統領がトランプとなれば猶更ではないで
しょうか。そして非常時は、現場に近い市長と、州全体を見渡さなくてはならない州知事
の間に壁が出来易くなり、それぞれが所属する党の組み合わせによっては、いがみ合いが
発生します。トランプ大統領はやはり特別ですが、ひょっとして大統領が誰であっても
似たような状況だったかもしれません。そして、一部で根強く残るマスク着用、「Stay at
Home」の義務付けを違憲とする解釈。それに加え、いざとなれば連邦、州の取り決めから
自らを脱線させる Sheriff も全米のあちこちの郡に存在し、元々国を挙げてコロナに立ち
向かう体制は取れなかったような気がします。ウィルス拡散を封じ込めようと努力する人達、
感染を他人事のように受け止めている連中、経済再開が最重要である政治家。ベクトルが
乖離している間は、とても国が一丸となって COVID-19 収束に向かうことは不可能です。
先は長そうですが、まずは大統領選が終わるのを待ちたいと思います。
写真です。
コロナとは直接関連はなく、数はありませんが、取りあえず我が家の身の回りの写真です。

家内の書斎の天井です。この部屋は、平日は朝から三男が遠隔授業で使用。以前、背景の
整理棚を隠す「ついたて」を用意しましたが、あまりにみすぼらしく、カーテンを取り
付ることにしました。天井は、アメリカの家屋によくある乾式壁であり、ネジ、クギは
簡単に抜けてしまいます。ネジ穴のソケットを電気ドリルを使って埋め込み、カーテン
レールの留め金をネジで固定。作業は2時間でした。

完成です。午後に三男の授業は終わり、夕方は、家内による幼稚園児の日本語補習授業が
遠隔で行われます。

家内が使用する教材です。受け持ちは何名かいて、一人一人のレベルに合わせた授業を
行います。準備はかなり大変なようです。

今や遠隔授業を行う学校の先生の間では必需品のカメラです。真上から教科書やら絵本を
とらえ、コンピューターのモニターに映しだします。

こちらは、遠隔授業、幼稚園、両方の小道具作製に必要なペン類です。

次男です。病院で医師、看護師が着用するScrubを身にまとって撮影。大学が夏休みの間、
看護師助手の資格取得のコースを週末の土、日を使って民間の医療学校でとりました。別
に家内や私からの指示ではなく、「この先、いろいろな場所でパンデミックの時に何を
していたか?という質問を必ず受けるから、医療に関連したことをしておきたい。」と
本人。もっともです。2年前にお世話になった大学研究室のインターンは、かなり早くに
問い合わせましたが、コロナ禍で一切受け付けないとのことでした。2ヶ月のコースは
既に修了。資格試験はコロナの影響で前の数クラスがずれこんでおり、この秋に受験だ
そうです。

平日のお昼に家内は幼稚園。昼食は、いつの間にか次男の当番となり、材料さえあれば、
シャカシャカと家族の分を作ってくれます。写真は、ある週末の夕食。新鮮なアサリが
手に入り、次男によるパスタとなりました。白ワインを使わず日本酒、そして外出もない
ためニンニクをふんだんに使って炒めました。家族5人「しあわせー。」美味しかった
です。

こちらは、三男の当番。日曜日の朝食です。手のひらサイズを20枚。そのうち10枚は
三男が平らげます。自身の大好物であり、何枚焼いても苦にはならないようです。私も
時々焼きますが、焼き加減は三男のようにはいかず、焦げだらけ。

三男の週3回のサッカーの練習です。少し見ない間にチーム内の身長の番付はかなり
変わりました。

サーフィン。三男、首をボードでぶつけて戻ってきました。パンデミックが始まった
春から本格的な体作りに目覚め、サッカーの練習がない日は、走りこんでウェイト・
トレーニングで約1時間半。過去にはありませんでしたがコツコツと続け、知らない
間に10キロ減量。その後、筋肉がつき始めました。次男は、大学に入ってから、肩幅
が広くなり胸板もずい分と分厚くなりました。今では三男の方が腕は太いようです。
写真で着ているウェットスーツは、背中にジッパーがあり、以前は、その先について
いるヒモを引っ張って一人でも着れましたが、今は上半身がごっつくなり過ぎ、手伝い
が必要になりました。まだまだ成長過程です。

三男、先日はフィンをぶっ壊しました。修理代は100ドル。高くつきます。

あっという間の夏でした。庭のプラムです。

その後はリンゴでした。来年の夏は平常に戻っていることを願います。
以上でした。次回は、アメリカが引きずる「Black Lives Matter」について書き綴ります。
例年のように今年も暑さのぶり返しが続きます。それでも、庭から見えるご近所の
大きな木は、その先から葉の色を少しずつ変え始め、北カリフォルニアも秋への衣
替えが始まっています。
さて、大統領選が近づくアメリカは、相変わらず大きな問題をいくつか抱えて混沌と
しています。既に報道されているニュースをまとめても仕方ありませんが、自分の
視点から主だったものを記録に残しておきたく、我が家の Update と共に敢えて書き
留めておきます。
コロナ - その後
春から続くコロナ禍は、第二波と呼べるのか、感染者数はヨーロッパのような減少を
見ないまま、6月から7月に大きな増加がありました。グラフの棒線は一旦下がり
かけたものの、8月以来じわじわと右肩上がりで延びてきており、5月以前のレベル
に戻るのはずっと先になりそうです。アメリカ国内の感染者数はほぼ800万人。冬の
更なる感染拡大が心配されます。3月に他州に先がけ「Stay at Home」を実施した
優等生であるはずのカリフォルニア州は、何をどこでどう間違えたのか今や感染者数
は、不名誉な全米トップとなりました。誰もが関心のある新型コロナウィルスのワク
チンはと言いますと、アメリカでも春よりずっと官民一体で取り組んでいますが、
通常は一年半以上をかけて準備されますので、従来のステップを特別に短縮したと
しても時間はかかります。トランプ大統領は、国内の供給開始を11月の大統領選に
間に合わせたいため、絶えずプレッシャーをかけてきました。しかしながら、安全面、
ロジスティックスを考えるとそれは難しく、ワクチン生産における政府代表機関で
あるFDA(Food and Drug Administration - 食品医薬品局)は、ワクチン開発中の
どこの製薬会社にも安全面クリアの GO サインを出していません。供給は2021年の
春あたりからぼちぼちとの話があります。どうでしょうか。後ほど触れますが、10月
2日にトランプ大統領自身の新型コロナウィルス感染が発表されましました。
我が家は、次男のコロナ禍帰省の後、家族5人フルハウスの生活が続いています。
日々の生活は、家内以外は皆、家にこもって仕事や授業、外出時には、消毒スプレー
を携え、マスク着用。もう慣れました。コロナ禍によるテレワークや遠隔授業で、
今まで以上に人々の生活の生命線となったインターネット、私達家族にとっても同じ
です。幸い私の仕事が2年以上前にテレワークに切り替わった時点で、一般的な
サービスから光回線にアップグレードしていました。(日本では当たり前の仕様で
しょうか。)家族を余裕でカバー出来ると思っていましたが、4人、時には5人が
同時に会議や授業となりますと、さすがにアクセスに影響が出ることもしばしば。
お互い注意しながら使っています。
三男が所属するサッカーリーグは、当初8月下旬よりシーズンを開始する予定でした
が、コロナは収束の兆しを見せず、年内のリーグ戦は絶望的です。チームの練習は
週3回。練習が再開した8月、三男のチームは全員が久しぶりに顔を合わせました。
親はフィールドに入ることは許されず、駐車場から様子を伺っていると見慣れない
子が数名。コロナ禍で理容室は暫くの間、通常の営業は許されず、長髪になった
チームメートがいました。真面目なチームであることは変わらず、欠席も少なく皆
コツコツと練習に励んでいます。使用するフィールドは、所有・管理する市や郡の
衛生面のチェックも厳しく、クラブ内では細かく取り決めがあり、どのチームも
ルールに従い協力しています。春以前は、練習場へは、行きが夕方のラッシュアワー
のピーク時で1時間、練習終了後は夜になり、帰宅には40分程度をかけました。今
では世間は仕事も学校も遠隔が多く、道路もずい分すいています。行きも帰りも
かかる時間は片道わずか35分。これは本当に助かっています。
コロナ関連のニュースは春より絶えず注意してチェックする習慣も身に付きましたが、
家内の「お母さんネットワーク」もさることながら、長男からの情報にも気を付ける
ようになりました。郡が発令した「Shelter in Place」、その後直ぐに続いた州の「Stay
at Home」の前でした。「友達から連絡もらったけど、州兵に登録している身内の所属
部隊の配置が始まったって。直ぐに Lock Down になるから、生活必需品は今から確保
しておけって。」と長男。州兵の配置は、非常事態下の医療機関のサポートや治安維持
のための準備だったと思います。翌日に郡、その直ぐ後に州が、それぞれ上述の外出
規制を発表。我が家は若干出遅れましたが、最低必要なものは確保。瞬く間に消毒関連
商品、トイレットペーパーが商品棚から消えました。そして先日、再び長男より。週
一回利用する某食料品チェーンの最寄りのお店についてでした。「あそこの店、昔
バイトしていた友達が、全然公表されていないけど、従業員の中で感染者がもう何人
か出てるから気をつけろって。」家内は買い物リストの書き換えが必要でした。
学校
長男、次男の大学の新年度は、遠隔で開始することがずい分前に決定され、次男が南
カリフォルニアの大学キャンパスに戻るのは「早くても」年明けの一月となります。
三男の高校のクラス再開については、学区の教育委員会が、父兄へのアンケートも
含め、夏休み前からかなりの時間をかけて協議してきました。当初、時間と人数を
割り当てて生徒を登校させ、その一方で遠隔で授業を行う「ハイブリッド」が計画
されていましたが、新年度が近づき変更。遠隔授業一本です。家内が勤める幼稚園は、
短い夏休みの後、先生、子供達が戻ってきました。こちらは、園児が小人数のため
十分な体制をとり、対面、遠隔のハイブリッドで臨むこととなりました。先生達の
朝の園児の出迎えは体温チェックで始まります。そして日本語補習校。校舎を貸して
くれる学校が遠隔授業を決定していますので、安全面を考慮すると、とても第三者に
週末の校舎使用を許可するはずはなく、夏休みの後も遠隔授業です。
学校の再開については、全米で熱い議論が繰り広げられ、現在も続いています。感染
状況は、州は勿論、同じ州内の学区でも異なりますので全米で統一する必要はありま
せんが、トランプ大統領が全米あげての再開を迫りました。議論が続く7月上旬、
トランプ大統領は、いつもの Twitter で「ドイツ、デンマーク、ノルウェー、スゥエ
ーデンや他の多くの国では学校の再開に問題は見られない。」「再開は子供達や家庭
にとって重要なのである。教育予算を削るかもしれないよ!」とまずは脅しのジャブ。
8月上旬、全米の35にもおよぶ学区で教師達による学校再開反対の抗議がありました。
その直後、トランプ大統領の Twitter は少しトーンを変えて「学校を再開させろぉ!!!」
でした。トランプ大統領のこだわりは、勿論、経済面、そして働くお母さん方の票を
狙う、自身の大統領選再選を考えてのことです。7月の時点で学校再開に関し、知事と
学区の教育委員会の間での意見の食い違いはあちこちの州で見られ、肝心の子供達、
先生、父兄は落ち着かない状態が続きました。トランプ親分の意思を忖度する従順な
共和党知事たちは、現場の状況よりも経済再開に目が向いていたようです。
そして8月。アメリカの新年度です。州や学区、学校により、遠隔授業であったり
教室で対面授業・講義に戻すところもあったりとまちまちですが、多くは再開に躊躇
しました。新年度開始直後、案の定、再開させた複数の大学ではキャンパスでクラス
ターが発生し、直ぐに遠隔授業に切り替えました。新年度早々に大きなパーティーを
Social Distancing を無視して開いた学生達が退学処分になったり、ある大学では、既に
感染している学生をパーティーに招き、他の健康な学生の中で誰が最初に体調を崩すか
お金を賭けたりといったとんでもないニュースも報道されました。既に全米で40,000人
を超える大学生の感染が確認されているようです。小中高では、学区によりこれから
再開に切り替えるところも多いと聞きます。統計上、感染する確率が高いのは、子供達
より教師や職員の大人。学校再開は慎重に進めるべきです。
マスク
以前、本ブログで欧米と日本のマスク着用に対するとらえ方のギャップについて触れ
ました。元々マスク着用への抵抗が大きかったアメリカですが、まだ一部の人達の間
で引きずっています。私が住む地域では、食料品やちょっとした買い物をする際、
店の中や外は勿論、駐車場、そして通りで見かける歩行者、誰もがマスクを着用して
います。共和党の知事の州でも、以前と比べマスク着用を義務付けるところは増え
ました。一方、国内で行われた最近のあるアンケートでは、回答者の75%が外出時は
必ずマスク着用、25%は No とのことです。着用しない25%はと言いますと、やはり
トランプ大統領の影響が大きいのではないでしょうか。マスク着用を軽んじる発言や
行動を繰り返し、先月の両党大統領候補の第一回めの討論会では、バイデン候補の
マスク着用を馬鹿にしていました。トランプ大統領の振る舞いが国民に与える影響が
大きいことは言うまでもありません。大統領選が近づき活発になったあちこちの州での
共和党集会や資金集めのイベント。ニュースの映像に映る支援者の中では、マスク
着用は徹底されていません。また、世間一般では、店の規則に従って客にマスク着用
を促した店員に対して男女問わずいい大人が激怒し、相手を罵倒し、侮辱し、時には
暴力をふるう。よくあるニュースです。
未だにマスク着用を受け入れられない人が大勢いる。このことが世界一の感染国と
なった唯一の原因ではありません。介護スタッフや医療器具が不足していた高齢者の
養護施設、規定収容人数をはるかに超える刑務所内での集団感染、また医療保険も
持てず、体調を崩しても、生活のためにただ働き続けるしかない大勢の人達。コロナ
以前の問題でもあります。前述の大学のパーティーも感染者の数字を押し上げています。
一方、マスクは感染を防がない、着用を強制されるいわれなどないといった認識が一部
の人達の間でまかり通っていることも、日常の生活の中で影響を及ぼすことは間違い
ないと思います。マスクによって飛沫を防ぐ。最も重要な機能でありますが、上述
25% の回答者は信じていないのか、重要とは捉えていないようです。それでは彼らが
人一倍 Social Distancing に気を付けているかと言いますとどうでしょうか。疑わしい
ものです。メディアの映像では、 Social Distancing を無視したパーティーや大勢の
人達が賑わう場所でのマスク着用は稀です。(メディアが誇張している可能性がある
ことは注意が必要ではあります。)要は感染防止に関心のない人達にとっては、マスク
だろうと、飛沫を防ぐ距離だろうと関係がないようです。
マスク着用は、Social Distancing 、消毒、手洗い同様、外に現わす行動に過ぎません。
大事なのは新型コロナウィルス感染に対する危機感と捉え方であり、その度合いが
75% と25%に表れているのかもしれません。トランプ大統領のこれまでの発言や行動
は、一部の人達の危機感を低下させました。また、合衆国憲法修正で謳われる「自由」
が、外出する自由、マスクをしない自由への解釈の後押しもし、あちこちで州や市を
相手取った訴訟がありました。自由と権利か、公共の安全か。いろいろな解釈は出来
ますが、危機感を持って行動に移す。今、アメリカが必要なことのかなと思います。
9ヶ月を振り返り
1月にアメリカ国内で初の感染者が確認され、同月末に WHO が新型コロナウィルスに
ついての声明を出しました。ホワイトハウスの先を見越した積極的な対応がないまま、
3月には WHOが COVID-19 を「Global Health Pandemic」に格上げ。アメリカ国内は、
4月には爆発的な感染拡散に至りました。FOX News を除いたメディアに、事あるごと
にやり玉にあげられても動じることのなかったトランプ大統領。国民を必要以上に不安
に陥れない自信に満ちた姿勢は、リーダーに求められるものではあります。しかし、
実際のところ、ここまでのコロナ対応は、「・・・」といったものが多かったと思い
ます。気丈に構えることも大事ですが、一国のリーダーとして最悪のシナリオを考慮に
入れて、その対策も然りです。マスク着用、学校再開への姿勢は前述の通りです。また、
トランプ大統領が一時期メディアに向けてよく使った「China Virus」は、アジア系国民
へのバッシングを煽りました。(中国政府の悪びれたところがない態度と、自国の感染
拡大防止対応への自画自賛には、確かに世界中の誰もが腹を立てていたとは思います。)
そして Twitter で発信されるメッセージについては触れるまでもありません。
世間で良く言われていたのが、トランプ大統領は専門家の進言に耳を傾けない。裏を
とっていない情報を堂々と国民に発信する。大変危険であり、後々混乱を招きます。
新型コロナウィルスは奇跡のように消えてなくなる。感染テストを受けたい人はいつ
でも受けられる、ワクチンは間もなく準備が出来る等々。どれも事実ではありません
でした。トランプ大統領とコロナ関連の政府代表機関であるCDC (Centers for Disease
Control and Prevention - アメリカ疾病管理予防センター)、そしてホワイトハウスの
コロナウィルス特別委員会のトップであり、NIAI( National Institute of Allergy and
Infectious Diseases - 国立アレルギー感染病研究所)の所長でもある Dr. Fauci との
コミュニケーションはずっとギスギスしたものでした。
アメリカに限ったことではないかもしれませんが、コロナ対策では、とかく政治が事を
ややこしくしています。「Science vs Politics」は春以来あちこちで耳にする言葉です。
「Stay at Home」、マスク着用義務等の規則、取り決めは、合衆国憲法に沿って、連邦
ではなく、州、市のレベルで出されました。そこでは、様々な州で共和党と民主党の
つばぜり合いがあり、時にはトランプ大統領も参加して事を複雑にして現在に至ります。
共和党知事 vs 民主党市長、大統領 vs 民主党知事等々。以下はその例です。全米規模で
「Stay at Home」が続き、いくつかの州では、感染拡大が落ち着いてもいないのに、
武装極右グループを含めた大勢の人達が州庁舎に抗議に押しかけて騒然となりました。
トランプ大統領は直ぐにTwitter でそれぞれの州の抗議を煽る「ミシガンを解放せよ!」
「ミネソタを解放!」「ヴァージニアを解放!」のメッセージ。どの州も知事は民主党
でした。次に、感染者数が全米トップクラスに入るジョージア州のアトランタ市長
(民主党)が行政命令として市民のマスク着用義務を発令しました。州知事(共和党)
の遅い対応に業を煮やしての行動です。直ぐに知事が異議を唱えました。合衆国憲法
では州レベルの決定が市よりも優先されます。その後、州知事がアトランタ市長と市
議会を相手取り訴訟を起こし、すったもんだの末、何とか落ち着きました。
我らがヒーロー保安官
コロナ禍における二党間のズレ以外で興味深かったのが「Sheriff」達の対応です。アメリ
カで法執行機関、要するに「警察」の役目を担うのは、主に市や町を管轄とする「Police
Officer」、より広い郡をカバーする「Sheriff」、 そして州全体を管轄し、州内の道路で
スピード違反を取り締まる「Highway Patrol」としても知られる「State Trooper」となり
ます。それ以外では、役割も異なり連邦レベルとなりますが、「FBI」、「Marshal」等が
あります。さて、私の目を引いた「Sheriff」、和訳は「保安官」となります。トップは
基本的にそれぞれの郡の選挙で選ばれる役職となり、与えられる権限も大きくなります。
雇われ警察署長は市長により免職されることもありますが、Sheriffのトップは、市長でも
知事でも挿げ替えることは出来ません。
5月でした。アリゾナ州のある郡の Sheriff は、州知事から発令された「Stay at Home」
の指示に対し、遵守はするが違反して店の営業を続けている人々に対し、自分は罰金を
科さないと公に発言。「市民の生活が第一。俺は見逃すから皆さん今まで通りお仕事を!」
ということです。翌月、本人にCOVID-19 陽性反応が出ました。感染したと思われる
イベントのビデオでは、誰もマスクはしていなかったとのことです。6月にはミシガン
州知事が、州内の住民に、店舗や人が込み合う屋外の場所では、マスクを着用するよう
義務付けましたが、ある郡の Sheriff オフィスがマスクをしていない人を見かけても咎め
ないと発表。その後、テキサス州、ノースカロライナ州、ニューメキシコ州、ネバダ州、
カリフォルニア州、フロリダ州内のいくつかの郡の Sheriff も州知事のマスク着用義務の
取り決めに従わないことを公にしました。もし、市の雇われ警察署長が同じことをしたと
すると直ぐにクビですが、彼らの行動は、誰に咎められることもなくSheriff の裁量として
まかり通ってしまいました。自分達が合衆国憲法上で違憲と判断したならば、連邦、州の
指示であっても従わないぞといった動きが、全米の Sheriff の間で出てきているようです。
市民の安全か、それとも生活の維持と自由か。上述の Sheriff 達は後者を選びました。彼ら
の再選は堅いと思います。アメリカのコロナ対策における、もう一つの不協和音です。
トランプ大統領感染
10月1日。トランプ大統領の側近の一人のコロナウィルス陽性反応が確認され、翌日
にはトランプ大統領自身と夫人の陽性反応の発表がありました。その後、大統領と接触
のあった上院議員3名、ホワイトハウス付けのジャーナリストも含め30名以上の陽性
反応が確認され、まだ増える可能性はあります。専門家の声に耳を傾けることもなく、
軽く見ていた病に自身が伏し「己の失敗のシンボル」、「スーパー・スプレッダー」と
呼ばれ、 その後 Reed National Military Medical Center に入院し、精鋭医療チームに
より24時間の徹底した治療を受けました。ステロイド系抗炎症薬を含めた3種類の薬剤が
功を奏したのか、10月5日には退院してホワイトハウスへ。Twitter では「COVIDを恐れ
るな」と自分の健康回復をアピール。この時点で全米で21万人の犠牲者が出ていました。
亡くなった人達の親族の神経を逆なでする自分勝手なメッセージはひんしゅくをかいま
したが、本人はお構いなしです。「Black Lives Matter」で全米が抗議デモで荒れていた頃、
ホワイトハウス前の公園を隔てた教会で聖書片手にポーズの写真パフォーマンスがあり
ました。今回も大統領専用ヘリコプターでホワイトハウス前に降り立ち、バルコニーから
報道陣に向かってこれ見よがしにマスクを取り、その後に敬礼付きのサービスです。タフ
な大統領であることを国民に知らしめたかったのでしょうが、映像で見る姿は、呼吸は
安定せず顔色は不健康そのものでした。ここ数日の再テストの結果は全て陰性で自分には
免疫が出来ているとのこと。中断していた大統領選キャンペーンツアーを再開させました。
先日のトップバッターのフロリダ州は空港の特設会場。Social Distancing 無視の集会では
支援者を前にマスク無しで一席ぶって満員の会場を沸かせました。テスト結果からは、もう
他人を感染させることはないとの専門家の話ですが、どうなんでしょうか。本人に反省の
色は全く無く、既にフルスロットルです。困ったオッサンです。
定まらないベクトル
大統領選が近いこの時期、民主党と共和党が手をつないで共にパンデミックに立ち向かう
といったことはまず不可能です。まして現職の大統領がトランプとなれば猶更ではないで
しょうか。そして非常時は、現場に近い市長と、州全体を見渡さなくてはならない州知事
の間に壁が出来易くなり、それぞれが所属する党の組み合わせによっては、いがみ合いが
発生します。トランプ大統領はやはり特別ですが、ひょっとして大統領が誰であっても
似たような状況だったかもしれません。そして、一部で根強く残るマスク着用、「Stay at
Home」の義務付けを違憲とする解釈。それに加え、いざとなれば連邦、州の取り決めから
自らを脱線させる Sheriff も全米のあちこちの郡に存在し、元々国を挙げてコロナに立ち
向かう体制は取れなかったような気がします。ウィルス拡散を封じ込めようと努力する人達、
感染を他人事のように受け止めている連中、経済再開が最重要である政治家。ベクトルが
乖離している間は、とても国が一丸となって COVID-19 収束に向かうことは不可能です。
先は長そうですが、まずは大統領選が終わるのを待ちたいと思います。
写真です。
コロナとは直接関連はなく、数はありませんが、取りあえず我が家の身の回りの写真です。

家内の書斎の天井です。この部屋は、平日は朝から三男が遠隔授業で使用。以前、背景の
整理棚を隠す「ついたて」を用意しましたが、あまりにみすぼらしく、カーテンを取り
付ることにしました。天井は、アメリカの家屋によくある乾式壁であり、ネジ、クギは
簡単に抜けてしまいます。ネジ穴のソケットを電気ドリルを使って埋め込み、カーテン
レールの留め金をネジで固定。作業は2時間でした。

完成です。午後に三男の授業は終わり、夕方は、家内による幼稚園児の日本語補習授業が
遠隔で行われます。

家内が使用する教材です。受け持ちは何名かいて、一人一人のレベルに合わせた授業を
行います。準備はかなり大変なようです。

今や遠隔授業を行う学校の先生の間では必需品のカメラです。真上から教科書やら絵本を
とらえ、コンピューターのモニターに映しだします。

こちらは、遠隔授業、幼稚園、両方の小道具作製に必要なペン類です。

次男です。病院で医師、看護師が着用するScrubを身にまとって撮影。大学が夏休みの間、
看護師助手の資格取得のコースを週末の土、日を使って民間の医療学校でとりました。別
に家内や私からの指示ではなく、「この先、いろいろな場所でパンデミックの時に何を
していたか?という質問を必ず受けるから、医療に関連したことをしておきたい。」と
本人。もっともです。2年前にお世話になった大学研究室のインターンは、かなり早くに
問い合わせましたが、コロナ禍で一切受け付けないとのことでした。2ヶ月のコースは
既に修了。資格試験はコロナの影響で前の数クラスがずれこんでおり、この秋に受験だ
そうです。

平日のお昼に家内は幼稚園。昼食は、いつの間にか次男の当番となり、材料さえあれば、
シャカシャカと家族の分を作ってくれます。写真は、ある週末の夕食。新鮮なアサリが
手に入り、次男によるパスタとなりました。白ワインを使わず日本酒、そして外出もない
ためニンニクをふんだんに使って炒めました。家族5人「しあわせー。」美味しかった
です。

こちらは、三男の当番。日曜日の朝食です。手のひらサイズを20枚。そのうち10枚は
三男が平らげます。自身の大好物であり、何枚焼いても苦にはならないようです。私も
時々焼きますが、焼き加減は三男のようにはいかず、焦げだらけ。

三男の週3回のサッカーの練習です。少し見ない間にチーム内の身長の番付はかなり
変わりました。

サーフィン。三男、首をボードでぶつけて戻ってきました。パンデミックが始まった
春から本格的な体作りに目覚め、サッカーの練習がない日は、走りこんでウェイト・
トレーニングで約1時間半。過去にはありませんでしたがコツコツと続け、知らない
間に10キロ減量。その後、筋肉がつき始めました。次男は、大学に入ってから、肩幅
が広くなり胸板もずい分と分厚くなりました。今では三男の方が腕は太いようです。
写真で着ているウェットスーツは、背中にジッパーがあり、以前は、その先について
いるヒモを引っ張って一人でも着れましたが、今は上半身がごっつくなり過ぎ、手伝い
が必要になりました。まだまだ成長過程です。

三男、先日はフィンをぶっ壊しました。修理代は100ドル。高くつきます。

あっという間の夏でした。庭のプラムです。

その後はリンゴでした。来年の夏は平常に戻っていることを願います。
以上でした。次回は、アメリカが引きずる「Black Lives Matter」について書き綴ります。

