水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

めげないユーモア短編集 (62)食欲

2022年12月03日 00時00分00秒 | #小説

 暑い夏が続けば、自然と食欲が落ちる。どうしても冷たいものが欲しくなるのは、不思議と言えば不思議だが、身体が体温を下げようとするからだろう。食欲が落ちても、めげないで食べないと身体によくない。食べたくないのに食べるのは辛(つら)いが、めげないで食べるのは体力を維持する上で欠かせない。食欲がないのに食べるには、食べやすくする方法を見つけることだろう。見つければ、技ありっ! か、一本っ! というところだ。^^
 とある家である。老人が茹(う)だって、すっかりバテている。
「お義父さま、お食事ですけど…」
「未知子さん、いつもすまないですねぇ~。で、きょうのお昼は?」
「申し訳ないんですが、店屋物にしました。お義父さまのお好きな鰻重ですっ!」
「ええっ! 鰻重ですかっ! 岡屋のっ!?」
「はい、岡屋の…」
「それは、それは…。アソコのは美味(うま)いですからなぁ~」
 老人の食欲は好物を聞いて、俄(にわ)かに復活した。
 食欲が低下したときには、食欲を維持する方法を見つけることが一番だろう。私も落ちていますので、頑張って見つけることにしたいと思います。^^

 ※ ご存知、湧水家のお二人に特別出演していただきました。^^

                   完


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