疲れが増せば、体調は悪くなる。さらに悪くなれば、過労となってバッタリ倒れてしまう・・ということだって起こりかねない。先だって観ていた大河の明智十兵衛さんが倒れられたのも、たぶんこの過労を含んだものだったろう。^^ 過労は命にかかわるから看過(かんか)出来ない。とはいえ、社会はどうしても仕事上の過労を人々に与えるから困りものだ。^^
とある官庁である。
「毛鼻(けばな)君、もう書類のコピーは出来たのかいっ!?」
「はあ、出来たことは出来たんですが、書類にミスがありまして…」
「ダメじゃないかっ! 明日から担当課長会と管理者会だよっ! 残業してでも完成させてくれよっ!」
「はいっ!!」
毛鼻は三日後に発令される人事異動[内示]の課長補佐候補だったこともあり、疲れてます…とも言えず、従順な大声で返した。
そして、その夜の七時過ぎ、ようやく書類は完成し、コピーが開始される運びとなった。だが、不運なことに、積る疲労が毛鼻の意識を遠ざけていった。
気づけば毛鼻は病室のベッドに横たわっていた。結果、数日後の人事異動の内示はなく、毛鼻は万年係長の道を、ひたすら邁進(まいしん)させることになったのである。
疲労は明るい出世を妨(さまた)げ、気分を暗くさせるから、程度モノ!! という戒(いまし)めの一話である。^^
完