水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

四方山(よもやま)ユーモア短編集 (25)仕方がないっ!

2021年09月22日 00時00分00秒 | #小説

 自分の本意ではないが、仕方がないっ! と苦渋(くじゅう)の決断をしてOK[了解]を迫られることが世の中ではよくある。自分の思い通りにいかないのが、私達が暮らすこの世っ! と言う、徳を積んだお坊さんのようなことを書かねばならないが、それが事実なのだから仕方がないっ!^^ 今日の二十五話は、そんな仕方がないっ! 四方山話(よもやまばなし)だ。^^
 とある…最近は、とあるばかりで書き始めているが、プロット[筋立て]が浮かばないのだから仕方がないっ!^^
 とある党の国会代表議員選挙が迫っている。その党の、とある候補の選挙対策本部[略して選対本部]である。
「今回は地方は外すみたいですねっ!」
「まあ、仕方がないっ! んだろ?」
「ほんとに仕方がないっ! んですかっ!?」
「僕に訊(き)いたって仕方がないっ! だろっ!? 僕はただの選対本部の係なんだから…」
「ええまあ、そうですけど…。私も選対本部の係ですっ!」
「そりゃ、分かってるさっ! 馬鹿なことを言ってても仕方がないっ! 一係員は一係員として、党の重鎮(じゅうちん)に言われるまま、流れりゃいいのさっ!」
「はあ…そんなもんですかねぇ~?」
「ああ、そんなもんさっ! 国会議員バッチ付けてられるだけ有難い…と思わなくっちゃ! 党のお偉方(えらがた)の耳にでも入ったら、どうすんだっ!」
「公認が危ぶまれます…」
「だろっ!?」
「はい、先輩っ!」
「我慢、我慢っ! 今はジィ~~っと我慢! 忍耐、忍耐っ!」
「はい、先輩っ!」
「そうそう! それでいいんだよっ! 解散だろっ!? で、選挙! 当選! それから語ればいいんだよっ! 語ればっ!」
「はいっ! それから語りますっ!」
「とはいえ、仕方がないっ! ことも、ないんだがなっ! ははは…」
「やはり、先輩もそう思ってられるんですかっ!?」
「ああ、少なからず…。シィ~~ッ!! ここだけの話だよっ! ここだけのっ!」
 仕方がないっ! ことは、グッ! と我慢して、仕方がないんだ…くらいに流すのが世渡りの得策なのではっ? という、侘(わび)しい四方山話でした。^^

                   完


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