この男、立花も通勤の出がけ、迷いに迷っていた。
「…弱ったなっ! どうするか?」
「何も弱ることないじゃないっ! 持って出りゃいいのよっ! 持って出りゃ!!」
「ああ、まあな…。そりゃ、そうなんだが、立て続けに二度、地下鉄(メトロ)に置き忘れたかったらなぁ~」
「そんなことだろうと思って、ほらっ! 黒い長い紐(ひも)付けといたから、ズボンのバンドに括(くく)りつけておきなさいっ! 黒いからあまり目立たないでしょ!」
「はい…」
心の蟠(わだかま)りが解けたのか、あれほど迷いに迷っていた立花は、妻の尻(しり)押しでスンナリと玄関から出た。
ものは思いようで、曇り空のように迷いが生じたときには、迷いを晴らす解決策を考えれば、何の問題もなくなるのである。^^
完
「…弱ったなっ! どうするか?」
「何も弱ることないじゃないっ! 持って出りゃいいのよっ! 持って出りゃ!!」
「ああ、まあな…。そりゃ、そうなんだが、立て続けに二度、地下鉄(メトロ)に置き忘れたかったらなぁ~」
「そんなことだろうと思って、ほらっ! 黒い長い紐(ひも)付けといたから、ズボンのバンドに括(くく)りつけておきなさいっ! 黒いからあまり目立たないでしょ!」
「はい…」
心の蟠(わだかま)りが解けたのか、あれほど迷いに迷っていた立花は、妻の尻(しり)押しでスンナリと玄関から出た。
ものは思いようで、曇り空のように迷いが生じたときには、迷いを晴らす解決策を考えれば、何の問題もなくなるのである。^^
完