水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

愉快なユーモア短編集-33- 昔の子供遊び  竹馬(たけうま)

2018年09月25日 00時00分00秒 | #小説

 7>として竹馬(たけうま)がある。これもメジャーな昔の子供遊びとして多くの人の記憶に残っていることだろう。数人で遊ぶというより、個人で楽しむ遊びとなる。もちろん、個々に作って数人でも楽しめるのだが…。作り方は簡単で、適当な真竹が1本と体重を支えられる小さな板切れが2枚あれば事(こと)足りる。竹を身長より高めの適当な長さに切り、20~30cmの高さのところに足が乗る板切れを縄(なわ)や紐(ひも)、ロープなど、適当なもので括(くく)りつけて固定する。で、同じものをもう1本、作れば完成となる。作れば、あとは遊ぶだけだ。手で持って片足づつ板切れの上へ乗せ、上手(うま)く歩けるようになれば、歩く愉快な感覚が味わえるというものだ。上達すれば、数人で速(はや)さを競(きそ)ってもいいし、一人で、まったりと歩き心地(ごこち)を楽しむのも一興(いっきょう)というものである。^^
 カツッ、コツッ・・と音をさせながら、数人の子供が竹馬を楽しんでいる。竹の乗り心地と音が子供達を愉快な気分にさせている。
「速いだろぉ~~!」
 一人の子供が道に引かれた線の上へ一番でゴールし、遅(おく)れて着いた子供達に自慢たらしく言った。
「うんっ!」
 遅れて着いた子供達は頷(うなず)いて認めざるを得なかった。
「なっ! ははは…」
 したり顔で一番速く着いた子供が笑ったときだった。その子供はバランスを崩(くず)して倒れた。
「だ、大丈夫?!」
 遅れて着いた子供達は、竹馬から全員が降り、駆け寄った。
「だ、大丈夫さっ! ははは…」
 速く着いた子供は打身の痛みに顔を歪(ゆが)めながらも強がった。油断は禁物(きんもつ)なのである。^^
 自転車と人だけが道に見られた頃の昔の子供遊びである。

                                 


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