前回はEV対256階調値でグラフ化したが、
今回はストレートにRAW Data値対256階調値でグラフ化してみる。
まず、ごくごく普通に両軸リニアスケールで描くと
今回はAdobeのCameraRAW(AdobeStandard)現像と
CaptureNXDのニュートラル・スタンダード・ビビッド現像に加え、
s-RGB規格のカーブとコレの近似関数(AdobeRGBの規格関数)である
Output = Input1/2.2 (γ2.2)のカーブを加えた。
s-RGBとγ2.2のカーブは大差ないが、各種RAW現像のカーブとs-RGBは全く異なる。
にもかかわらず、カメラの仕様書では「s-RGB準拠、AdobeRGB準拠」である。
どのあたりが「準拠」なのか?
それは両軸をLogスケールで描いてみるとハッキリする。
こんなカンジに・・・
s-RGBとγ2.2は画素輝度値90位から明るい側ではほぼ一致しており、
γ2.2は両Logスケールでは全域で直線になる。
実は、Y = Xk のカタチの関数は両Logスケールでは直線になる性質があり、
また逆に両Logスケールで直線となる関数は Y = Xk のカタチで表わせる。
この性質に基いて言えば、
s-RGBは画素輝度値90以下の暗い領域を除けば Y = X1/2.2 でほぼ表せる一方、
各種RAW現像のカーブは全域で曲線であり、Y = Xk のカタチでは表わせない。
さて、曲線が多数重なると見難いので、RAW現像のカーブをNXDのニュートラル
のものだけに絞る。
これに向けてY = X1/2.2 の直線を平行移動させてNXDニュートラルのカーブに
接するように描き、さらに18%反射率に対応するポイントを印してみる。
(NXDニュートラルでの18%対応ポイントは前回書いたように1132だ)
となって、
RAW現像のガンマカーブがs-RGBに準拠しているのは
18%反射率からやや明るい領域の部分だけなのだとわかる。